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『ジャッカー電撃隊』感想18

◆第23話「白い鳥人! ビッグワン」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
突然のOP演出変更――
いきなり飛んでくる、見た事のない白くて変な奴がジャッカー4人のセンターに陣取り、
「ビッグ・ワン!」
「「「「ジャッカー!」」」」
と前回までのヒーロー4人を背後に従えるという、衝撃のシーンからタイトルイン。
脚本などのクレジット時は、従来ままのオフロードで4人が車を転がす映像で、先ほどのは何か心の迷いが見せた幻に違いないと心を落ち着けようとしたその時、
純白のスーツと帽子に虹色のスカーフというキチガイそのものの格好で爽やかに微笑む宮内洋
何故か、一人だけ真っ赤な文字でクレジットされる、番場壮吉/ビッグ・ワン

港を走るジャッカー(従来まま)

まるで走ってきた4人を出迎えるかのように姿を見せ、平然とセンターに陣取るビッグワン
そのフォーメーションのまま、変身を解いて並ぶ5人

雑踏を走る4人・強化カプセルによる変身シーン(従来まま)

画面方向に向かって飛ぶと変身するビッグワン

トランプのシャッフル・スカイエース・歩いてくる4人の顔カット(従来まま)

激しく回転するビッグワンから、番場壮吉のアップでスマイル


……宮内洋キチガイみたいな服装でスマイル浮かべているだけで破壊力が高すぎる上に、最初から最後まで全部持って行くという好き放題。
何が凄いって本編登場した次の回でOPが変更されたというわけではなく、本編に登場する前からのOP乗っ取り。
この時点で番場壮吉なる人物がいかなる存在か誰にもわからないにも関わらず、何かとんでもない存在がやってきてしまった、というのが全力で伝わってきます(笑)
そしてとんでもない何かは、アイアンクローの元にも訪れていた!
轟く雷鳴、うごめく暗雲、不吉な赤い輝き――
「軍資金の調達は終わった。いよいよ、クライムが、世界征服に、乗り出す時が来たぁぁ!!」
アイアンクローの上に立つ存在がその片鱗を見せ、新たなフェイズへ移行するクライム。アイアンクローはその障害となる科学特捜隊及びジャッカー電撃隊を葬り去るべく、刺客を放つ。
「遅い……何をしてるんだ、アトミック魔女め」
急展開は更に続き、何の脈絡もなく、変更になる怪人の名前パターン(笑)
ジャッカーに挑戦状を叩きつけてきた怪人・アトミック魔女はバイオリンを弾きながら登場し、突然のコバック無効化。
必殺技を破られたジャッカーは完敗し、十字架に磔にされて処刑寸前……全てがいきなりすぎてまた模擬戦か? と思われたその時、突如乱入した白い影が疾風のようなスピードで4人を救出し、慎重な性格のアトミック魔女は一時撤退。
前回まで無敵を誇った必殺技が何の説明もなく無効化され、ヒーローがこれ以上ないぐらい完敗しているのですが、全く衝撃的に描かれないでハイスピードに流されていくというのが、白い鳥人の乱入よりビックリです(^^;
ジャックとキングは魔女を追跡するも見失ってしまうが、通りすがりの少年が魔女がとある研究所へ入っていくのを目撃。しかし魔女に追われて飛び出してきた少年をジャックが轢いてしまい、少年は病院へ運び込まれる事に。
一度本部へ戻る4人だが、思いっきり魔女に尾行されて潜入を許す……と一気に色々とずさんに(^^;
そして、司令室の机には、謎の男がでかい態度で足を乗せていた。
「ここは俺の席さ……ふふはははは」
「何者だ」
ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉。よろしく」
あまりよろしくしたくない服装の男は疑いの視線を向ける4人に、ジョーカーからのビデオメッセージを再生してみせる。
「私はニューヨーク本部、科学技術庁長官になった」
ジョーカー、ビデオメッセージで栄転を報告。
