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『ジャッカー電撃隊』感想22

◆第27話「独裁者の野望!! 砕け!死の収容所」◆ (監督:竹本弘一 脚本:上原正三
庭でバドミントンを楽しむ幸せそうな家族に、突如襲いかかるクライム。実は彼らは科学特捜隊技術庁の藤田長官とその家族であり、バドミントンのラケットを振り回す長官の奮闘むなしく、4人は一家まとめて誘拐されてしまう。
小太り・口髭・黒縁眼鏡で、如何にものんびりとした中年男性の藤田長官がラケットを武器に抵抗するのが、科学特捜隊の魂を感じさせてなかなか格好いい。
ナレーション「だが、この日の誘拐は、ほんの始まりにすぎなかった」
クロコダグル総統(見た目ワニで、公式のあらすじ紹介も「クロコダイル」となっていますが、劇中の台詞及び、戦隊怪人デザイン大鑑『百化繚乱』を見る限り、これが正確な模様)の指揮の下、次々と誘拐されていく科学特捜隊の関係者達。それを追う東・大地・カレンも、逆に捕まってしまう…………のは、さすがに囚われた人々の居場所を突き止める作戦であった。
クライムの施設に運ばれていくと、なぜか肉体労働にかり出されている偉い人たち。
「まるで強制収容所だ……」
……いや、他に色々と使い道があると思うのですが、どうしてクライムは、捕らえた人間を働かせるのが好きなんだ(笑)
「ハイル・クロコダグル!」
「余は、総統閣下の生まれ変わりである」
いきなり危ない発言を剛速球で放り込んでくるクロコダグル総統。兜に刻まれているのはハーケンクロイツで言い訳きかない……と思ったら、よく見ると「卍」で、仏教関係者なのか。
何か一応配慮があったのだろうか、と思ったら、この後に出てくる司令室の背後には、思いっきりハーケンクロイツの旗が飾られており、何をしたいのかよくわかりません(笑)
むしろ、お寺関係から怒られそうな勢い。
ワニ総統はアウシュビッツになぞらえた収容所を造って科学特捜隊関係者を皆殺しにしようとし、潜入組からの通信によりスカイエースで出撃する桜井だが、超長距離砲に行く手を阻まれ、あっさり退却してしまう。
「よし、作戦の練り直しだ」
って、相手を無駄に刺激だけして、何も考えてなさすぎて辛い(涙)
桜井が全く役に立たなかった為、内部のメンバーは地下道を掘って大脱走作戦を開始。一部メンバーは塀の突破をはかるが高圧電流と銃撃で無残に死亡してしまう。
脱獄ネタのお約束に、ショッキングシーンで残酷さを強調しているのですが、科学特捜隊の実働メンバーがお馬鹿すぎて辛い(涙)
せめてガス室を破壊する事で処刑の延期をもくろんだ桜井は、単身潜入するとガス室に爆弾を仕掛ける事に成功するが、外側から閉じ込められてしまう。
「うわーはっははは、君が引っかかるのを待っていたんだよ、桜井五郎くん」
地下トンネルを掘り進んでいた東と大地も総統に先回りされて捕まってしまい、4人まとめて処刑されそうになるジャッカー(ここ5話で3度目)。
「失敗した、すまん」
「へっ、こっちも失敗したよ」
こんな所だけ微妙にハードボイルドの香りを残す桜井と東だったが、その時、高らかな軍楽の響きと共にジープに乗ってやってくる、ちょび髭の男(に扮したご存じ番場壮吉)。
「おおお! 夢にまで見た総統閣下!」
アウシュビッツという単語まで出した上で、遂に変装で登場してしまいましたが、さすがに、ワニと構成員の唱和する「ハイル・○○」の所が音声入っていないのは、最初から伏せたのか、後で消されたのか。
……まあ、宮内洋の変装が、コスプレとしても物真似としても全く成立していないので(一応、甲高い早口ですが)、平行世界の全然別の人、という言い訳は通用しない事もないのかもしれません。
特撮のナチスネタというと『仮面ライダーX』(1974)のヒトデヒットラーが有名ですが、この1977年は他にも、『快傑ズバット』16−17話にナチスジャガー率いるナチス連合会、『大鉄人17』にナチスドイツの幻の超兵器であるグスタフ砲を搭載した大砲ロボット(ブレイン党そのものも、ナチスモチーフだったり)が登場しており、悪役のモチーフやパロディのネタとしては、むしろ気軽に使いやすい時代だったのかな、とは。探すと前後の作品で、他にも色々ありそうですし。
そういう点で、パロディとしての鮮度が落ちて露出が減る事で、タブー感が増していく、という時間の流れはあるのかなと思ってみたり(パロディ内容の妥当性はともかく)。
ガス室では生ぬるい、と超長距離砲(これも元ネタは80cm列車砲でしょうか)の標的にされる4人だが、番場総統が持ち込んできた特殊弾を詰めると、超長距離砲が、大爆発。
「あなたはいったい何者?!」
「ふふはははは、ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉。――よろしく」
と、ジャッカーの奮闘は全て水泡に帰し、番場がおいしい所を全部さらっていくという、今回もスーパー好き放題。
(この構成自体は、多羅尾伴内シリーズを踏まえているのかとは思われますが)
これまで必殺コンボの前振りだった電撃キックを跳ね返すクロコダグル総統だが、事象を改変して標的を死にいたらしめるビッグ・ボンバーの前には敵ではなく、あえなく爆死。勝利を喜ぶジャッカー達の前に、紅い輝きと共に怒りのシャインが姿を見せる。
「クライムの総支配者、シャインだ。地球はまもなく、我がクライムのものとなる」
「なんだと?」
「ジャッカー諸君、健闘を祈る」
巨大なシルエットを浮かび上がらせ、姿を消すシャイン。
「クライムの支配者は、宇宙人だったのね」
「ああ。さっそく宇宙に警戒の目を向けねば」
「来るなら来い。我々がいつでも相手になってやる!」
…………え? あれ?
前回、宇宙に目を逸らされてまんまと騙されたぜ! という話だった直後に、「敵は宇宙人だったんだ!」って2話続けて騙されている気しかしないのですが、大丈夫かジャッカー。そしてカレンは何を根拠にシャインを宇宙人と断言したのか(^^;
別にシャインが宇宙人でも良いのですが、「宇宙人だと思ったらクライムでした」というエピソードの直後に「そもそもクライムは宇宙人の組織でした」を明かさなくても良かったような……(笑)
ところで、前回高笑いしていたアイアンクローが今回お休みなのですが、週と週の間にリストラされてしまったのではいかと不安になってきます。突如現れ、全てを台無しにしていく白い異次元・ビッグワン! 果たしてクライムは、この最強の敵を前に底力を見せる事が出来るのか?!