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『ジャッカー電撃隊』感想13

◆第17話「黒い悪魔つき!! 怪談・地獄の家」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
アイアンクローの頭部を後ろから撮ると、巨大なアフロにしか見えない……!
深夜2:00、どこからともかく響き渡る不気味な手毬唄……そして赤い鞠をつく真っ白な少女。
「ちいちゃん?!」
少女を追って道路に飛び出してきた女性・秋月美佐子と知り合った大地は、物の怪に呪われている、といわくをもって語られる富豪・秋月家の話を知り、ナイト気取りで美佐子の護衛を買って出る。
「正真正銘のクローバーキングですよ」
と、庭の巨石を持ち上げてみせる大地……まあ、ジョーカーの趣味で秘密組織っぽい装いにはなっているものの、ジャッカー自体は割と堂々と公権力ではありますし、身分を明かさないと、超不審者ですからね!
一週間前に妹が肺炎で死亡したと連絡を受け、急遽留学先から帰国した美佐子は、その死を信じられずにいた。そして再び起こる怪現象……停電、ポルターガイスト、そして手毬唄を歌う死んだ筈の妹の姿……!
ジョーカーが周辺警護につけていた女性隊員8号と9号(7号は……?)から要請を受けて残り3人が変身済みで駆けつけ、深夜に洋風の屋敷に乗り込んでくるジャッカー、というのは変に面白い絵に(笑)
屋敷の中で物理的な破壊力を持った何者かが暴れた事から、本格的に秋月家の調査を始めるジャッカーは、美佐子の後見人である叔父が、5000坪に及ぶ秋月家の土地屋敷を売りに出そうとしている事を突き止める。
「ジョーカー、犯罪の匂いがしてきましたよ」は実にいい台詞(笑)
ところで今回から司令室の扉が変な効果音で開閉するようになり、凄く落ち着きません(^^;
怨霊騒ぎは、秋月家の莫大な財産の相続権を持つ美佐子をおびやかす、叔父の陰謀なのか。ジャッカーは叔父をマークし、ジョーカー、ゴルフウェア姿を披露。桜井、カレン、ジョーカー、のゴルフ場組がクライムの襲撃を受ける一方、大地と東は屋敷周辺を捜索していた。
(この木に電気が流れてる)
はサイボーグらしくて良かった所。東と大地は次々と屋敷周辺の仕掛けを解き明かし、物の怪騒ぎが人為的なものだと確認すると、古井戸に秘密の出入り口を発見する。
「いったいここは……」
「地下室です、うちの」
一緒に井戸の底に降りているお嬢様、アクティブ(笑)
秋月家の地下室にはいつの間にやら変な計器類が並べられており、3人は催眠状態で囚われていた本物の妹、ポルターガイスト現象を偽装する為の装置などを目にするが、そこへ現れた叔父さんボスに閉じ込められてしまう。
「物の怪に食われて、死ね!」
特殊な能力者でもなければ特別凶悪な犯罪者というわけでもなく、社会の様々な階層に居る人々が、上納金を納めてクライムボスの座に立ち、クライムと自らの利益の為に犯罪を行っている(計画している)というのは、今作の特徴であり、クライムという組織の面白い所。……その分、各ボスのクオリティには問題がありますが(^^;
襲い来る怪物のフードを東がはぎ取ると、その下には巨大な山羊の頭が!
「化け物め!」
「はははは、デビルアクマだぁ」
そ う 来 た か。
今回の機械怪物の特殊能力は、デビル金縛り。恐らく電気や磁力を放射しているのかと思われますが、動きを操られて苦しむ東と大地。そこに久々のジャックタンクでエースとクイーンが救援に駆けつけ、二人と姉妹を回収。
勢いで、他人の家の地下を大爆破するエース。
まあ秋月家の地下、いつの間にかミサイルとか置いてあるので仕方ありません。
叔父さんボスは瓦礫の下敷きになって死亡し、逃げるデビルアクマの前に居並ぶジャッカー電撃隊
「罪もない秋月姉妹を、祟りだ、物の怪だと脅し、苦しめたはまさに悪魔の仕業。天に変わってジャッカーが成敗してやる!」
今回は名乗りの後にお仕置きの前口上が入ってから戦闘へ。叔父さんボスが既に死んでしまったのでその分もまとめて押しつけられている感がありますが、実行犯なので仕方ない。
前回ぐらいから戦闘員アクションが強化傾向にあり、恐らくバトルシーン自体が、やや増量。ジャッカー4人のアクションを個別に見せるだけではなく、同じフレームに収めて連動させたり複数の流れを組み合わせ、力の入ったアクション演出。基本的に戦隊アクションは後年の作品の方が進化しておりますが、今作、後の『バトルフィーバーJ』や『太陽戦隊サンバルカン』よりも、単純なアクションシーンは面白いと思います。
大増量の戦闘員を最後はジャッカーハリケーンでまとめて蹴散らし、デビルアクマは電撃キックからジャッカーコバックのコンボで撃破。
かくしてクライムの秋月家財産ちょろまかし作戦は失敗に終わり、催眠状態だった秋月妹も無事に回復して大団円。…………よく考えると、地下室におじさんとクライム構成員の出来たての死体が折り重なって埋まっており、心理的には結局早晩、土地屋敷を売り払って退去する事になりそうなのですが、とにかくクライムに活動資金が流れる事にならなかったので正義は為された!
責任者:スペードエース
ゲストキャラがざくざく死亡する序盤のハード路線は影を潜めましたが、わかりやすいギャグを入れたり全体のトーンを明るめに寄せる路線修正後のバランスがスタッフ間で掴めてきたのか、ここ数話、テンポ良く内容の入った“見ていて楽しい”回が続きます。例の鳥人の登場まで、このぐらいの水準が続いてくれると嬉しいなぁ。
次回、「海水から、恐ろしい水爆を造るという、ドルフィン計画。狙うクライム、守るジャッカー!」
……それは、計画を阻止しないといけないのでは。