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はじめての『プリキュア』感想24

◆『GO!プリンセスプリキュア』#31◆
ロックの正体が、ちょっと媚びた感じの犬っぽい妖精だった事が判明。パーカーの消滅により元の姿に戻ったロック犬だが、眠りについたまま目を覚まさず、ミス・シャムールが鏡の世界(?)で面倒を見る事に。と、ロックの後始末を回想混じりでショートカット気味に済ませたのは、テンポを疎外せずに良かったと思います。
新学期が始まり、久々に花壇の手入れに向かったはるかは、そこで花好きのクラスメイト、はなえと出会う。
はるかはこれまで、みなみ、きらら、トワ、とはるかよりヒエラルキー上位の存在へガンガン突っ込んでいって籠絡する、というのが基本パターンだったのですが(ゆいも第1話では、自分の夢をしっかり言える存在として対比されていた)、はるかよりも背が低く、ちょっと気弱な感じの女の子に上からぐいぐい迫る、という新パターン。
……ちょっと鬱陶しいかもしれない(笑)
はるかの成長、精神的強さの向上を表現する為に、新学期という行事的区切りに合わせて従来と逆転した人間関係を盛り込んでいるのは凄くわかるのですが、はるかの善良な猪突猛進は、一歩間違えると非常に押しつけがましいので、今後もこのパターンを用いる事があるなら、バランスに注意が必要かもしれません。
第3話にもその危険性の芽はありましたが、はるかの“夢を守りたい”は油断すると“前向きな夢を持つべき”にすり替わって、教室の片隅で一人でダラダラする自由を奪いかねない節があるとは、改めて思う所です。
……まあこの辺りは女児向け作品においてはポジティブが正義と前向きに受け入れるべきであって、私の苦手が先に立っているという所はありますが(^^;
なんというか、多分この世界の善良な人々は、皆ドーナツが好きなのだろうなーという想像に覚える圧迫感が、チラリと表に出てきてしまったというか。
ミス・シャムールのレッスンでフラワーアレンジメントが上手く出来ないはるかは、はなえにアドバイスを貰おうと花を取りに戻るが、その途中、夕陽に舞う鳥の大群を目にし(ヒッチコック)、巨大な黒い鴉に襲われる!
トワに助けられたはるかが目にしたのは、鴉が姿を変えた人型……
「地獄の底から舞い戻ってきたぜ――プリンセスプリキュア。おまえらを、倒す為にな」
序盤でさくっと消されながら、何故かOPにずっと居たクローズ、奇跡の復活!
キュアフローラ、おまえの夢、俺が絶望に染めてやるぜ」
クローズ・リバイブは次々と繰り出されるプリキュアの攻撃を軽々と弾き、新生クローズとしての強さをアピール。
「おまえがキュアスカーレットか。どれほど熱い炎かと思ったが、ぬるいぜ」
スカーレットの高速横回転バーニングキックすら防いだクローズが地上に絶望の種を撒くと、そこから植物が伸び、先にOPに顔出ししていた、ヘルメットの2体、その名もフリーズとストップが誕生。
「熱い夢ほど強いゼツボーグになるが……」
「生まれたての夢もまたいいもの」
新顔の二人は、女性声優をあてての中性的な演技とあいまって、この台詞一発で、嫌な感じが良く出ました。フリーズとストップは、フラワー・コーディネーターという、生まれたてのはなえの夢を停止させ、二つの鍵を付けた新たなゼツボーグを生み出す。
「「夢は止まった」」
ダブルゼツボーグはこれまでと違い、強化がビジュアル的にわかりやすいのが秀逸。……その第1弾のデザイン(エプロンつけた花)が、どうしてそうなったのかちょっと疑問ですが!
