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『手裏剣戦隊ニンニンジャー』感想・第30話

◆忍びの30「ねらわれた忍者塾!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:下山健人)
割と鍛えられた上腕二頭筋を披露しながらのランニング中、旧知の女忍者・キキョウの奇襲を受ける天晴。
(うぉっ?! ぜっんぜん変わんないな)
襲撃を回避した天晴だが、姿を隠したキキョウを探してゴミ箱などを漁っている内に足を滑らせて川に落ちそうになってしまい、思わず飛び出してきたキキョウに助けられる。
「ほっんと、相変わらず馬鹿なんだから」
「自慢じゃないけど、おまえに頭で勝った事ないからな」
天晴の言葉に、はにかむキキョウ。
ストップ! キキョウさん、STOP!!
タカ兄それ、
誰にでも言ってるから!!
貴女だけが特別じゃないから!
キキョウさんが割とダメっぽいというのはともかく、挨拶代わりに襲いかかってくるニンジャセンス・天晴のバカっぷり・キキョウの根っこの人の良さと天晴へのうっすらとした好意、が開始2分に凝縮されており、“短いシーンでキャラクター(とその関係)を見せる”という点においては、今作ここまででベストと言って良いかもしれない素晴らしいシーンでした(笑)
キキョウは天晴が修行の旅に出ていた際に知り合ったニンジャであり、伊賀崎家を訪れたその姿に、騒然とするニンニンジャー
「か、彼女ー?! お兄ちゃんに彼女?!」
「ナンダソレ?」
天晴さん、「彼女なんかじゃねーよ」ではなく、「“彼女”、て何? ラテン語?」レベルで、薄々そんな気はしていましたが、思春期がまだダウンロードされていない。
まあ、〔軽いお茶目(ゴミ箱を探す)→母性をくすぐる突然のドジ(川に落ちそうになる)→殺し文句(「自慢じゃないけど、おまえに頭で勝った事ないからな」)〕のコンボで、危うく天然ジゴロ属性が付く所だったので、現在のバージョンではそのアプリケーションが起動不能で一安心です。
伊勢喜六(演:ブルーバスター)というニンジャが開設した忍者塾の講師として招かれた、というキキョウについていった天晴は訓練に飛び入り参加すると、頭の悪い変な人だが体術は凄い、と子供達の尊敬を勝ち得る。だが、妙に無感情な生徒達を「機械みたい」と言ってしまった事で、伊勢を尊敬するキキョウとぎこちなくなってしまう。
いっけん爽やか系の伊勢が、小学生ぐらいの子供達に火炎の術を教えようとしたり、躊躇なき必殺を要求するハードな剣術指南を行っている事で怪しさを強調しているのですが、天晴はそこに全く疑問を抱いていないので、劇中の常識と視聴者へ向けた伏線が混線してしまったのは、残念だった部分。
劇中では当たり前の事は、視聴者に対しても「劇中では当たり前の事」として見せるべきであって、そこを「視聴者に対しては怪しげに」見せては世界観がブレてしまいます。
キキョウも火炎の術の修練に一度は反対していますが、結局教えていますし、剣術の訓練には疑問を感じていない様子であるならば、それを視聴者には「小学生に火炎の術を教えるのって変だよね」と見せてはならず、「小学生に火炎の術を教えるのはニンジャなら当たり前!」と見せなくてはなりません。
何度か書いていますが、常識が思い切りを邪魔して、素っ頓狂のようで実際は安全運転という今作の欠点がまた顔を出してしまっています。せっかく“他流派”のニンジャが登場した事で、ニンジャ世界の常識/非常識の摺り合わせが出来るチャンスだったのに、もう一押し、攻めきれずに勿体ない。
冒頭のキキョウの強襲もあったわけで、いっそイケイケドンドンで子供達に火炎の術を教えようとする天晴、ぐらいまで振り切れて欲しかったところ。
一方、忍者塾の存在を怪しんだ八雲達は塾の様子を探っていた。……ここも、Ninjyapediaはあるけど、「忍者塾は突飛」という、場当たり的にネタを放り込んでくる割に、突如発動する常識の基準がまちまちというのが、今作のどうも弱い部分。
裏で糸引く正影はあえて八雲達の前に姿を現し、御家老、初?の本格アクション。忍者塾の背後に牙鬼軍団の影あり、と知った天晴はキキョウに伊勢への疑惑を話そうとするが、感情的なしこりの出来たキキョウは天晴の言葉にかたくなになってしまう……そしてそれが、正影の狙いであった。姿を見せた伊勢と激しく斬り合う天晴だが、キキョウが天晴を押さえ込み、そこに伊勢の刃が迫る。果たしてどちらを信じるべきなのか……千々に乱れるキキョウの脳裏に、これまでの天晴の言動が蘇る。
(天晴は……嘘をつけるような 知力 人間じゃない)
日頃の行いが功を奏して天晴は難を逃れ、寄生忍術で伊勢を操っていた十六夜流忍者・クロアリが正体を見せた所で、子供達を逃がしたニンニンジャー集合。キキョウも華麗なアクションを披露し、天晴との連係攻撃でクロアリを追い詰めると、最後は超絶。巨大化したクロアリの作り出した蟻地獄に飲み込まれるロボだが、ライオンハオー要塞モードに掴まって脱出する。
「さすが、天空のオトモ忍で、ございやす!」
UFO……(涙)
キングシュリケンジンとライオンハオーの連続攻撃でクロアリはわっしょいされるが、回収した手裏剣を手に、九衛門は何やらほくそ笑むのであった……。
「天晴……次会えた時は……」
「なんだよ?」
「次会えた時は、どうなってるかな」
「決まってんだろっ。とりあえず俺は、ラストニンジャになってるぜ」
「……そうだね。頑張って」
「ああ、おまえもな」
途中、本命は熱血バカだけど、爽やか知性派に憧れる時もあるよね、という態度を見せていたキキョウですが、最後は天晴への秋波を仄かに漂わせるも綺麗にスルーされ、「お兄ちゃんにはまだ早い」で終了。
受け取りようによっては、ラストニンジャになるまでお前に会う気は無いという絶縁宣言に近いですが、むしろそれ以上にバカ、という事で、痴情のもつれによる零距離から手裏剣に発展せずに済みました。
前回ラストにちらっと顔見せ、クライマックスアクションにも参加、と扱いの良かったゲストヒロイン(山本千尋)は、幼少時から太極拳を学んで世界ジュニア武術選手権大会優勝の経歴を持ち、2014年には『太秦ライムライト』でヒロイン役を演じていた、というアクションヒロインとして狙い澄ましたゲストだった模様。
美人度も高く、天晴と似たもの同士のニンジャセンス+人の良さ、が上手く描写され、好感の持てるゲストヒロインで良かったです。
もう一人のゲスト、伊勢喜六(馬場良馬)の方は、『ゴーバスターズ』を現在見ている(半分まで見たら安心してまた止まっているので、早く再開しなくては……)のに加え、顔も髪型もあまりに変わっていないので、リュウジの忍者コスプレにしか見えなくて、ちょっと困りました(^^; それこそ、『ゴーバスターズ』でもブラックモードもやっているしなぁ(笑)
もう一つ振り切り具合が足りないのが毎度の難点ですが、ゲストの好演に加え、ニンジャ塾のロケ地が雰囲気出ていて良かったです。