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『ジャッカー電撃隊』感想24

◆第29話「行くぞ七変化! 鉄の爪対ビッグワン」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
3話ぶりに登場するや、南無三道宿敵無念強力生命復活(多分)、という謎の呪文を唱え続けるアイアンクロー。すると、儀式の祭壇から、新たな怪人が起き上がる。
「われ生命を得たり……」
「カマキリ大酋長は、私の念力波、だけで戦う事が出来るのだぁ! 動力回路をセッティングしろぉ!」
アリンガム将軍の従兄弟みたいな見た目のカマキリ大酋長は、復活怪人のような描写で立ち上がりましたが、いきなり動力回路を内蔵され、しかしアイアンクローの念力だけで動くと主張されており、宇宙怪物なのかロボットなのか、はたまたアイアンクローの傀儡なのか、いきなりもう、よくわからない導入(笑)
バイクにまたがったカマキリ大酋長は、部下のアパッチ軍団と共に国際科学特捜隊の港湾部の基地を襲撃し、たまたま警護に来て居合わせた桜井とカレンは、隊員に突き刺さる槍を目にする。
「槍だ……! それもアパッチが、宣戦布告に使っていた槍だ」
デザイン上、全く酋長の要素の無いカマキリ、強引に理由をねじこまれる。
派手なバイクアクションで基地へ突入してきたアパッチ軍団(見た目はいつものクライム戦闘員)は基地を爆破。その退路にジャッカーが立ちふさがり、名乗りまではしないが、高いところでの揃い踏みはする、という変則パターン。
いつもより3割増しでアクロバットに跳ね回るアパッチ軍団に蹴り飛ばされるなどあったものの、連続攻撃をカマキリに浴びせるジャッカーだったが、倒れたカマキリは復活して逃亡。敵は、不死身の怪人なのか……?
続けてバイク部隊を率いて国際科学特捜隊の輸送部隊を襲撃するカマキリだが、それは、番場の用意した囮作戦だった。特に説明もなく敵を囮に引っかけて、マシンで四方を囲んで十字砲火とか、どんなにギャグが増えてもジャッカーは魂がクール。
戦闘員を火力で殲滅したジャッカーは、残ったカマキリにいきなりビッグ・ボンバー!
だが、カマキリは事象兵器であるビッグ・ボンバーを受けてもなお立ち上がる……! と今回ここまで、変則かつスピーディーな展開で、なかなか面白い。
アイアンクローが放つ念力に気付いた番場はその後を追い、沼で蛇を捕っていた男に「石川五右衛門のような頭の男を見なかったか」と問うが(あれはやはり、髪だったのか)、その男はアイアンクローの変装であり、不意打ちを受けてしまう。しばらく、ただの小言上司では無かった格闘技の冴えを見せるアイアンクローと番場が激闘を見せ、ジャッカーそっちのけで、面白いゾ(笑)
戦いの末、番場は跳び蹴りで崖から落とされるが……まあ、ゲージ蓄積の為の手段です。
番場を退けたアイアンクローは、ホテルの一室で作戦会議。
…………2話ほど姿を見なかったのは、本部、追い出されたのか。
ここでカマキリの動力回路を修理するというシーンが挟まり、要するに、念力波の受信装置のようなものなのか。
だがホテルの近辺に、いつの間にかアイアンクローに取り付けていた発信器の電波を追い、何のタメもなく平然と復活した番場が姿を見せ、アイアンクローは完璧な変装術で唐突に女装(さすがに、女優さんを起用)すると、ホテルのボーイに扮してやってきた番場をまんまとやり過ごす。
女に目をつけた番場はいつもの格好でわざとらしく女をナンパするがフられ、今度はタクシー運転手に扮して女を山寺へと運ぶ。寺の門をくぐる時、何故か運転手にウインクを飛ばすアイアンクロー(の化けた女)、という好敵手同士の変に通じ合ったやり取りが展開し、ジャッカー4人の存在価値が光速でアンドロメダ星雲の彼方に置き去りにされていきます。
特に突っ込んだ言及は無いのですが、番場がアイアンクローを見て「鉄の爪……」と反応しており、有名な犯罪者であるアイアンクローについて知っていた(或いは過去にぶつかり合った事がある)という所でしょうか。
一方、カマキリ大酋長は手はず通りに国際科学特捜隊の本部を急襲し、さっくり暗殺されてしまう長官。急ぎ救援へ向かったジャッカーは、テルミンぽい妙に盛り上がらないBGMで再びカマキリと激突。そんなカマキリに山伏姿で念力を送るアイアンクローに近づく、虚無僧姿の番場壮吉……打って変わって、軽やかな三味線の合方に乗せて、突然始まる、時代劇な立ち回り。
丁々発止の斬り合いの末、アイアンクローは身を翻して姿を消すが、番場の目に止まったのは、墓に手を合わせる和服の老婦人。
(来たな……)
(間違いない。鉄の爪だ。だが……この幼子の墓も、花も、線香も、全て本物だ。……ここを戦いの場にするわけにはいかん)
番場は段平を収めて立ち去り、三味線が止まって拍子木が一つ鳴らされると、立ち上がった老婦人の姿が打ち鳴らされる太鼓に合わせてアイアンクローに早変わり。
「番場め……この花を散らすのを恐れたな。ふふふふはははははっ」
ジャッカーそっちのけで、無駄に格好いい(笑)
その頃、逃げたカマキリを追うジャッカーは、カレーの配達に来た玉三郎と正面衝突し、コメディ空間に居た。
「ええいもう玉三郎、松山へ帰れっ」
全くその通りです(笑)
番場を撒いたアイアンクローは今度は保母に変装し、園児とお遊戯しながらカマキリに念力を送るが、そこへやってくる怪しい紙芝居屋……どうして、番場の変装はどれもこれも不審者なのか。しかしまたまたアイアンクローを追い詰め損ねてしまい、最後は、銅像に扮して念力を送っていたアイアンクローに、掃除夫に扮した番場がバケツの水をぶっかけるという、ハナ肇ネタ。
「何者だ貴様は?!」
「そういうあんたこそ、何者だ!」

