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『百獣戦隊ガオレンジャー』感想26

◆Quest35「獣皇剣、強奪」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希
見所は、空中で後方一回転しながら投げられた4本の剣を両手でキャッチするヤバイバ。
割と凄い気がします。
オルグ反応を感知したガオレンジャーはツバクロ市へと向かい、レッドはそこで風太郎と遭遇する。
風太郎、随分探したんだぞ」
何故?
レッドが風太郎を気にしている事自体は描写されているのですが、常識の範疇で本気で流浪しているとは思っていない筈なので、まずこの街で出会った事に疑問を抱いてしかるべき筈なのですが、とにかくガオレンジャーの思考からは「疑う」という発想が消去されてしまっています。薬が効きすぎです。
「ガオレッドだからって、偉そうに」
「声が大きいよ」
そして急に、正体を隠そうとするレッド。
今まで一度もそんな素振りを見せた事が無いどころか、先日は凄く普通に屋台のオヤジを前に変身を解除していたのですが、何もかも脈絡がなさ過ぎてどういう顔をすればいいのか悩みます。
一応2001年の作品なのに、開始5分の意味不明さが『超神ビビューン』(1976)と同レベルってどういう事だ。
ラセツの命を受けて食器セットを作ろうとしていた鍛冶屋オルグに、うってつけの素材としてホワイトの獣皇剣が奪われてしまい、ホワイトを小馬鹿にして出撃した黄・青・黒も、同じく獣皇剣を奪われてしまう。
この戦闘と並行して、ふてくされてガオレンジャー辞める宣言をした白の機嫌を赤が必死に取る、というシーンが入るのですが、ホントこう、尺が無駄だなぁ……。なお、この様子を呆れた表情で見ていたテトムは、途中で動物園に帰って今週の出番はそれっきり。登場人物個々の行動にも、何のフォローもありません。
で、今更の白だって年頃の女の子だし話から、皆でフォローし合って頑張ろうぜ、に繋がるのですが、白の辞める宣言とその後があまりにギャグ扱いだった為、仲間の絆でいい話っぽくされても軽くなりすぎてまとまりが悪く、どうにも歯車が噛み合いません。
今日もお休みかと思われたシルバー突然の不意打ちから破邪百獣剣で鍛冶屋を邪気退散するも、ナイフやフォークに打ち直されてしまった獣皇剣ではパワーアニマルを召喚できず、単身戦いを挑んで苦戦するガオハンター正義。だがその時、ファルコンの声がレッドの胸に響き、レッドはファルコンサモナーに宝珠を填めてガオイカロスを召喚する!
…………「そうか!」って、今気付いたみたいな言動と行動なのですが、いつもそれ単独で普通に呼んでましたよねガオイカロス……。薬が効きすぎて、遂に短期の記憶障害を起こしているのか。
イカロスオーバーヘッドで鍛冶屋をガオラオすると獣皇剣は元に戻って一件落着。今更ながら、風太郎ってちょっと不思議だよなーとか、ホワイトが以前に風太郎に会った気がする、とか風太郎関係の伏線を強調して、次回へ続く。
ガオレンジャー』にしても酷いというか、文芸部仕事しろ、みたいな話が続くのですが、製作資料の大量紛失でもあったのだろうか、と疑いたくなるレベル(^^;
今回から、アイキャッチとEDが変更。EDは肌色ポエムから、星になったパワーアニマル、みたいに。なお、青だけ引き続き脱いでいるのは、海の男アピールかと思われます。愛、海への愛。


◆Quest36「戦士踊る」◆ (監督:諸田敏 脚本:武上純希
色々と記憶が飛んだり消えたりしがちなパワーアニマル教団の生活だが、ガオディアスとの約束は忘れていなかったようで、鹿に歌うテトムとシルバー。
(なぜ、なぜ涙が出るんだろう……)
そして地上でそれに耳をすます風太郎。
だがそんな時に生まれた魔笛オルグの演奏でシルバーの笛の音程が外れた事から、売り言葉に買い言葉で二人は揉めてしまう。
「もうシルバーとはユニット組まない!」
はちょっと面白かった(笑)
テトムとシルバーを「同じ平安時代生まれ」でくくり、仲を取り持とうとするレッドだが、街に魔笛オルグが出現。初めは笛の音色で子供を踊らせるだけの力しか持たなかった魔笛オルグだが、ラセツの力で強化され、大人やガオレンジャーも踊ってしまうように。
魔笛の調べを打ち破るにはテトムの歌が必要だと、「テトムにはテトムのいい所がある」と赤に言われた通りの言葉で、テトムに謝るシルバー(笑) 赤も割と大概ですが、シルバーの不器用さがいい形で出て面白くなりました。
機嫌を直したテトムは「アカペラじゃ歌えないもん!」とシルバーを引きずって現場に急ぎ、なんだかんだ、テトムをヒロイン位置に収めておくと話がうまく回るので、キャラクターのポジショニングって重要だと思う次第。逆に言うと、テトムってヒロイン属性を与えないと都合のいい情報バンクにしかならないので、どうしてもっときちんとヒロインにしないのか、という話なのですけど。
テトムの歌声は見事にオルグの魔曲をかき消すもラセツに妨害されてしまうが、そこに鹿が飛んできてさらっと解決し、毎度ながらの台無し展開。今作のコンセプトなので致し方ない面はあるものの、Aパート悪くなかっただけに、もう少し盛り上げられなかったか(^^;
意外と肉弾戦でも強い魔笛オルグを何とか邪気退散するが、巨大化したオルグの広範囲の笛の音に召喚のメロディがかき消されてしまう。だがその時、突然ゴッドパワーアニマルが登場すると、ガオゴッドが降臨。ゴッド弓矢の一撃が笛を砕いてイカロス召喚が可能となり、鹿の角で捕まえてからの回転投げ落としという新必殺技でガオラオ。ゴッドは無言のまま姿を消してしまうのであった。
ウラ編の終盤が結構シリアスだった事を考慮してか、軽い感じの単発エピソードの中で少しずつ風太郎の秘密に触れていく流れなのですが、結果として、話が進むにつれてハイネスデュークオルグ仕事しない印象になっていくのが、困った所(^^; もう少し、無頓着な邪悪の恐怖、みたいなものが描かれていればまた違うのですが、そういった雰囲気の見せ方はあまり巧く行かない作品です。今となっては、シュテンは、物凄く真面目な重役だったのだなぁ……。