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『仮面ライダーゴースト』感想・第7話

◆第7話「早撃!伝説のガンマン!」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:福田卓郎
見所は、御成、100%強盗。
「僧服姿の若い男が、奇声をあげながら中年男性に襲いかかる事件が発生。なお男は若い女性を人質に取って逃走し、銃のようなものを持っているという目撃情報があり、付近住民の皆様は、外出を控えて……」
暗躍する黒服の男が亡きタケルの父と旧知である事、タケルとアカリには10年前に行方不明になった幼なじみの兄妹が居てどうやらそれがスペクターの中の人と脳内妹である事、眼魔の世界がありアランはそこの住人らしい事……と、次々と物語の背景が判明し、10年前に父さんが何かやらかしたらしい事がわかってきました。
今のところ、個々の要素にこれと言って面白みは無いですが、ここからどう転がしてくるかだと思うので、保留。
タケルが前回をターニングポイントにして、修行シーンが入ったのは良かった所。まあ気がつくと「残り11個を30日」だそうなので、むしろここから切羽詰まった動揺を描く方が緊張感が高まり、構成ミスってる感はありますが(^^;
1年ぶりに会った親友、そして団地の人々の様子がおかしい、という青年からの依頼を受けて問題の団地へ向かうタケル。依頼人の問題とタケルの過去を重ねて描くのですが、割とぞんざいな喋り方だった依頼人が、タケルが消えた幼なじみの話をした途端に突然、
「タケルくんにもそんな事があったの」
という一足飛びに親しげになるというのは、どうにかならなかったのか……(^^;
依頼人の事情に共感したタケルが過去を語り、依頼人がそれに共感する事で互いの共感を補強し合うという意図はわかるのですが、主体が逆になってしまっており、不可思議研究所へ相談を持ちかけた所に始まって、依頼人が突飛という印象だけが増しました。
幾つか基本設定に疑問を感じる今作ですが、不可思議事件相談センターの説得力の無さは、そろそろ厳しい。
これ、最初だけ目をつぶってもらって、幾つか事件を解決して少し名前が売れるなどの流れを描く事で、“ここに事件を持ち込む事のリアリティ”を補強していくのだとばかり思っていたら、ここまで一切補強皆無。
その為、依頼人がタケル達を信用している姿に説得力が薄すぎます。
持ち込む事件の内容が内容なので藁にもすがる思いでやってきた、というのは汲み取れますが、肝心の依頼人の様子に切羽詰まって藁にもすがる思いという描写がほとんど無いのに、如何にも頼りなさそうなタケルとその他怪しげなメンバーに全幅の信頼を置いているような言動と行動をするのが、一番不可思議。
第5話で小学生からの厳しい駄目出しはありましたが、もっと依頼人から「本当に大丈夫なの?」という眼で見られるぐらいで丁度いいと思います。
とにかく今作、「設定」を「設定だから」と置いた所で満足してしまって、その補強が脚本にも演出にも不足しすぎです。
根本的には、依頼待ちの受動型ではなく、噂を聞いて強引に首を突っ込む能動型にすれば、タケルにも積極性を付加できて良かったと思うのですが……例えば今回だったら、煙たがられながらも事件に関わろうとして「なんでそこまで」「俺にも大切な幼なじみが居たんだ」みたいに持って行けば、タケルの感情を前向きに見せられるわけで。
そんな突飛な依頼人、1年ぶりに会った親友に拳を突き出し、
「俺とおまえは一生親友。たとえ死んでも……」
という秘密の合い言葉をアピールしたらスルーされた、というのはそれ、
相手に彼女が出来たのでは。
よくあるよくある。
団地でハチ眼魔を発見するが、そこへ乱入してくるスペクター。
現状、「みんなも助けるし、俺も生き返る!」に矛盾が無いのにスペクターが一方的に「どちらか選べ」と迫ってくるので、引き続き意味不明な対立。アイコンを奪い合う立場なのはわかりますが、そう考えるとスペクターの出てくるタイミングがおかしい為、「俺の邪魔をするな」というスペクターが、無駄に暴れているだけという、展開の都合の為だけの対立です。
話の流れとしては、スペクターとの対立を経てタケルに一皮剥けさせるというものなのですが、そもそも対立がしっかり組めていない為に、“負けると思わなければ負けじゃ無い上に後一ヶ月は実質不死身”というタケルが凄く面倒くさい存在になっただけに。
早くもキックの打ち合いで引き分けてしまったスペクターは、黒服の男と出会い、過去の事情を知ってそうな相手がフレンドリーに話しかけてきたのに対し一方的に「この世から消すぞ」と凄み、本気でチンピラすぎます。
一方、黒服の男の目撃情報を追っていた御成とアカリは、男がビリー・ザ・キッドの魂をアイコンに収めるのを目撃。ウェスタンショップのおじさんが何もしない内にアイコンが生まれてしまいましたが、えーと、設定考えると……念願の帽子を手に入れた喜びと、帽子が急に金色に光り出した驚きが重なって、持病のある心臓に耐えられないダメージが入ったショック死でしょうか。
その場合、間接的にアカリ&御成が手を下した事になりますが。
ゴーストは分裂したハチ眼魔に苦戦するが、受け取ったビリー・ザ・キッドのアイコンで二丁拳銃のガンマンモードに変身。どう考えても小さいハチの群れに有効なのは、前回手に入れたベートーベンの音波攻撃だと思われるのですが、一生懸命、点で点を破壊し、相変わらず都合良くギミックだけ説明しに出てくるユルセンの助言を受け、最後は時計バスターで逆転勝利。
また射撃フォームが増えましたし、いずれメイン以外のアイコンは何らかの都合でまとめられたり処分されたりしそうですが、いくらギミック優先にしても、あまりにも物語の中での使い方が下手。もっと言うと、やっつけ。前回はともかく、今回はフォームと物語の内容も全く関わりが無いですし、ギミックの為のギミックにすぎます。
あと、前々回、アル・カポネがベースっぽい眼魔をずばっと成敗していましたが、カポネは駄目で、ビリー・ザ・キッドはいいのか。今後の展開に向けて隠された設定があるのかもしれませんが、怪人眼魔を倒した時に、壊れたアイコンと素体アイテムの描写がハッキリ入るので、怪人扱いで処理と、英雄・偉人扱いで能力化、の区別がよくわからないのは(タケルの心理的にも)非常にもやもやとします。
あの偉人英雄大図鑑が今作における《地球の記憶》で、あそこから生まれているのではないか、アイコン。
仙人がお休みした代わりに、置き土産で便利アイテムが二つ追加。銃に変形する時計コウモリは戦闘力の無いアカリ&御成のサポートメカも兼ねていそうですが、霊体を照らし出すランタンの登場で、早くも不知火はお役御免なのか(笑)
御成とアカリが雑魚眼魔にさらわれ、巨大怪物と化したハチにイグアナで立ち向かう所で、次回へ続く。