「ある時は銅像、ある時は墓参りの女、ある時は山伏、ある時は美女、ある時は蛇取りの男、ある時は保母さん、そしてその正体は――鉄の爪、アイアンクロぉぉぉー! そしておまえは?」
「ある時は掃除夫、ある時は片目の運転手、ある時は紙芝居屋、そしてまたある時は虚無僧、ある時はホテルのボーイ、そしてその正体は……ふふふははははは、ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉。そしてその実態は! ――ビッグ・ワぁン!」

番場がとうとう一瞬で変身してしまいますが、その瞬間に目つぶしを放って変身シーンそのものは見せないので、そもそもビッグワンも、ただのコスチュームの一つ疑惑。
この勢いで遂にビッグワンが直接戦闘するのかと思いきや、アイアンクローがあっさり退却してしまったのは盛り上げておいて残念でしたが、個々の変装の意味と尺はともかく、サブタイトル倒れにせずに、双方ともに七変化させたというのは、なかなか凄い。話の要素が詰まっている事で展開もスピーディになり、物語の印象も締まりました。また、番場にとっては、番場壮吉も仮の姿かもしれない、というのはこの超次元生命体に関して、なかなか意味深です。
念力切れでへろへろのカマキリに迫り、今度こそ並んで名乗るジャッカーだが、ビッグワンとの対決を避けたアイアンクローがまたも念力を送り込み、回復したカマキリといよいよクライマックスバトル。アパッチ軍団はジャッカーに殲滅され、再び発動するビッグ・ボンバー。
「ジャッカー必殺武器――蜘蛛の巣責め。ビッグ・ボンバー!」
ボンバーから飛び出した網がカマキリに絡まると、突然カマキリ大爆死。
ナレーション「鉄の爪の執念の猛攻撃も、ジャッカーと、ビッグワンの鉄壁の守りの前に敗れ去った」
即座にナレーションが入り、なぜ念力で再生できなかったのかについては追求する余裕を与えずに、強引に処理して一件落着(笑)
前後の時空をねじ曲げて強引に対象を破壊する事象兵器ビッグ・ボンバーに、標的の弱点(?)に変形するゴレンジャーストーム要素が加わったのは更なるテコ入れなのでしょうが、一応、アイアンクローの念力波に一度破られてからのパワーアップ展開……なのか?
科学のようで凄くオカルトバトルですが、ビッグ・ボンバーは多分スタンド能力なので、必然も感じます。
演出に、数多くの東映ヒーロー作品に参加し、この後80年代戦隊で中軸を担う1人となる山田稔が初参戦。番場とアイアンクローが共に七変化を見せるという事で、脚本時点で見せるべき要素が多かったのかと思われますが、個々の要素にこだわりすぎず、説明を削ぎ落として突き進む演出がストーリーと巧くはまりました。また、遊具をカメラ手前に置き大胆に逆光を入れてシルエットで戦う番場とアイアン保母、カメラ手前の画面中央にアパッチの槍を突き立てた状態から始まるカマキリvsジャッカーのクライマックスバトルなど、これまでとややタッチを変えた演出が、良いアクセントになりました。
次回予告から、これで面白くなかったら厳しい、というエピソードでしたが、大雑把さが上手く娯楽活劇に繋がり秀逸回でした。