恐らく日本支部でのサイボーグ部隊の成果が認められて本部で量産計画を進める事になったのでしょうが、これまで貴重な研究データを提供してくれた元部下達へのぞんざいな扱いが、真性のキチガイぶりを際立たせます。
正義の味方業界では身内のキチガイ博士は珍しい事ではありませんが、ジョーカーの、「心を通じ合わせる」のと「素材扱い」が何の仮借もなく同居できる感覚は、かなりレベル高い。
なおも疑う東だが、ジョーカーが残していった新たな秘密兵器・ビッグボンバーのパーツをそれぞれが取り出す事で、番場が間違いなくジャッカーの一員、新たなサイボーグであると判明する。
新兵器のパーツと新メンバーの合流を繋げるという持って行きかた自体は格好いいのですが、旧必殺技の破られ方があまりにあまりだった為、どうも盛り上がりには欠けます(^^;
新戦力、というか、新主人公の加入で盛り上がるジャッカーだが、進入したアトミック魔女に兵器基地の地図を盗まれてしまう。アトミック魔女は壁脱け能力を用いると各地の基地に発信器を取り付けてクライムの戦闘機部隊に攻撃を仕掛けさせ、次々と破壊されていく科学特捜隊の基地……と、こつこつ貯めてきた資金で大規模攻勢を仕掛けるクライム。
そして、就任した途端に大ピンチに直面してしまう行動隊長。
残るはジャッカー本部のみ……だがその前に確実に目撃者の口封じをしようと考えたアトミック魔女は、看護婦に変装して少年を消そうとするが、注射の嫌いな少年にごく普通に蹴り飛ばされて変装が解けてしまう……と幾ら何でもな展開(^^; そして密かに占拠していた研究所に戻った魔女を待ち受けていたのは、番場壮吉!
「いい加減、お芝居はおやめになったらいかがですか。アトミック魔女さん」
番場は床に仕掛けた体重計を用いて魔女の正体を暴き、自棄になった魔女はジャッカー本部を直接攻撃しようとするが、その前に立ちはだかるジャッカー。
戦闘シーンでは、
「真っ赤に燃える正義の血潮、悪を切り裂けアトム撃ち!」
「娘18涙を捨てて、戦場(いくさば)に立つ桃の花!」
「重いパンチが唸りをあげりゃ、緑の風が渦を巻く!」
と、新たな口上が追加されるのですが、何故かジャックだけ無し。
ジャッカーは戦闘員を蹴散らすも、魔女の放つサイボーグノイズに苦しめられ、ジャッカーコバック時間差攻撃もやはり無効化されてしまうが、その時、高らかに響く声。
「ビィッグ・ボンバーー!」
4人は突然、ポーズを取ると砲台を組み立て始め、最後に飛んできたビッグワンが弾丸を込めて放つと、問答無用で吹き飛ぶアトミック魔女(^^;
こうして、何もかも問答無用の男の参入により問答無用でアトミック魔女は倒され、問答無用でクライムの作戦は阻止されるのであった!
「番場壮吉、またの名をビッグワン。ジャッカーにとってこれほど頼もしい男はない。ビッグワンは、ジャッカーと手を握り、世界制覇を企むクライムに立ち向かうのだ」
……もうすでに、主体が変わっている!!
そして勿論、さっそくEDでバラを投げまくる番場壮吉であった!
というわけで、集団ヒーローの所に個人ヒーローがやってきて番組を乗っ取るという、歴史的な惨劇が展開。作品の構造を解体する新キャラ登場という事でか竹本弘一監督が3連投しているのですが、演出面で特に面白みはなし。むしろ宮内洋の外連味を強調する方向に進めた結果、今作独自の硬質な雰囲気が無くなってしまい、少々残念。シナリオの方もかなり雑で、とにかくビッグワンというか番場壮吉というか宮内洋を目立たせる為のエピソード。
ジャッカーの方も強化カプセルの段取りがすっ飛ばされ、これまでなら変身解除するような場面でも変身したまま引っ張ったり、と描き方がやや変化。番場壮吉の破壊力は満点なのですが、良くも悪くも、一気に全体の空気が緩くなってしまいました。
また今回から、松山支部から来た炊事当番として、姫玉三郎というコメディリリーフが追加。司令室に入り込んで落語を始めるなど、空気を読まずにボケぬくキャラクターを加える、という禁断の手法ですが、果たして、蛇行運転の果てに、「解体」という道を選んだ今作の行き着く先はどこなのか。男は一人で行くものさ。