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はじめての『プリキュア』感想35

ううむ、感想書いてから次を見る為、結局今週中に追いつけなかった……。
◆『GO!プリンセスプリキュア』#46◆
……の前に、ちょっと見落としていた事に気付いたのですが、44話で夢に悩んだマーメイドがプリキュアとしての打撃力を失ったのに対して、43話でモデル休業を決めたきららがむしろ全開大放出だったのは、やはりきららが「夢を捨てたのでも諦めたのでもなく、優先順位をつけてきっぱりと取捨選択した」という事なのだなぁ。……まあ、44話が後なので、43話時点ではそこまで考えていなかった可能性もありますが、きららの立ち位置として納得できる所です。
さて本編は、学園寮の大掃除からスタート。それぞれが冬休みの予定を語り合い、海藤家は一家で野生のペンギンを見に……って、既にお父様の親バカモードが発動している?!
学園に雪が降り積もり、はしゃぐはるか達は、雪が珍しいトワを連れて、校庭で雪遊び。と、久々にトワ様可愛げキャンペーン。
はるか:巨大な雪だるま、みなみ:中ぐらいの雪うさぎ、きらら:パフの雪像、ゆい:ロマの雪像、というのは、それとなく、それぞれの造形センスを示しているのでしょうか(笑)
そんな時、はるかの顔に直撃する雪玉。
「わりぃ春野! 手が滑ったぁ!」
藍原くんよ、ホント君は、最低だな!(笑)
明らかに男子グループと逆方向へ故意に投げているのですが、はるかにちょっかい出すのを入り口にノーブル学園三大綺麗所とお近づきになろうという魂胆があるようでもなく(そこはさっぱりしていて良い所なのですが)、かといって女子の顔面に雪玉ぶつけるのが許されるのは小学生までだと思いますよ!
その後、トワが思いついた雪の城――ホープキングダム城――の作成に協力を申し出てポイントを稼ぐのですが、あれよあれよという間に参加者が増えすぎてしまった為に頭割りのポイント配分が激減し、結局、収支は見事にマイナス(笑)
後半の登場だったからか、ここ最近の学園描写でけっこう顔を出す演劇部のメガネくん(割と好男子)の方がよほどトータルでポイントを稼いでいる緊急事態でMAY DAY,MAY DAY。
ゆいちゃんが絵画スキルを発揮してお城の完成イメージ図を描き、みなみ様による動員指令や男子寮の口伝えで次々と生徒達が集まり、思わぬ規模になる城造り。学園要素もまとめに入ってきているようですが、ここで総出で何かを作る、というのは象徴的で良かったです。また、食堂のおばちゃんも炊き出しに来たり、白銀さんの助言があったりと大人達の姿を忘れないのも、今作らしく抜かりのない所。
更に、そんな光景を映研(みなみ様の宿敵)がカメラに収めていくというのがとても良く、旅立ちを予感させる今作のエンディングへ向け、そのステップとなる青春の1ページという要素をしっかりと仕込んできました。
その頃、
「私は全てを失った……ディスダークには……もう……帰れぬ」
前回の敗北でホープキングダムから逃げ出したシャットは、やつれた顔で商店街を彷徨い、近づいたらいけません的な視線を道行く人々から浴びていた。
(私を見るな……そんな目で見るな……)
身も心もすっかり敗残者となり、挙げ句の果てに帽子から落ちた黒バラ一輪を、鳩に持ち去られてしまうシャット。
「今の私は、あんな、鳥以下だというのか……。この、私が……」
……落ちぶれて人間社会を彷徨ったり、鳩に襲われたり、某裏次元伯爵様を思い出さずにはいられません(笑)
そうこうする内、ノーブル学園では、ちょっとやりすぎなぐらい立派な雪のホープキングダム城が完成。
「わたくし一人では、こうは行きませんでしたわ。沢山のお友達のお陰です」
てれてれってってってー♪
トワ様はLVが上がった!
トワ様は
国民=労働力、という帝王学の基礎を学んだ!