◆第30話「死を呼ぶ暗号! 猛毒コブラツイスト」◆ (監督:山田稔 脚本:上原正三
開始早々、前回のお返しとばかりにクライムの兵器工場へカチコミをかけるジャッカー。だがそれは、クライムの殺し屋・コブラ大神官の罠だった。
「ふん、身の程知らずなヤツだ。我ら4人に勝てると思っているのか!」
「勝てる! だから呼んだ」
……アトミック魔女以来、基本的に連戦連敗だからなジャッカー!
コブラ大神官は、顔はよくあるキングコブラの意匠ながら、赤地に白い十字のラインが入った袖無しの長衣が色彩的に全体をすっきりスマートに見せて、今作の怪人にしてはなかなか格好いいデザイン。
大見得切って戦闘員を蹴散らすも、案の定あっさりと毒針に倒れるジャッカーだったが、突然のスペアエネルギー発動で体内の毒素を分解すると、電撃キック。かつてなく派手に吹っ飛んでいったコブラはすごすごと本部に帰って潔く切腹しようとするが、前回、長官抹殺に成功した功績を認められてか、本拠に帰ってきたアイアンクローに止められる。
アリンガム将軍には何も策を与えずに放り出したアイアンクローですが、今回はネタがあったらしく、猛毒ハマドXを入手して毒を強化せよ、とコブラに助言。
とある会社の専務が暗躍を始めたコブラによって殺害され、死亡時に握りしめられていた懐中時計がジャッカーの元へと送られてくる……その蓋に刻まれた数字は何かの暗号なのか? と前半戦の雰囲気が再来。実は専務は旧日本陸軍の特殊部隊・ハマド部隊に所属していた過去を持っていた。ハマド部隊は終戦前に日本軍の財宝を秩父山中に隠したという噂があり、クライムの狙いはその財宝なのか……?
「しかし、世界征服を目的とするクライムがだ、今更財宝など狙うかな」
ここで、クライムの目的が前半とは変わっている、というのが台詞で示唆されたのは、ないがしろにされがちな物語の大きな流れが組み込まれて地味に良かったところ。
ハマド部隊の生き残りの元に向かうジャッカーだが、1人はまたも殺害され、元隊長のハマドは孫と共に行方不明になってしまう。またも現場に落ちていた懐中時計と、その蓋に刻まれた謎の数字……ジャッカーはそれを色々な暗号表と見比べ、ハムスターの助言で、ポリュビオスの暗号表(実在の暗号表)に辿り着く。
数字に隠された秘密、それは、戦時中に日本軍のハマド部隊が開発した猛毒・ハマドXの存在を示すものだった。秩父山中に隠されていたのは、財宝ではなく化学兵器だったのだ!
と、クライム側で既に提示されている目的に、ジャッカーが少しずつ迫っていくというのも、前半の形式です。まあ最後に番場がさらりと解説して全部持って行ってしまうので、ジャッカーにはどうも徒労感がありますが(^^;
