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はじめての『プリキュア』感想16

◆『GO!プリンセスプリキュア』#22◆
OP、大人王子がはるかと微笑み合うカットから王子が消えて、王子の消えた空間を決意を込めた表情で見つめるはるか、というカットに変更。
カナタを残し、城の<扉>から何とかノーブル学園へと戻ったはるか達は、トワをひとまず寮へとかくまう。20話冒頭で取り残された眼鏡っ娘が、寮の前ではるか達を待っている、というのは流れが繋がって地味に秀逸。
それにしても学園寮が不審者だらけですが、もうそこは気にしない方向で!
……は?!
王子も一緒に脱出していたら、王子女装展開もあったのか?!(落ち着け)
トワイライトであった罪の記憶に苦しむトワは、はるかにカナタのバイオリンを差し出されて受け取るのを拒絶するが、そこにディスピアが現れる。
「もうお母様とは呼んでくれないのかい」
前回今回と、ディスピア様がまさしく魔女という凄く嫌な感じで素敵。
「おまえの夢など最初から終わっていたのだ。おまえが自分で私の森に足を踏み入れた時にな。さあ、いい子だ。そのまま、絶望しろ――」
トワはディスピアに囚われてしまい、ノーブル学園にビオランテ……もとい、トワを取り込んだ巨大な植物のつぼみが出現。周囲の一般人は一瞬で心を凍らされてしまい、トワの絶望を吸収するディスピアに立ち向かうプリキュアだが、圧倒的な力の差で叩きのめされる。
ここでフローラがいつもの不屈のプリンセスガッツではなく、カナタの「トワを頼む」の言葉を思い出して立ち上がったのは、パターンに少し変化がついたのと、はるかの精神力の基礎がカナタとの出会いにある、というのが補強されて良かった所。
この流れだと終盤、カナタになんやかやあってはるかが精神に大ダメージを受けてぐずぐずに、みたいな展開は有り得るかもしれません。
フローラはバイオリンによってもう一度トワの心に呼びかける事を思いつき、マーメイドとトゥインクルの援護攻撃を受けて、つぼみの内部への侵入に成功。……トゥインクルはすっかり、八つ裂き光輪の使い手みたいになってきたなぁ(笑)
「やめて。……聞きたくないわ。それを聞くと思い出す。お兄様……ホープキングダム……わたくしの……罪」
「そんな事言わないで。まずはここから出ようよ」
自ら心を閉ざすトワに語りかけるフローラ。
「もう、グランプリンセスにも……」
「なれるよ。心から望めば、きっと夢はかなう。カナタは……私に、そう、教えてくれたよ」
「おにい、さま……」
「カナタはもう一度、貴女とバイオリンを弾くのが夢だって言ってた。私も、その夢を応援したい。だから、前を向こうよ。もう一度」
はるかはトワの人となりを知っているわけではないので、ここで無条件な慈愛や善良さへの信仰を発揮するよりも、あくまでカナタとの約束にウェイトを置いた上で、前々回−前回の流れを組んで“カナタの夢を応援する”という形で、はるかとカナタの関係を補強しつつトワを助けようとする、というのはバランスの取れた所。
またここが後で、グランプリンセスとはなんぞや? という問題とも繋がる構成になっています。
「大丈夫、大丈夫だよ……どんなに失敗したって、一歩ずつ、取り返していけばいいんだよ」
ただこの最後の一押しは、ちょっと踏み越えた感。
もともと、はるかはアビリティ《ヒーロー属性》により、「キュアフローラに変身すると<説教>スキル+2」の能力持ちですが、それはあくまで、“はるかの中にあるもの”が言語化するから許されるのに対し、この一言に関しては、過去のカナタの言葉と重ねる都合で、“はるかの中に無いもの”を台詞にしてしまった気がします。
はるかは特別、他者に対して大きな責任感を抱いているわけでも、大きな過ちを乗り越えようとしているわけでもないですし、この言葉が幼いカナタとトワの間で通じるのは、両者が“王族の責任”を自覚しているからであり、はるかには、それがない。
これまでの物語を通して、はるかが“プリンセスの責任”に目覚めつつある、というニュアンスも含んでいるのかもしれませんが、第18話でようやく「私の目指す、プリンセス」を肯定し、なおかつその理想像――花のプリンセス――を考えると、はるかがそれに付随するリアリティに対して考えが及んでいるとはとても思えません。