強力ダブルゼツボーグは花ファンネルを連射し、苦戦するプリキュア。中でもフローラは、大好きな花が破壊の為に使われる事に怒りを燃やす。
「花を……こんな事に使うなんて」
「花は咲いたら必ず枯れる。そういうもんだろ」
「それでも……花は、また咲くよ!」
このやり取りの直後に、ローズトレビアン(花)で攻撃するフローラさんは、ほんとマッド系ヒーロー(笑) ゼツボーグがひるんだ所で4人はプリキュア・コバックを炸裂させ、ダブルゼツボーグを撃破。
「夢……止まらなかったな」
「止められなかったな。だが」
「「絶望した」」
「花は何度でも咲く。絶望も同じだ。絶望は絶望を育てて――大きくなる」
クローズRは不敵な笑みを浮かべると、フリーズ&ストップを連れて退却。悪役がヒーローに投げ返された台詞を更に投げ返す事で、ただの暴力単細胞から一皮剥けた様子も強調されました。
「絶望は消えやしない。音もなく気配もなく、夢見る者達に忍び寄り、そして、突然――現れる」
クローズRがホープキングダムで本当に宿無しで黄昏れていたシャットの前に現れると、絶望の森が大展開。更にロックが集めた絶望エネルギーを解放する事で、ディスピアが湯治から帰還する。
「お帰りなさいませ、ディスピア様」
「クローズ、大義であった」
「絶望の種、仰せの通りに撒いて参りました。これからゆっくり根を張り、大きく育っていくでしょう。奴等の世界に」
はるか達の世界にばらまかれ、大地に潜っていった絶望の種……果たしてそれは何をもたらすものなのか。甦ったクローズ、新たな幹部、そして海辺に立つ謎の人影――プリキュア達の戦いは、新たな局面を迎える!
ここ2話ほど不満のある出来でしたが、新学期スタートという学園物の要素に合わせて空気を切り替えつつ、級友が夢を奪われるというオーソドックスな構造で構成。その上で、復活したクローズと新たな幹部のインパクトを出す事に成功し、今後の展開に向けて複数の布石も置いてみせる、という新展開の一発目としてはかなり理想的な出来。
特に前回、悪役の魅力不足について触れましたが、今回は台詞回しとそれを印象づける演出が相まって、クローズRはしっかりと脅威に見え、新顔2人も嫌らしい感じが印象的になりと、悪玉サイドの描き方が非常に良かったです。また、単体では唐突だったロックの裏切りが、今回見せたクローズの忠義と対照的になり、帰ってきたクローズの立ち位置もしっかりする、と結果として効果的に機能。
……シャットはすっかり、リアクション芸人の道を歩んでいますが、それもまた良し。
ホープキングダムに召喚される回で意識して以来、鎌谷悠さんの演出回を楽しみにしていたのですが、情報の見せ方がしっかり考えられていて、良い演出。
今回だと例えば、少し引いたカメラで作画の省エネをしつつ、上座(画面右手)のはるかが、自分より背の低いはなえに向けて上からぐいぐい迫る事で優劣の関係を示し、それをそのまま、ラストのクローズとシャットの位置取りと画面構成に持ってくる所など、巧み。まあ、作品全体としてはあまり、上座−下座の位置と力の関係(トミノ理論)にはこだわっていないようですし、鎌谷さんの手による部分かはわかりませんが、ホープキングダム回でも引いたカメラと作画の省エネを上手く演出に取り込んでいたので、多分、演出のセンス。
新展開の最初に悪玉3人を印象的に描けたのはかなり大きかったので、今後もストーリー展開とはまた別に、参加回を楽しみにしたい。
伏線関係、最後の海岸の人影は、シルエットだったので一瞬、全裸のイケメンかと思ったのですが、よく見ると袖の辺りのだぶつきがあるので、服は着ている模様。後ろ髪の跳ね具合が如何にもですが、カナタ王子だとすると、これは記憶喪失パターンか……?
次回、多分その人影ではない、駄目そうなイケメンが登場し、みなみ様、かつてなく不愉快そうな表情。そろそろみなみ様に、当たりの回が来てほしいなぁ(夏の花火回は悪くなかったですが、トワ分も多かったので)。