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若さ 若さって何だ

◇『ワンパンマン』8・9・10話
サイタマと無免ライダーを軸とした8・9話は、話もテンポ良く進んで面白かったです。やはりこれぐらい、キャラクターが絡んでくれた方がいい。また、これまで引っかかっていた、前座とクライマックスが分離しているという問題点が解消され、倒れたヒーロー達と、それを思うサイタマの決断、という形で、“強すぎるサイタマ”の意味が物語としっかり繋がって着地しました。
決してサイタマが無欲でない事、そんなサイタマを慮るジェノス、という積み重ねも機能し、ようやく、物語が納得のいくレベルで組み立てられてくれました。最後に、無免ライダーとサイタマがおでん屋で出会う、というのも良かった。
10話はもう少し、S級ヒーロー達の見せ方を工夫できないものかとは思ったのですが、サイタマの「今日かもな」で今日来る、というネタの為には、ああいう形しかなかったのか。
で、9話後半で散々、B級から先は厳しい世界、と煽った上でサイタマがさらっと60位台までランクを上げていたのは、どこかでスキップされたエピソードが特典になるとか、そういう事なのかしら、と遂うがって見てしまうのですが(笑)


◇『うしおととら』22・23話
藤田キチガイ顔祭りで、素晴らしい回でした。
アニメとしては動画ならではの演出を見たいとも思いつつ、藤田作品として、藤田キチガイ顔に関しては顔で勝負していただきたいという思いもあり、作画が非常に頑張って、実にあっちもこっちもキチガイ揃いで良かったです。
その上で、ぐにゃぁっと浮かび上がるギリョウの顔などは、アニメならではといった形で頑張っていましたし。
割となりゆきヒーローだった潮が、身近な人を守る為の戦いから自分のルーツを探る旅へと向かい、そこで自分が手にした力の秘密と大いなる邪悪の存在を知り、一つの敗北を乗り越えて覚悟と理由を掴み直す事で、ヒーローとして再起する――と、ストレートな骨格の物語の、その髄を上手く凝縮して描いているなぁと改めて。
勿論、どうしたって重ねる肉が足りない部分はありますが、それは仕方が無い所で、この出来で改めて『うしおととら』を見せてもらえるというのは、満足度高い。
にしても、こうはなんとか宗の人たちは、揃いも揃って、どうしてああも躊躇無く民間人に術をかけるのか問題。
そして相変わらず、気持ち良く吹き飛ぶ主人公。
九印にもツッコまれていましたが、潮は2クールで何回死にかけているのか。
まあそこが一つ、今作のキモではあるのですが。そういう点で、きちっとツボを押さえているなぁと重ねて。明らかに愛の駄目出しを行っているとらが、それでもまだ、自分の抱えてしまった感情を理解できない異形、というのが貫かれているのも今作の良い所。2クール目のクライマックス、そして最終第3クールも楽しみです。


◇『コンクリート・レボルティオ』10話
またまた、実にねじれたエピソード。
……そんなのばかりという話もありますが。
ジャガーさんの正体と過去が明かされ、超人課の設立に関わるという、思った以上に重要な人物であった事が判明。そしてジャガーさんは、歴史を変えようとする自分と、歴史を守ろうとする自分、二人の自分と再会する事になる――。
ジャガーさんが“青臭い自分”の幻影と常に対峙を余儀なくされる人生であったが故に、爾朗の青臭さについて苛立っていた事や、敢えてそんな爾朗だけが動かせるエクウスに込めた思いなどがわかりましたが、青臭い過去を消したいと思っている男が、青臭さ全開の力を青臭さ全開の若人に託してその力の振るい方を近くで見ながらぶーぶー言うとか、オトナ、面倒くさい……(笑)
時間SFとしては、タイムパラドックスのルールを先に名言した上でタイムパラドックスを描く事で、割と綺麗に収め、ジャガーさんが、手法はともかく最も超人課の思想にこだわって爾朗と対立しがちに見えるのは、未来における自分(たち)の尊厳を守る為に戦っていたから、という理由がわかったのは深く納得。
オチも良かったです。
そして忍者。
遂に忍者が出てきましたよ!
さすがに大凧は使わず、アドバルーンでしたが(笑)
次回、まさかのエンジェルスター再登場、謎のドクロ仮面、そしてウル爆散?!
と予告も盛りだくさん。にしても、残り3話?でまとめようとすると、訣別と決戦が別個で描かれるのではなく、決戦しながら過去の訣別も並行して描かれる、とかいう事になるのかしら。