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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第15話

◆忍びの15「妖怪、ワタシ失敗しないので」◆ (監督:竹本昇 脚本:下山健人)
いや今回良かった、面白かったです。
冒頭、霞を狙いに現れるスターニンジャー。……うんなんかもう、一貫性が無いのは気にしない事にしよう。
霞から忍術理論の講習を受けていた風花と凪にブーイングを浴びたスターは、残念2人に相手してもらってこい、と追い払われる。その残念2人は好天の告げた「天空のオトモ忍」を探していたが、それを見つめる正影がオトモ忍離間の計を思いつき、交渉の得意な妖怪フタクチオンナ(モチーフは眼鏡か)を誕生させる。
前回、ヤマビコには自発的に作戦を任せた癖に、今回フタクチオンナにはやたら厳しくて、早くも正影にまで一貫性が無いのは気になる所です(^^; それともご家老、昔の火傷の傷とかうずくのか。
フタクチオンナはまんまとロデオ丸を騙して契約書に拇印を押させ、待遇の改善を訴えるロデオ丸の代理人としてキンジと交渉開始。ガシャドクロと戦うニンニンジャーはそれを見て、青と桃は交渉に介入、赤はシノビ丸でロデオを止め、黄と白はガシャドクロと戦闘続行、と役割分担。
ここでシノビ丸が抜けた後を、残された2人がパオン丸で凌ぐ、というのはギミックが物語に取り込まれて良かった所。とはいえ2人ではやはり劣勢に追い込まれるが、白のアイデアで分身の術を用い、白3人と黄2人で強引に穴埋めすると、
UFO丸来たぁーーーーー!
勝ったぁーーーーー!!
うん、もう今回は、ここだけで+3点(笑)
一方、キンジの元へ向かった八雲と霞はフタクチオンナの妖術による交渉フィールドに入り込み、霞ねえ、黒スーツにコスプレ。
「手裏剣忍法、美人代理人の術です」
恐らく戦隊史上でも希に見るレベルで、堂々と言い切りました。
交渉フィールドは会社の会議室のような場所で、背景の窓で、ロボットが戦闘しているというもの。
「勝算はありません。……でも、負けはしません」
と交渉に臨む霞だが、外でロデオとシノビが殴り合うのを見たキンジが我慢できずに拇印を押してしまい、妖術にかかって暴れ出す。
……八雲の存在には何の価値があるのかと思ったら、暴れるキンジを羽交い締めにする係か(笑)
ロデオの銃撃を浴びたシュリケンジンは分解してしまい、そこに九衛門が更なるガシャドクロを召喚。黄と白はオトモ忍総攻撃で立ち向かい、ダンプと犬、そしてUFOとゾウも活躍。ロデオ丸に対しては赤がシノビ丸で挑み、今作のウリの一つであるオトモ忍のスピーディなアクションバトルが炸裂。
「ばっかやろぉぉぉ!! 話してもわかんねぇなら、男と男、拳で語りあおうぜ!」
特徴的なギミックがテンポ良く盛り込まれ、遂に真っ向勝負を始めてしまう赤も、良い意味で天晴らしくて面白い(笑)
なおこのバトルで、シノビが殴り返された時に赤が顔を押さえているのですが、オトモ忍のダメージのフィードバック描写は初か(天晴の気分かもしれないけど)。
辛うじて戦線を維持するも、キンジは状態異常、ロデオ丸の攻撃で街に被害、白と黄もガシャドクロに押され気味、と苦境に追い込まれるニンニンジャー。頼みの綱の交渉も劣勢で、お手上げ宣言をする霞だが、そこから一転、自分達をここまで追い詰めた優れた妖怪であるフタクチオンナはさぞ職場での待遇も良いのでしょう、と物凄い勢いでフタクチオンナを煽りだす。
「こんなにも優秀な貴女は、もっと幸せになる権利があります! 妖怪として、女として!」
成る程、正影のフタクチオンナへの厳しい態度はこの伏線でしたか。ネタ自体は好きなのですが、正影の態度がヤマビコの時と違いすぎたのが、同じ脚本家が書いているだけに、ちょっと残念。そこを合わせた上で、更に、ヤマワラワ、ヤマビコが正影に粗雑な扱いを受けているのをニンニンジャー(モモ)が目にしているシーンが仕込まれていれば完璧だったのですが。
霞に乗せられたフタクチオンナは、畜生! 転職だ! と契約書を自ら破棄し、妖術が解除されて動きを止めるロデオ。
