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『ジャッカー電撃隊』感想26

◆第32話「どっちが本もの?! 危うしビッグワン」◆ (監督:竹本弘一 脚本:長坂秀佳
ここでまさかの、長坂秀佳
いきなりの、
「番場だーっ!」「ビッグワンが忍びこんだぞ!」
という騒ぎから、クライム構成員を軽々と蹴散らしていく番場壮吉。と思ったら、
「馬鹿者ー! この儂に何をするかぁ!」
と何故かアイアンクローの姿に。ところがそこに現れる、もう一人のアイアンクロー。実は番場とアイアンクローの姿をしていたのは、8つの顔を持つカメレアン大隊長であった、というサービス満点の入り。
その頃、本物の番場は珍しくゲスト少年と絡んでいた。父はアメリカで研究中の高名な博士で、父親と離ればなれに暮らして寂しい少年に、博士の知人である番場が気を遣っているという事なのですが、母親が病死した後も、帰国するわけでも息子をアメリカに呼ぶでもなく、日本に置いたままの父親が随分と鬼畜な感じに。
……いやまあ、実家に預けているとか、そういう事かとは思われるのですが、番場の知人だし、カレンが警護につくしで、アメリカで何の研究をしているのかも不安になってきます。
場面変わって、ジャージ姿の桜井・東と、レオタード姿の9号・10号が戦闘訓練をしている所に番場が現れ、緊急出動の命令を下す。だがそれはカメレオンの変装で、スカイエースごとクライムに捕まってしまう桜井と東。続けてカレンもクライムの襲撃を受け、カメレオンの化けた少年に騙され、囚われの身となってしまうのだった。
大地は道で困っていた老婆を助けていた所にクライムの襲撃を受け、駆けつけた10号に助けられるが、その10号がカメレオンの変装。正体を現したカメレオンは老婆を人質に取るが、突然、老婆から激しい打撃の連打を浴びる。
「ええっ?! おばあちゃん、あなたはいったい?!」
「貴様が8つの顔を持つ化け物なら、さしづめこの俺は、88の顔を持つ白い鳥人てわけだ。ふふふはははははは」
「ぬぅ、来い!」
カメレオン、口から火を噴くマシンガン!
「うわぁぁ! ぐぁぁっ!!」
派手なモーションで、歩道橋から落下していく番場。
…………長坂先生、そのまんますぎます……(笑)
大地もあっさり捕まり、5話ぶり4回目の4人まとめて磔にされるジャッカーだが、処刑寸前、「ははははははは、ズバッとかいけ」じゃなかった、構成員に変装した番場によってスカイエースごと救出されて事なきを得る。すっかり無抵抗で磔が板に付いてきたジャッカーは、もはや処刑されたがっているようにさえ見えてきます(^^;
矛先を変えたカメレオンは番場に変装して少年を連れ去ろうとするが、今度は警官に扮装した番場がその前に現れる。
「私も、番場壮吉なんだがね」
と、カメレオンを食い止める番場は洒落ていて格好良いのですが、どうして3話前にやったネタと、別の脚本家なのに類似しているのか、色々と末期症状の雰囲気(^^; 矢継ぎ早の展開に、一人二役の妙味を加え、楽しいといえば楽しいのですが作品としては悪い意味で開き直っている感じに。
ジャッカーはカメレアン大隊長を捕虜にする事に成功し、カレンは少年を警護。
「男の子はね、もっと強くならなくちゃ駄目よ。うんと強くなって、お父さんが帰りになったらビックリさせてあげなくちゃ」
つまり、
「いよいよピンチの時は……相手の目を狙うのよ」
て事ですねカレンさん!
珍しくカレンが綺麗なお姉さんモードを発動するのですが、父を殺害されているカレンが、父親と離ればなれで寂しい少年を励ますという繋ぎ方は、長坂さんの色でしょうか。
ところが尋問しようとしていたカメレアン大隊長玉三郎に化けて脱走に成功し、少年は今度こそ人質としてさらわれてしまう。初めは眼中になかった少年が物凄いキーパーソンのような扱いになっていますが、段々、誰が人質でも良くなってきています(笑) ……まあ、玉三郎だとさらっても見捨てられそうだけど。
大量の構成員で待ち伏せするクライムに対し、ジャッカーは無線操縦のスカイエースを囮に使って、殴り込み。人質そっちのけのバトルが始まり、今までも多少はありましたが、バトル中のギャグ要素が大幅に増量。カメレオンの口からマシンガン乱射をかわすのがカメレアン踊り扱いを受け、祭り囃子をバックにジャッカーがえらいこっちゃえらいこっちゃでしばらく続き(これも何か、時事ネタなのでしょうか……)、そこで発動する救世主ビッグ・ボンバー!
初めて、ビッグ・ボンバーがあって良かったと思いました(笑)
しかしボンバー炸裂寸前、カメレオンはまさかの逃亡。ジャッカーが逃げるカメレオンを追って砲台を転がしていくと、そこには二人の少年がという、ビッグ・ボンバーが途中で止められる、人質の存在は忘れたわけではなかった、と二重に衝撃の展開。
瓜二つの少年の姿にどちらをボンバーすればいいか迷うジャッカーだが、ビッグワンが父親が帰ってくる日を知っているのが偽物だと閃いてかまをかけ、正体を現したカメレオンを嘘つき退治のペンチでボンバー抹殺。
「これじゃ宇宙に帰れあーん!」
て、今回は宇宙怪物だったのか……。
宮内洋に続き、『快傑ズバット』打ち切りでリビドーを持て余す長坂秀佳が参戦し、番場壮吉大盛り。番場を少年ゲストと繋げるというオーソドックスな手法で物語の中に取り込み、当然ビッグ・ワンの唐突感は減じているのですが、そうすると今度はジャッカーの存在が不要になるというこの必然的帰結。今作の置かれた、絶望と限界を見ます(^^;
次回――サブタイトルが凄い。