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『ジャッカー電撃隊』感想3

◆第3話「5フラッシュ!! ほえろパンサー」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:上原正三
クライムの新たな幹部、横浜ボス(ただのおっさん)登場!
いきなり、怪人と言い争う(笑)
カレンは、友人である天才空手家・夏子(志穂美悦子!)が、空手を辞めようとしている事を知る。夏子は、父の遺した道場を弟・ハヤト(大葉健二!)に継がせる為に、強すぎる自分が退く事で、弟の自立を促したいと考えていたのだった。そんな姉の思いが功を奏してか、空手の大会で優勝するハヤト。だがある時、監視カメラに写った映像から、合宿に行くと言って家を空けていたハヤトが、現金強奪の犯人グループに加わっていた事が判明する……!
「ハヤトを連れ戻してくるわ。どこなのクライムは?」
クライム、ちょっと近所のコンビニ扱い。
実はハヤトは、姉の期待に応えたいと思うあまり空手大会の決勝直前、控え室に現れた謎の男(横浜ボス)に渡された薬を飲んでしまい、洗脳を受けてクライムのコマンド部隊の一員にされてしまっていたのだった。民間人を洗脳コントローラーによって操り兵隊とする、クライムのコマンド作戦の事実が判明するが、ハヤトは内臓された爆弾により、口封じの為に爆殺されてしまう。
第3話にしてブレーキが見当たりません。……まあ、序盤の重い話と言えば、『バトルフィーバーJ』の2話の方が重かったですが(^^;
〔さあ鋼鉄のスクラムだ(『バトルフィーバーJ』1−2話感想)〕
今回も、姉弟愛がかえって相手を追い詰めて……という要素が盛り込まれていますが、単純に人が死ぬだけではないえぐみを、子供向け30分番組にさらっと放り込んでくる大先生のこの切れ味。
ハヤトの言い残したコマンド養成所を探すジャッカー、足を使った聞き込みとは別に、ハヤトの靴についていた土を分析する、というのは今作らしい所。似た土質の島を発見してスカイエースで乗り込むジャッカーだが、養成中のコマンドを人質に取られ、やむなく撤退。
本気を示す為に、せっかく集めてきたコマンド候補生をさくっと銃殺してみせる70年代作品の命の軽さよ(^^;
ところで最近、地中からにょきにょきっと出てくる砲台って無いですね。……うんまあ、色々と不自然なのですけど、子供心には夢があった気がします。
実質的に20数人の人質を取られ、正面からは手出しする事ができない……カレンから話を聞いた夏子は、封印していたヌンチャクを手に立ち上がる!
「私が今、ハヤトにしてやれる事、それはハヤトと同じく、酷い目にあってる人達を助けてあげる事よ」
無言の夏子が、いきなりヌンチャクを凄い勢いで振り回すのを、3方向からのカメラで撮る映像が鬼気迫ります(笑)
そもそも巨大な戦闘母艦で目立ちすぎるのが良くない、とカレンと夏子はモーターボートで島へ乗り込み、クライム戦闘員を蹴散らすと洗脳コントローラーを破壊してコマンド候補生達の解放に成功。ガスの噴出する洞窟に閉じ込められてしまうも、援護に駆けつけたスカイエースによって救出される。
志保美悦子アクション無双(カレンも磁力エネルギーでちょっとフォロー)に続き、スカイエースのギミック見せと隙がありません。
洞窟に向けてドリルをぶちこみ、天井を無造作に破壊し、巨大コンテナを投げつける桜井の操縦が大雑把すぎて、インターナショナルレスキューに後ろから撃たれそうですが。
国際科学特捜隊は、救出時の事故で身体を損傷した場合、もれなくサイボーグ手術を行って組織の 鉄砲玉 一員として雇用する上に、手術前には契約書にサインを求める、極めて人道的な組織です。
「貴様達が噂の?!」
今日も律儀な怪人は、今回も最初から最後まで誰も名前を呼んでくれないのですが、デザインからすると「デビルダイナマイト」とかでしょうか。どうしてこんなに、怪人の扱いが雑なんだ『ジャッカー』(笑)
今のところ特殊能力をごりごりと押し出してくるわけでもないですし、ハード路線の一貫として、あくまで戦闘員よりも強力な敵、という程度の扱いなのか。
ジャッカーは志穂美悦子に負けじと怪人をジャッカーコバックで粉砕。横浜ボスが捨て台詞と共に島を爆破して逃亡するが、救出した人々と共に、スカイエースで脱出に成功するのであった。