城が完成した事で満足したのか、寮に引き上げる生徒達だが、手袋を忘れた事に気付いて一人引き返すトワ。ここでロマに対して「大丈夫。自分の事は自分でやりますわ」と取りに戻る姿で、トワの日常生活での成長も織り込まれています。
そんなトワの姿に「すっかりノーブル学園の生徒ね」と皆で微笑み合うのですが、そういえば、ノーブル学園は“生徒の自主性を重んじる校風”という設定で、第2話の草むしりイベントの時にはそれほど効いていませんでしたが、「自立」というテーマ性も念入りに仕込んであったのだなぁ……今作のこの、あらゆる仕込みを拾いに行かんという勢いは本当に凄い。
ところが手袋を回収した城の前で、トワは彷徨うシャットと出会ってしまう。
「シャット! ここで何を?!」
「何を……? さあ……なんだろうな……」
立場も帰る場所も失い、自失状態のシャットだったが、雪城の輝きに気付いてしまう。
「これは、ホープキングダム城。くっ……こんなものまでが私をあざ笑うかぁ!」
被害妄想からの逆恨みスイッチが入ったシャットの衝撃波で城の一部が崩れてしまい、トワはスカーレットに変身。
「そうだ……砕いてやる。貴様も、世界も、私を貶めるものは、全てぇ!!」
絶望の気配に気付いて全員が合流し、変身バンクから変身シーンの音楽のままシャットに一蹴り入れてスカーレットと合流し、4人で名乗りを決めるという、変則パターン。
「強く、優しく、美しく……。美しくだとぉ!? 貴様らの何が美しいものか。美しいのは、この、私のみだぁっ!!」
シャットの攻撃から城を守って戦場は森に移るが、失意の中で怒り狂うシャットは凶暴化し、猫のようなモードを発動する。
「壊れればいい、こんな世界! 私を認めないものは全て、消えて無くなれっ」
「シャット、いったい何が、あなたをそこまで!」
「黙れ……貴様がそれを言うかぁ!」
珍しく、シャット正論(笑)
「トワイライト……思えば貴様との出会いが、私の運命を狂わせた! 貴様がいなければ、私はここまで落ちぶれる事はなかった。そうだ、貴様さえ居なければ私は! 再び美しく、返り咲ける!! はははっ、これが私だ! 美しい私の、美しい力だぁ!」
「……美しい? 冗談」
「自分の顔を見てごらんなさい」
猛威を振るうシャットの攻撃を何とか食い止めたプリキュアは、マーメイドが氷の鏡を作り出し、シャットにその表情を見せつける。
「?! 醜い、これが、私……?」
「だって、あんたのしてる事、八つ当たりじゃん」
「全て人のせいにしているだけ」
「それは多分、美しくなんてないよ」
ここでプリキュアが、未だかつて無い突然の説教モードに入って少し違和感を覚えたのですが、その辺りはまとめて後述。
「う、うるさい! うるさい黙れぇ! ロックに見下され、クローズに見下され、ディスピア様にも見捨てられ、残されたのは自分のみ。信じられるのはもう、この私のみだぁ!!」
シャットは溜まりに溜まったストレスの力で、山猫の魔獣に巨大化。三銃士はそれぞれ、カラス・カエル・山猫が本性のような描写となりましたが、何かこれは揃ってモチーフがあるのでしょうか。ロックが「カエルの王子」だとすると、シャットは「長靴を履いた猫」?
「シャット……」
正気を喪い、ただただ暴れ回る巨大な山猫の姿に、表情を歪めるスカーレット。
「――助けよう」
その時、決断するフローラの表情が描かれないのは今作だけに狙った演出だと思いたいのですが、さてどうか。
それはそれとして、これまでの活動内容から、フローラの「助ける」って何を指しているのか不安だったのですが、スカーレットイリュージョンで動きを封じた所を最強必殺技で殴りに行った!