ハマド元隊長と孫は秩父山中に連れて行かれたに違いない、とジャッカーは捜索部隊を編成し、珍しく一般隊員が同行すると思ったら次々とコブラの餌食にされるという可哀想な展開。それでも何とかハマドXが隠された鍾乳洞へ辿り着くジャッカーだが、ハマドと孫を人質にされ手も足も出ない……だがその時、秩父山中に響く、ターザンの叫び声!
またまた番場壮吉か、と思ったらターザンは番場ではなく玉三郎というひねりが入り、かつてなく役に立つ玉三郎。どちらにせよ、何故かここで急に世界がギャグに浸食され、コブラがターザンに魅惑されている内に、女性隊員に救出される人質。ところが今度は孫娘まで捕まっており、またも毒ガス噴射5秒前に追い詰められるジャッカーだが、そこで真打ち登場。蛇遣いに扮した番場の笛の音にコブラが操られている内に孫娘は救出され、ハマドXもいつの間にやら番場が投入した解毒剤によって無効化されるのであった!
解毒剤は受けた毒を治療するもので、元の毒を無害にするのとは少し違うような気もするのですが、時空間をすっ飛ばし事象を操る番場壮吉の前に細かい疑問は言いっこなしだ!!
コブラに謎の金縛りを受けて苦戦するジャッカー。そろそろいつものコースが発動か、と思ったら突然エースがその場で急速回転して反撃を決めてからのビッグ・ボンバー! と、今更ながらわずかに救済。
「ジャッカー必殺武器――アフリカ象! ビィッグ・ボンバー!」
アフリカ象……嫌いぃぃぃ!」
ボンバーが迫り来るアフリカ象のイラストに変化したと思ったら、更に虚ろな瞳の象の着ぐるみに変わり、飛びついてきた象の着ぐるみに押し倒されて爆死するコブラ、という呆然とする演出(笑)
しかしそんなボンバーなのに、けっこう派手な火薬の量で更に呆然(笑)
前回から謎の強化を遂げたビッグ・ボンバーですが、これまでは前後の時間をねじ曲げて“破壊”という結果を問答無用で標的に与えていたのに対し、それを念力で防がれた為、対象の持つ“死”のイメージを直接精神に叩き込む事で、標的を強制的に運命に屈服させているものと思われます。
どうしてコブラアフリカ象を嫌がったのかはよくわかりませんが、あくまでコブラ大神官による死のイメージの投影なので、何かトラウマがあったのでしょう。

ゲストがあっさり死亡するハードさとスパイ物の雰囲気が強い1クール目

子供ゲストが物語に絡み女性隊員の登場が縛りになった2クール目

玉三郎を始めコメディ要素が増量されおいしい所は全て番場(ビッグワン)が持って行ってしまう3クール目

が全て詰め込まれ、『ジャッカー電撃隊』の変遷を濃縮したようなエピソード。途中まで割と面白かったのですが、いきなり怪人がギャグに乗っかってぐだぐだになるという辺りは、世の不条理さえ感じさせます。一方で捜査パートが終始シリアスに進んだのは、そろそろ打ち切りが決定して、あまり気を遣う必要が無くなってきたのか(^^;
――と思ったら、
「山本くんちへ、クライムのスパイが現れた!」
次回、どうなる。