戦隊の合体必殺技というと、敵が逃げている所を背中から撃つ・敵を弱らせてふらふらした所に使う・面倒くさいので理屈抜きで問答無用、などありますが、ジャッカーコバックの場合、スクラム頭突きで動きを封じる→そのまま飛び上がると回転して方向感覚を失わせる→蹴り飛ばして反撃を封じる→何も出来ない所にコバック発動、と割と手順が合理的。
順番に敵を崩していく過程には、何やら無慈悲で冷徹な恐怖があり、いい必殺技です。
志穂美悦子がヌンチャク振り回したり、志穂美悦子大葉健二と戦ったり(飛び蹴りのジャンプ力が凄い)、志穂美悦子がクライムを蹴散らしたりと、当時JAC所属の、日本におけるアクション女優の草分け、志穂美悦子無双回。
ジャッカーが思いっきり内部情報を伝えているのに長官が何も言わない所を見るに、夏子は恐らく、ハートクインの候補の1人だったのかと思われます。
「サイボーグにならんか? 君は、磁力エネルギーを内臓した、ハートクイン。そして、クライムを倒すのだ」


◆第4話「1ジョーカー!! 完全犯罪の死角」◆ (監督:奥中惇夫 脚本:上原正三
トロール中、いきなり車に轢かれる大地。
サイボーグだから大丈夫☆
車に乗っていた少女に妹の面影を重ねる大地だが、少女を乗せて空港を飛び立った飛行機は、クライムがプレゼンする新兵器、超長距離を狙撃可能なクライムレーザー砲の犠牲となって墜落してしまう。
相手が幼女でも、全く容赦なし!
この直後、撃墜した飛行機には160名が乗っており、その内の30名にはクライムが保険金を掛けているので、事故として処理されれば儲けは数十億、と喜色満面で命を数字と金に換算してみせるクライムの姿が、非常に悪辣。
事故を知り、墜落物の漂着現場へ走った大地は、少女が大事にしていた人形を発見し、男泣きにくれる。実は大地は、飛行機事故で両親と妹を亡くしていたのだった。
「飛行機はエンジンの不調を訴えながら消息を絶った。今でも、海中に沈んだままだそうだ……」
単なる悲劇的な設定だけではなく、シチュエーションで更なるえぐみを上乗せしてきて、手を緩めません。
墜落をただの事故とは思えない大地は、人形の背中に開いた丸い穴と内部の炭化を発見し、レーザーの反応が確認された事からジャッカーは飛行機の残骸を再調査する。寝ずの調査を続けた大地は、少女の人形に導かれたかのように、遂にレーザー光線による射撃跡を発見。ジャッカーは、クライムのレーザー基地を発見する為に動きだす。
スカイエースの機影に対し、丁度いいからレーザーで撃墜しようとする横浜ボスだが、商談がまとまりかけてるのにレーザー外すと恥ずかしいから迎撃に使うな、と割って入るアイアンクロー
「では、いかがいたします?」
「それは横浜ボス、君が考える事だ!」
丸投げした(笑)
横浜ボスは仕方なく陽動作戦を命じ、ジャッカーを基地から引き離そうと動くデビルガン(今回は名前を呼ばれました!)。怪人の総称は1話では「犯罪ロボット」だったのですが、3話−4話と「機械怪物」と呼ばれているので、その名称で行くのか。
追跡中、思いっきり地雷を踏む大地。
サイボーグだから大丈夫☆
地上部隊を囮にして結局レーザーを撃つ横浜ボスだが、スカイエースの翼をかすめたに終わり、逆に基地を発見されてしまうと、スカイロケットによる反撃で基地が吹っ飛び、横浜ボス・リタイア。
70年代作品を久々に見るのであくまでイメージですが、今作、この前後の作品としては結構ミニチュア特撮に金と力がかかっているような気がします。『ゴレンジャー』とか『バトルフィーバーJ』の空戦などは正直もっと退屈だった記憶があるのですけど。
レーザー基地の破壊に成功したジャッカーは強化カプセルで変身するとマシンに乗り込んでデビルガン&構成員を取り囲み、
「十字攻撃!」
容赦なく文字通りの十字砲火を浴びせると、クライムジープは何故かミニチュアでど派手に大爆発(笑)
その後の戦闘シーンでは、キングがキング重力プレスを使用し、初めて重力技を使ったよーな(メガトンパンチは違う気がする)。また、キングを助ける為にエースが加速スイッチを披露。ジャッカーはコバックでデビルガンを粉砕し、また一つ、クライムの陰謀を打ち破るのであった。
なおいつの間にか、EDの大地が白黒でなくなっていた。