説教が効かなかったので、歯ぁ食いしばれ的な(^^;
プリキュアボンバー(手加減?)を受け、元の姿に戻ったシャットに手を伸ばすスカーレット。
「なんのつもりだ、トワイライト」
「……トワイライトも、孤独で、人の事なんて考えない人間でしたわ。気高く、尊く、麗しく、ただそれだけで良いと。でも、今のわたくしは違います」
シャットの姿にかつての自分を重ね、シャットの中のトワイライトの幻影を、成仏させにかかるスカーレット。
「暖かくて、大切なものを、沢山いただきましたから」
「暖かくて、大切なもの……」
「それを守る為に、強く、優しくある姿、それが美しさだと、今は、そう思っています。変わりましょう、シャット。わたくしと一緒に」
グランプリンセスの要件である「強く・優しく・美しく」とは何か、に自分なりの答を出し、復讐を乗り越えてシャットに手を差し伸べるスカーレット……だが、シャットはその手を打ち払うと、帽子(今回、シャットの心の象徴となっている)を拾っていずこともなく去って行くのだった……。
最終章を前にここで、スカーレットを通して「強く・優しく・美しく」に踏み込むのですが、今回の、いきなりの説教モード→フローラの「助けよう」→スカーレットの語る「強く・優しく・美しく」とは、を繋げると……クローズとロックを滅殺したのは弱くて余裕が無かったからで、それぞれが壁を乗り越えて「強く」なった今だからこそ、シャットに「優しく」する事が出来るようになった、という理屈が誕生。
つまり、
強くなければ優しくなれない、けれど強いだけで優しくないなら、美しくない。
だから、
強く・優しく・美しく
というグランプリンセスの思想が浮かび上がってきます。
今作割と根っこの世界観がシビアなので、この「強くなければ誰も救えない」という理屈に納得は出来るのですが、そもそもフローラ達が説得コマンドを使用した事が無かったので、弱い内は試そうともしなかった、というのは結構ギリギリ(^^;
勿論、クローズをデリートした事へのフローラの悔恨、ロックを殴ったらクロロになった(今回シャットも殴ると妖精になると考えていた可能性あり)、なんだかんだ同僚だったのでシャットに人格を見てしまうスカーレット、といった諸々が積み重なっていって、プリンセスプリキュアが「助けよう」に辿り着いた――そしてそれがグランプリンセスの精神ではないか――という意図かと思われるのですが、フローラかスカーレットどちらかの心情に絞って描けば綺麗にわかりやすかった所を、二つ一緒にやろうとして、やや焦点がぼやけてしまった感じ。
その為、物語全体の要素は繋がっていて納得もいくのですが、1エピソードの展開としては突然の説教モードが浮いてしまい、それが発動する前振りを何かもう一つ入れておいて欲しかったなぁと思う所です。
3人を手で制したスカーレットが、単独でシャットの攻撃を受け止めるのでスカーレットの反撃が始まるのかと思ったら、何故か他の3人が説教を行うなどややちぐはぐな場面もあり、もしかしたら本来はトワ話(トワイライトの精算)としてまとめる筈だったのが、「――助けよう」の際の表情が描かれなかった事も含め、後からフローラの要素がねじ込まれたのでは、という気がしないでもありません。
香村純子の持ち味はエピソードの山場に向けて綺麗に線の通った脚本だと思うのですが、その香村脚本にしては混線が多くて、コンテ段階の追加要素が多めで焦点がブレたのではないか、と思ってしまう所。フローラの表情が描かれなかった部分は、最終章に巧く繋がってくれるのを期待したいと思います。
香村さんはこれで『ジュウオウジャー』へと思われますが、香村戦隊、非常に楽しみです!
シャットが立ち去り、壊れてしまった城へと戻る4人だが、そこでは既に、ゆいちゃんが労働力を集めて、補修の真っ最中であった。
「みんなが私たちの夢を守ってくれているんだもん。このお城ぐらい自分たちで守りたいじゃない?」
みなみ様メインだと扱いが雑になりがちなゆいちゃん(多分、みなみ様と絡めにくい。というか、みなみ様は普段から何気ない言葉でゆいちゃんの心を抉っていそう)、今回は要所を締める好サポート。
「とても、とても美しいですわ……」
夕陽に栄える城の姿に、トワは眩しく目を細めるのであった――。
「強く、優しく、美しく、か……」
少し険の取れた顔でその光景を見つめるシャットに、そっと差し出される肉球デザインのマフラー。
「風邪を引いたら、美しくないわよ」
シャットはそれを受け取りつつ、やはりその場を立ち去るのであった……て、ミス・シャムールとのフラグが順調に進行した……!(笑)
ここからそれぞれの冬休みがワンカットずつ描かれ、きらら父、画面内に初登場。「みんな、良いお年を!」とメタ気味に挨拶するはるかは、手書きで何枚年賀状出すつもりなのか……。
「学び、気付き、自立する」というテーマは三銃士の方にも与えられそうですが、冬の街を一人さすらうシャットは、果たして流浪の果てに何を見いだすのか。まさかこんな愛されキャラになるとはなぁ……(笑)
今回までが2015年放映分で、お正月休みを挟んで次回から最終章突入という事になりそうですが、第39話であれだけやって、ここから花の城の解放をどうやって盛り上げるのか、またも期待と不安が半々です(^^; グランプリンセスとは何か、という部分にもしっかり触れてきたので、この勢いで最後まで突っ走りきってほしい。
次回――「ええっ!? 私、花のプリンセスになっちゃった! 素敵すぎるぅ……!」
……こ、これは確かに、最も有効な攻撃かもしれない……。
そして、そんなはるかのテンションを、「怪しい……」でぶったぎるトワ様素敵(笑)