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15年ぶりの『クウガ』メモ#33−#34

「何にもわかっちゃいなかった……君がどんな想いで戦っているのかも」
「想いは、皆さんと同じですよ」
 (EPISODE33「連携」)
◆EPISODE33「連携」◆ (監督:金田治 脚本:井上敏樹荒川稔久

  • 何があったのか豪華な連名で、脚本も「連携」みたいな。
  • バッタの操縦でクウガに襲いかかるも、トライチェイサーは限界に達して壊れ、バッタは自分のバイクで走り去る。バッタが置き捨てていったトライチェイサーに触れる五代くんが戦友を悼んでいる感じで、例えば戦隊におけるロボほど大きな扱いではないものの、バイクの交代劇が、よりドラマチックに。
  • 上層部と折衝する本部長……「我々警察官の本来の目的はなんなのか、それをもう一度、お考えいただければと思います」。
  • その頃、榎田さんは雑な時間稼ぎをしていた……「でもそれだけじゃ動かせませんよー」。そしてそこへやってくる一条。
  • と、舞台の裏でも横でも連携。
  • 桜井は狙撃犯を率いてバッタの誘導に奮闘し、名もなき白バイ隊員も囮として体を張る――前回もですが、そもそもトライチェイサーが白バイ隊に配備予定だった新型バイクという事で、白バイ隊員が量産型トライチェイサーに乗っているという絵は、リアルとフィクションが混じり合って、今作の世界観をより補強しています。
  • 「杉田さん……今のが」「ああ」……桜井、仲間はずれにされず、五代に遭遇できて良かった(笑) ただし、会話は無い。
  • クウガでバッタを狙撃しようとする五代に、無言で拳銃を渡す杉田が格好いい。前回と今回は実はスーパー杉田タイムなのですが、色々とおいしい会話シーンなどあって、個人的に嬉しい。
  • 一方科警研では、「言う事は、それだけですか」と、一条さんの説得シーン、まさかのスキップ。
  • だが監査官の人は、「警察にとってベストの選択をしたい」と男気を見せて起動キーを置いていってくれるのであった。
  • 脚本の時点で存在しなかったのか、とうとうと一条さんが熱い想いを語るシーンを撮影はしたけどあまり面白くならなかったのでカットされて、周囲の活動に尺が割かれたのかわかりませんが、衝撃の展開(笑) これで周囲の動きを描くシーンが面白くなかったら、酷く雑、という評価になる所ですが、面白いのでOKみたいな。
  • 榎田さん、「さすがだね」と強引にフォロー(笑)
  • 狙撃犯によるバッタ2号のルート誘導が成功し、ビートチェイサーを運んできた一条は五代に合流。満を持して、新バイクにまたがって出撃するクウガ――と、強敵バッタ2号を倒すため、組織とヒーローが連携していく姿をたすきリレー構造で描いているのですが、新アイテムの入手というイベントに、これまでぼんやりと繋がっていた人々が、明確な結晶になる姿を重ね合わせる事で盛り上がりを増すという、見事な構成。
  • その中でヒーローが、あくまで自分は“たまたま怪人と戦う力を得た男”であり、「想いは、皆さんと同じですよ」というスタンスがにくい。
  • 今作は決して「正義」を声高に唱えるスタンスではありませんが、今作における「正義」というのが、他者を理不尽に傷つける事をよしとしない、人の繋がり、である事がミクロとマクロで描かれています。
  • トライチェイサーが割と地味めだったのに対し、ビートチェイサーはハイテク感が強調され、メタリックでお洒落デザイン。色の変化も最初に強調される事で、強化された新マシンとして、印象深くなりました。
  • 変身シーンを初めて見て思わず杉田が「おぉ……」とか、細かい。前回から杉田と五代のシーンが多かっただけに、ここで、というのが効いています。
  • 先行するバッタ2号のバイクを猛然と追うクウガ+ビートチェイサー。前回までより映像の疾走感を上げつつ、そのままの勢いでチェイスから途切れずにウィリーしたり前輪で叩きに行ったりショートステップでそれを回避したり後輪ぶつけに行ったり、と見事なバイクバトル。
  • ビートチェイサーはバッタをぶっちぎると、落下傘ブレーキ。そして追いすがるバッタを待ち受けてのライジングマイティキックが炸裂し、遂に強敵バッタ2号を撃破するのであった。
  • これまで一条を通して繋がっていたクウガと未確認対策班が、本格的に共闘するという単純に盛り上がるエピソードなのですが、そこに新バイクの入手を軸として組み込み、世間の空気の変化、揺れる警察上層部の政治劇、という周辺要素をスパイスに振りかけ、「繋がったタスキの象徴」として「新マシン大暴れ」に物語としての意味を与える、“ギミックと物語の融合”という点に関して、傑作エピソード。
  • クライマックスのバイクアクションも非常に格好良く、充実の前後編でした。
  • そして本部長も上層部の説得に成功し、問題は特になかった、という事で八方丸く収まるのであった。……今回も大爆発したので、各方面、大変そうですが!

