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『ブルースワット』感想11

◆Volume13「デス・トラップ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
地球にやってきた3体のエイリアン、とりあえず山の中で派手に爆発を起こして力見せをし、それを目撃してしまったハイカーに憑依する。一方、UFO目撃の情報を聞いたブルースワットは確認の為に出撃するが、それを追跡するバイクの影があった……。
公道を力強く走るスワットスーツに関しては、これまではまあ、やむを得ないお約束として流していましたが、事務所を張っていた人影に、完全武装で出撃した所を尾行される、までやるとさすがにギャグ。
とにかく、秘密のゲリラ活動、というコンセプトを演出レベルで全く活用出来ていないのは気になります。
セイジが足止めした尾行者の正体はスミレで、セイジに例の新聞記事を突きつけると、そのまま指揮車に乗り込んできてしまう。その頃、先行したブルースワットはエイリアンの待ち伏せを受けていた。地球に飛来した3体のエイリアンは、ブルースワット抹殺の為の刺客であり、今後の侵略活動の為に育成中のエイリアン狙撃部隊だったのである!
と、前回ラストに登場したマフィアの大物ムッシュ・ザジの主導により、ブルースワットへの直接攻撃、という展開。
エイリアンの扱う戦闘用シミュレーションフィールドに閉じ込められた3人は分断されて激戦を繰り広げ、戦闘アクションそのものは頑張っているのですが、何故か途中で一人だけ放り出されるショウ。直前にエイリアンに少しダメージを与えているのですが、描写を見る限りでは、それが影響を与えたようには見えず、非常に謎です(^^; そして、後からやってきたセイジとスミレに拾われたショウが、外からシミュレーションシステムのポイントを破壊してサラとシグを救出し、合流した3人は2体のエイリアンを撃破……とそのまま逆転に繋がってしまい、盛り上がりも何もない、単純に締まらない展開に。
最後に残った1体(途中でショウを放り出した上で放置したので仲間2体が死ぬ原因を作ったエイリアン)はショウとの一騎打ちに敗れた所を、飛来したUFOの爆撃で死亡。ブルースワットは、言語や空間を超えて宇宙レベルで効果を発揮するショウの《挑発》スキルでUFOを建物内部に誘い込むと、第2話の使い回しっぽい映像を交えつつ、UFOを撃破するのであった。
「ごめんね、今まで隠してて」
「さっきはスミレさんのバックアップで勝利を収める事が出来ました。これからはチームメイトです」
「ホント!? 嬉しい〜」
「おいおい、シグ」
「事実を知った以上、行動を共にした方が安全です」
そもそも何故スミレを雇っていたのかという問題に関しては一切触れないまま単純にわかりやすい所に収まるスミレ。ブルースワットの総数(5名)を知ってスミレがひっくり返るのは面白かったですが、これまで1クールの扱いは何だったのか。
スミレに関しては今回、バイクで尾行したり、爆撃の中を走り抜けてミサイルランチャーをブルースワットに届けたりと妙にアクティブになっているのですが、立場変更に合わせて能力値も修正した感じに。
強敵に対する逆転の成り行きは適当無比、スミレのパーティインに特にこれまでの物語が活かされるわけではない、と、正直、単純に面白くないエピソード(^^; 病室ではムッシュ・ザジが立ち上がり、「いずれ必ず息の根を止めてやる。覚えておくがいい」的に息巻くのですが、さてはて。


◆Volume14「極悪スター誕生」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
通常、予告ナレーションを誰が書いているのか知りませんが、扇澤脚本回の次回予告(一つ前の回の予告)は、全部本人が書いているのではないだろうか、というぐらい『特警ウインスペクター』以来、5年に渡って妙に統一感があるなぁ……(笑)
「しかし、その薬には、意外な副作用が。ヘイ! カモンベイビー! ロックンロール! その、エイリアンの回復力と副作用に困惑するブルースワットは……」
いや、困惑しているのは視聴者です、的な。
インヴェードされている職員が何かを作っているととおぼしき薬品研究所を見張っていたセイジは、門前で喧嘩するパンクな男と派手めな女のカップルを目撃。
「うじうじ、未練たらしく間抜けな夢にしがみついていやがって」
あ、扇澤さんだ(笑)
彼氏に平手打ちを炸裂させた気の強くて派手な女は、なんとブルーリサーチに彼氏の夢を諦めさせてくれるように依頼。
「早くあの馬鹿の目覚まさせて、ロック止めさせて欲しいわけ。……一緒になりたいんだよ、あいつと」
ここで、きつい彼女に関する印象を一転させてくる、というのは巧い。
ところがそこへセイジからの連絡が入り、相談者置き去りで研究所へと向かうブルースワット。一度は追い詰めるも、エイリアンは研究所で作成していた薬品、回復力強化薬を使って復活。だがその薬には、回復力に強制的に全エネルギーを消費する為、脳や精神の機能が弱まってしまうという副作用があった!
