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15年ぶりの『クウガ』メモ#41−#42

「本当は、綺麗事が、いいんだもん。これでしか、やり取りできないなんて、悲しすぎるから」 (EPISODE41「抑制」)
◆EPISODE41「抑制」◆ (監督:石田秀範 脚本:荒川稔久

  • いつもと違う音楽でスタートしたと思ったら、不気味な気配に気を取られたライジング緑、海から飛んできた銛に刺される。
  • 銛に貫かれてヒーロー磔、という冒頭からなかなか刺激的な映像。銛を引き抜く際に緑の肩アーマーが破損し、白なって倒れたクウガには流血の跡、と白クウガの色彩も活かして、かなり頑張った描写。
  • 「おっちゃんはないの? 誰かを殺してやりたいと思った事」「…………あるさそりゃ」。おやっさんと奈々はポレポレで話し合い、ここでおやっさんにも悪意の存在を認めさせる、というのは年配の導き手が無条件に善良なシンボルとして置かれるのではなく、あくまで「ただの人間」であるという部分を強調し、今作のリアリティの置き所が出ている箇所。
  • ポレポレを飛び出した奈々を見つけた五代は、オーディションの最後の課題が、「好きな人を未確認生命体に殺された時の演技」であった事。一緒にオーディションを受けた知人が、かつて未確認生命体に殺された演技の先生の死を「役に立ちそう」と言った事に、怒りのあまり会場を飛び出してきた事を知る。
  • 「そこまで言われたっら、ひっぱたたきに行ってもいいですよね!」「……本当にそう思う?」「思います!」「人間だもんね」「え?」「あるある。そんな気持ちになる事。だから行くべきだと思う。……でも、俺はこれを使って、凄く嫌な気持ちになったよ」
  • 「一緒に深呼吸しない? 人間だからさ……大事なのは、間違えてるって事を、わかるように伝える事じゃないかな」
  • 「さっきから五代さんの言うてる事、綺麗事ばかりやんか!」「……そうだよ。…………でも……だからこそ、現実にしたいじゃない」
  • 少し丁寧にすぎるのですが、ヒーローはどうして綺麗事を語るのか、という話。
  • 一方で、ただ説教モードに入るヒーローを描きたくないという意識があったのでしょうが、終始、五代くんが奈々にかける言葉を探す為の間が入るというのは、今作全体に置いて、やりすぎたかなとは思う所。リアルではあるし、五代雄介がそういうヒーローである事はわかるのですが、フィクションのヒーロー作品としては、もっとズバズバ言ってくれた方が気持ちのいい所はあります。
  • そこで“気持ち良く”しない事に意識的なのが、今作の長短である面倒くさい部分なのですが、ここでは悪い方向に転がった印象。
  • ジャーザによるネットへの予告書き込みが発見され、クウガはゴウラムでフェリーへと飛ぶ。
  • 奈々はオーディション会場へと自転車を走らせ、「話したい事があるんやけど」と対話を選ぶ姿と、クウガvsジャーザの戦闘の対比。今作で繰り返し行われてきた描写です。
  • ところで、ジャーザはシャチなのか、鮫なのか。
  • 榎田さんの推測通り、フォームチェンジしたジャーザはタイタンぽい姿となり、クウガもタイタンフォームへ。最後はクウガがタイタン二刀流を見せ、両者揃って海に転落して、海中で大爆発。
  • 一条さんを乗せてやってきた海上保安庁の人たちは、何故か人間(五代)が浮かんできてビックリです(笑)
  • 奈々は笑顔を取り戻し、夕陽が映って綺麗に大団円……かと思いきや、ラストに姿を見せる第0号、と不穏なオチ。序盤からちょこちょこ出てきたサングラスのおじさん(サンショウウオ?)、床に倒れているので多分リタイア。

◆EPISODE42「戦場」◆ (監督:金田治 脚本:荒川稔久

  • 見所は、コート姿で超格好良くガードレールを跳び越える一条さん。
  • 閉鎖した地下のショッピングモールで殺戮を繰り広げる第45号を包囲する警察、という冒頭から緊迫の展開。
  • クウガだけではない。リントそのものが変わっている」と薔薇のタトゥの女が繰り返す姿には、攻撃性を手に入れたリントの姿を、作品が必ずしも肯定しない部分が見えます。
  • 牛のパンチを受け、前回に続き、クウガ流血描写。
  • 更に、フォームチェンジした牛のハンマー攻撃に一方的に叩きのめされるが、一条が新型の筋肉弛緩弾で支援狙撃を決め、倒れた所をゴウラム轢き。
  • そのまま山間部まで運ばれた牛、五代曰く「金の、ゴウラム合体ビートチェイサーボディアタック」により、まさかのAパートで爆死。
  • 前回のジャーザもなのですが、ここに来て、怪人が完全に“物語のツマ”として処理されてしまっており、語りたいテーマのおまけにされてしまっているのは、『クウガ』終盤戦のあまりよろしくないと思う所。
  • 私個人は“バトルを餌にテーマを見せる”という劇構造は悪い事だとは思っていないので、この辺り“テーマのついでにバトルする”構造に振れすぎてしまっているのは、どうも逸脱を感じてしまいます(^^;
  • 作り手の側として、色々思う所はあったのでしょうが。
  • 科警研に集まり、グロンギってなんだろう会議が開かれ、改めて未確認生命体が人類と生物学的にはほぼ同一である事。そして、腹部にはアマダムと同質の未知の鉱石が埋まっており、それが神経や細胞に影響を与えて変身能力などを与えている事……つまり、クウガとほぼ同一のメカニズムを持っている事が確認される。
  • 五代が戦う為だけの生物兵器になってしまう事を心配する椿だが、アマダムが意思の力に応えるならば、それは使う者の意思次第だ、と満場のサムズアップ。
  • 「だから、五代が大丈夫なら、大丈夫か……」
  • あまり、役に立ってないよ会議!
  • フルートのコンクールで上京する実加ちゃん、そのポスターを見つめる不穏な男、そして……。
  • 次回――やたら殺す気満々の次回予告から、一条さんは生き延びる事が出来るか?!