◆EPISODE34「戦慄」◆ (監督:石田秀範 脚本:荒川稔久

  • OP歌詞、2番に。
  • 「あいつに会った時間だ……あいつが言ってた、4日目だ……」……恐怖に怯えた末、鼻から血を噴きだして死亡する高校生。暗い病院を通り過ぎる未確認生命体をノイズとエフェクトかけたカットで見せる、とここまでとだいぶタッチの違う展開。
  • ポレポレでは、金の4号が4色出揃った記念、金箔入りのケロンパカレーをおやっさんが五代達に試食させようとしていた。キンキンカレーからちょっとひねってケロンパカレーにしてみたけど、ケロンパはみどりではないか、と難しいギャグを応酬する五代とおやっさん
  • 「しかし4号が、ああいう男だったってのは……なんか、いまだに不思議な感じがするな」
  • 久々登場の亀山からの連絡で、長野の遺跡近くで起きた惨殺事件の現場で何かが発見された事がわかり、一条から要請を受けた桜子さん、長野へ。
  • 長野では薔薇のタトゥの女が森でお散歩しており、未確認生命体の方の事情も進行。
  • とある高校の2年生男子だけが次々と怪死を遂げるという謎の事件が発生。捜査の結果、被害者はいずれも、死の4日前に謎の青年と遭遇していた事が判明する。転校してきたばかりでその青年と出会っていない生徒が1人だけ居る事がわかり、急ぎ警護に回る警察だが、そこには既に謎の青年(ヤマアラシ怪人)が向かっていた……!
  • 無言の電話、窓の外に出没する青年、猟銃を振り回す父、近づいてくるも途絶えてしまうパトカーのサイレン……とパニック&ホラー演出。
  • 「あなたは誰なの?! どうして、どうしてこんな事を!」「君達が苦しむほど、楽しいから」
  • 間一髪クウガが駆けつけ、逃げる怪人を追ってビートチェイサー崖登り。
  • バイクに乗ったまま超変身で青くなり、走りながら木の枝を手にとってロッドに変え、片手にロッドを構えての立ち乗りからジャンプ攻撃、というクライマックスのアクションは、クウガの特性を盛り込んだ上でヒーローバイクアクションとして、かなり格好いい。
  • 改めて描かれるグロンギと人間のコミュニケーションの断絶が、保育園で園児の喧嘩の仲裁に入った五代の「それをさ……蹴飛ばす前に、ヒロユキに言ってみれば良かったのに」と対比される構成になっており、今作のテーマを子供の身近な世界と繋げつつ、物語と連動させています。
  • 未確認生命体同士の喧嘩を止める為にカブトムシの顔見せは、連動……なのかどうか(笑)
  • EDの歌詞も2番に。