「俺達の拳の意味……やっとわかってくれたか」
「「違うと思う」」
そしてキンジも無事に回復し、邪悪策士の罠にはまった事を悟るフタクチオンナ。
「手裏剣忍法。ヨイショッショの術です」
……普段この戦隊でやっている事を考えると、言葉の裏に真っ暗な闇が広がっていて震えが止まりません(笑)
「ロデオ丸、お互い操られて、いいとこなしでございやしたからねぇ。名誉挽回と行きやしょう!」
復活したスター&ロデオがガシャドクロを担当し、フタクチオンナの前に並ぶ5人。
「あたしを騙すとは、やな女、やな女ーっ!」
「騙したのではありません。手玉に取らせていただいただけです」
ここで夕空(フィルターだと思うけど)を背景に、手裏剣が周囲を飛びながらの各人名乗りは格好良かった。
「忍ぶどころ〜……あ?!」
「暴れます!」
赤の決め台詞を奪った桃は妖怪に切り込み、夕陽をバックに炸裂する物凄いエフェクトの火炎斬りが普通に格好いいのですが、特撮班、力入れすぎではないか(笑) 先日、赤が蛾眉さんを倒した技レベルだゾ。
「手裏剣忍法、火炎アバレ斬り――。それでは行きますよ、皆さん」
「……ああ。逆らって、霞ねえを敵に回したくないからな」
「はい?」
霞派による恐怖政治の元、ガマガマ銃一斉射撃でジャッジメント
ごきげんよう
桃の最後の台詞は、妖怪CV:沢城みゆきさんと絡めた、お遊びメタネタか(笑)
バイソンもガシャドクロをひゃっはーするが、そこへ飛んでくる、真の交渉人・きゅうべえ……じゃなかった、九衛門。
「やあスターニンジャー。少し話をしないかい?」
十六夜……九衛門」
夕闇が暮れる中、向かい合う、キンジと九衛門。
「あっしもおめえさんに聞きたい事があったんでございやす。どうしてラストニンジャ様を、裏切ったんですかい」
「彼は恐れたんだよ。伊賀崎の一族じゃ無い、僕に“終わりの手裏剣”を託す事をね。僕からしたら、裏切ったのは彼の方さ。そこでだ……スターニンジャー。僕の弟子にならないかい?」
「おめえさんの弟子? 何を馬鹿げた事を」
「馬鹿げてるかな? 2人の力があれば奪えると思わないかい。君も狙っている、“終わりの手裏剣”をね」
「どうして、その事を……」
「ふふふ、まあ、考えておいてよ」
きゅうべ……じゃなかった、九衛門は姿を消し、最後は霞派の勢力が拡大しつつ、今後への含みを残してオチ。
・契約交渉というシチュエーションコメディー
・シノビとロデオのスピーディーなアクション
・その他オトモ忍も揃って活躍して年下組が奮戦
と、パーティー分割しながらも散漫にならず、むしろ各自の見せ場がバランス良く取られた上で、天晴に鋭くツッコむ凪と風花などそれぞれの個性も巧く引き出され、面白かったです。
「俺達の拳の意味……やっとわかってくれたか」と浸る天晴とか、「口が二つあっても、ご家老様には言えませんから」など台詞の切れ味も良く、打率2割だと思って気楽にボール投げたら場外ホームランが飛び出したみたいな感じ(笑)
また、エピソード要素である「交渉」が、ラストでキンジと九衛門の接触に繋がって先への伏線となり、いやらしくならないレベルのお遊びメタネタがその仕込みになっていたり、ギャグっぽく描かれていたキンジの性格が不安を募らせる仕掛けとして発動したりと、完成度の高いシナリオ。
だけに、逆転のキーとなる正影の態度に仕込みが足りなかったのが残念でしたが、竹本監督のバランス配分の巧さ及び、“逢魔ヶ刻にキンジと九衛門が出会う”シーンから逆算した演出、オトモ忍大活躍を主体に特撮班の力の入った仕事も含めて、良く出来たエピソードでした。
最後にぶるぶるっと頭を振って、狐に化かされた、とでもいうようなキンジの表情も良かった。
…………リニア丸? は、霞様に踏んでいただけるだけで満足です、という体質に調教済みなので、活躍できなくても離反の心配は1ミリもありません、ハイ。
次回、父の日を前に、父頑張る。
ところで予告の後、劇場版前売り券の宣伝で一足早く夏モードの服装(?)が披露されているですが、キンジがストローハットに派手な柄物の黄色いシャツという、人格改造を受けた後みたいな姿になっていて、やはりこの後、そういう展開が待っているのか……(ガタガタ)