「うわぁ〜、どうしちゃったの。あ、頭が、意識が妙にぼんやりする」
扇澤×三ツ村コンビで、どうしてここまで頭の悪い台詞になってしまったのか(^^;
今回のエイリアンは、エイリアン体でも流暢に日本語を操るようになり、エピソードに合わせて言動もややコミカルなのですが、突然の「面倒くさい事はもう止めよう」という指令に現場が混乱しているような気がします。
エイリアンは研究所で倉庫係?のバイトをしていたパンク彼氏に憑依するが、薬品の副作用によりその精神を制御する事が出来ず、男の強い意識が暴走した、エイリアンでも彼氏でもない第三の人格になってしまう。暴走彼氏は奇矯な衣装に身を包み、異常なテンションの赴くまま、商店街でギターを熱演、ロックの魂を叫ぶ。
「体制に組み込まれた人間は、豚になるんだ。髪の毛伸ばせ」
ロッカーの時代設定が『コンクリート・レボルティオ』(1960〜70年代前半)なのですが(笑)
ちなみに扇澤脚本では『機動刑事ジバン』第42話「怪物ロックンロール!」(監督:三ツ村鐵治)、『特捜エクシードラフト』第15話「前略金銀息子さま」(監督:簑輪雅夫)でもゲストに売れないロックバンドが登場しており、単純に好きなのか、体制に順応できず社会に対して疎外感を抱えている存在、として使いやすいモチーフという事なのか。なお両方とも出来が良いとは言いがたいのですが(^^;
ブルースワットが依頼を受けて、彼氏を説得する為に研究所へ来てくれたのだと勘違いした彼女は、事務所でスミレと話し、ここで彼女の妊娠が判明。彼女は生まれてくる子供の為にも、彼氏を田舎へ連れ帰ろうとしていた。
「東京離れりゃ、エイジもロック諦めると思ってさ」
この、都会が人を惑わせるのだ、というような要素も、上記の「前略金銀息子さま」、『ジバン』第38話「故郷だよ、おっ母さん!」(監督:小西通雄)に用いられており、とにかく今回、面白い面白くないとは別に、扇澤成分が超濃厚。
「てめえらは怖いんだ。愛と自由を歌われるのが怖いんだ。そうだろう」
「やれやれ、もう駄目ですね」
ブルースワットの前で座り込み、撃ってみろ、と叫ぶ彼氏だが、そこへやってくる彼女。
「おまえも奴等の味方か。俺からロックを奪う、化け物野郎が!」
意志だけが暴走し、記憶すら混濁している彼氏を、ブルースワットはショック弾の一斉射撃で気絶させ、ようやくエイリアンを引きずり出す事に成功。さんざん無駄弾撃った上で、ウィークポイント聞いたら一発で倒してしまうなど、非常におまけ感に溢れる戦闘ですが、やはり、敵のデザインがひたすら似たり寄ったりというのは厳しいなぁと思う所です。
エイリアンを撃破したブルースワットは、今までのは悪い奴がそそのかした悪夢だったんだ……的に彼女を言い含めて、通りすがりのヒーローぽく去って行くのですが、激しく、無理があるような。
憑依時の叫びが彼氏の本音だと考えた彼女は、彼氏に別れを告げて去ろうとするが、憑依時に願望が暴走した事でエイリアンと一緒に夢という名の憑き物も落ちた彼氏は、未練をきっぱりと捨てて彼女を引き留める。
「のんびり行こうや。お腹の赤ん坊と3人でさ」
「エイジ……」
「タバコもうやめろよ」
冒頭の喧嘩の際の台詞が、実は彼氏も妊娠を知っていたのだった、と繋がるというのは扇澤さんらしいテクニカルなやり取りですが、全体の出来としてはあまりよろしくないのが残念(^^; 基本、救われない者は救われず、夢はかなわない時はかなわないものであり、むしろ人間は分相応の幸せを手に入れるべき(しかし、その中で懸命にもがくから人間は美しい)、というのが扇澤ワールドで、導入からオチまで扇澤節全開なのは、扇澤浴みたいな楽しさはありましたが(笑)
しかし、作品コンセプトからこれだけガタガタだと、さしもの扇澤さんでもひっくり返せないのか、と暗澹たる気持ちになってきますが、次回、トンデモの香り漂う予告で、斜め上に飛翔するのか、斜め下へ墜落するのか。CM作戦の行方はどっちだ!