また、逆にトワは、そのリアリティを感じていたが故に魔女の甘言に乗り、今は罪の意識に苦しんでいるわけなので、両者の基盤にある大きなズレを(意図的なものかもしれませんが)強引に均してしまったようにも見えます。
事をはるかレベルで考えると、物語の流れとしては、紅茶の入れ方とかバレエとか、失敗を繰り返したけど諦めずに頑張って成長したよ、という事なのかもしれませんが、その場合、「取り返す」という言葉がそぐわなくなります。
はるかはゼロから積み上げているキャラクターであり(そこがポイント)、マイナスから取り返すという要素はあまり持っていないので、いっけん「プラス思考」でまとめられそうだけど、実は本質の違うものを、一緒にまとめてしまったと思います。
前々回−前回といい流れで来ていただけに、最後の着地の所で、今までの積み重ねの無い言葉が出てきてしまったのは、残念。
フローラの言葉に、幼い頃のカナタの言葉を重ねたトワはバイオリンを手に取り、2人は曲を奏でる。はるかがシャムールから教わった曲と、トワイライトがいつも弾いていた曲、それは元々、合奏用の一つの曲だったのだ。
「絶望が……消えてゆくだと……」
「いいかい、トワ。どんなに辛い事があっても、諦めちゃいけない。常に、人々の夢を照らし続ける希望の光。それが、グランプリンセスなんだよ」
ここで、これまでのプリンセスプリキュアの戦いを受ける形で、グランプリンセスの定義付けが概ね完成。「絶望」に対するより明確な対義語として「希望」が持ち込まれ、それが人々に「夢」を抱かせる光なのだ、と定められました。
超便利ワードの「希望」を、既に劇中の重要キーワードとなっている「夢」と繋げる事で、物語の中に手早く収めてきたのは好印象。これ、一歩間違えなくても、特大の地雷なので。
「……一度犯した罪は、二度と消えない。でも、心から望めば……ならわたくしは、この罪と共に、この罪を抱いたまま! もう一度、グランプリンセスを目指す!!」
ディスピアの不意打ちを受けて落下するトワだが、黒く染まっていたパフュームと、ディスピアが生み出した闇のキーが浄化され、プリンセスエンゲージ。
「真紅の炎のプリンセス! キュアスカーレット!」
スカーレットは、ドレスの袖口が広がっていて、少しオリエンタルな感じ。そして縦ロールがバーニングしていて、作画がやたらに大変そう(^^; しかし、耳が尖ったり、髪の色に白が入ったり、見た目がトワとトワイライトの中間みたいな姿になるのは、ディスピア様お手製のキーの副作用ではないのか。そのキーで変身して、本当に大丈夫なのか。
変身したスカーレットは、迫り来るディスピアの攻撃を華麗に退ける。
……なんだろうこの、王家に流れる狂戦士の血に目覚めた感。
「なんだ、その力は……」
「闇を払い、夢を照らす、希望の炎! いつの日か、お兄様とホープキングダムを取り戻す、その時まで。ディスピア! わたくしは、あなたと闘う! さあ、お覚悟を、決めなさい!」
スカーレットの言葉に応えるかのように、カナタのバイオリンが魔法のアイテムに変化し、スカーレットはモードエレガントを発動。スカーレットバイオリン・フェニックスで火の鳥を召喚し、ディスピアは撤退するのであった。
自爆装置を取り付けないなどセキュリティには問題のあった4つ目のパフュームですが、先代が大いなる闇に対抗する為に作ったというだけあって、植物属性のディスピア様に有効な炎属性でした。そう、圧倒的な火力で一族郎党皆殺しにすれば、マラソンはそこで終了だ!
ディスピア様の作った闇のキーがそのまま3つのドレスアップキーになったのは少々謎ですが、これでいきなり12個揃った事になるとは思えないので、番外という事でいいのか。そうすると、先代はパフュームだけ作ってキーは作っていないのか、という話も出てきますが、この辺りは後で辻褄が合うのだろうと先の展開を待ちたい。
キュアフローラ。お兄様はどこかで、生きています」
「ホント?!」
「感じるのです。このバイオリンを通して」
「また、会えるよね……」
「ええ。きっと……!」
こうして、カナタ王子は立派なヒロインとなるのであった。
うむ、それもアリだ。
…………というかカナタ様、あんな二枚目なのに誰もときめいてくれないし……! 個人的にはもう少し、ラブネタあっても良いんですが……! ただ、はるかは恋愛ヒロインとしてはあまり面白く感じないので、トワが本当は妹よりもカナタに憧れる遠戚のお姫様とかだったら良かったんですが……! 風の噂によると前作で色々あってその辺りはタブーなのですか……?!