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『ブルースワット』感想14

◆Volume17「ズッコケ新隊員」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:浅香晶)
防衛局のメンバーにインヴェードし、衛星監視システムを狙うエイリアン。その頃ブルースワットは、OPテーマをバックに激しい戦闘訓練の真っ最中であった。
なかなか派手な映像に加え、高所からのジャンプ→着地→ガンアクションで3人の違いを台詞無しで表現する所などは面白いのですが、BGMが1分前に聞いたばかりのOPテーマというのが惜しい(^^; 《メタルヒーロー》シリーズは例年、途中から急に挿入歌祭になりますが、今年はまだ、出来ていないのか。
そしてこの訓練シーン自体は、1クール目の前半ぐらいに欲しかったと思う所。
そこへスミレがやってきて訓練に参加しようとするが、3人はそれを拒否して模擬格闘をスタート。……真面目な話、スミレとセイジには最低限の訓練をつけるべきだと思うのですが、3人とも単純に他人の指導とか出来ないだけな気もしてきました。
方向を間違えてミサイルランチャーをメンバーに向けてぶっ放してしまったスミレは、今度は指揮車を適当にいじると、謎の人工衛星にアクセス成功してしまう……て、つい最近も類似のネタをやったような気がするのですが。
謎の衛星は、ブルースワット基地の壊滅以降、強力すぎるステルス機能の為にアクセス不能になっていた秘密探査衛星SS−17であった。ショウ達に連絡しようとセイジが席を離れている間に、衛星内部のデータバンクに残っていたブルースワットの隊員教育プログラム・ブライアンに接触したスミレは、それを秘密にする為に衛星へのアクセスコードを隠してしまう……。
邪険な扱いを受けるスミレがメンバーを見返してやろうという感情はわかるのですが、背後でSS−17が重要な存在であるという深刻な話をしているのに、スミレが自分の事しか考えていない為、存在意義がますます問われる事に。
そもそもメンバーがスミレを邪険に扱う事からして問題なのですが、今作のガタガタぶりだけが浮き上がっていきます。
密かにブライアンと通信を重ね、教育プログラムをこなしていくスミレだが、防衛局がこの謎の通信波を傍受し、SS−17にエイリアンの魔手が迫る。防衛局にハッキングして(急にハッキングするのはおかしいので、日常的にハッキングしていると思われます)これを知ったセイジの言葉を耳に挟むも、この期に及んで自分の事しか考えないスミレは、ブライアンの制止を振り切り、偽の電波で防衛エイリアンを誘き出すがあえなく掴まってしまう。
事ここに至ってようやくブライアンと接触したショウ達は、事態の真相を知ると、ブライアンの協力によりスミレの居場所を発見し、出動。
同じ隊員教育プログラムを受けていたというショウが、プログラムであるブライアンをごく自然に「先生」と呼ぶのはちょっと面白かった部分。
スミレを助け、防衛エイリアンと戦う3人だが、そこへ指揮車で駆けつけたセイジが「スミレ捜索の為にエネルギーを消費しすぎたせいで、SS−17のステルス機能が無効化されたー」とどう考えても余計な事を大声で叫んだ為に、エイリアンはUFOを召喚してSS−17の破壊に向かわせようとする。
ショウとスミレがそれを追いかけ、今回も発動するショウの<挑発>スキルにまんまと引っかかるUFO。
これまでも疑問があったのですが、今作におけるUFOとは、エイリアンの乗り物では無く、スペースマフィアの使役する円盤生物の事だと思って良さそうです。
まあ、広義の未確認飛行物体という点では、間違っていない。
ショウの励ましを受けたスミレの大活躍でUFOとエイリアンを撃破するブルースワット。ここで、現場でスミレを怒っている内に更なるピンチに、という馬鹿の上塗りをしないで、やってしまった事は仕方ないから訓練の成果を見せてみろ、と持っていたのは今回の数少ない良かった所。
だが、防衛局のシステムを遠隔操作したエイリアンの最後のあがきにより、SS−17に向けてミサイルが放たれてしまう。自分が消えれば、その分生まれるメモリの余裕でステルス機能を回復可能だ、と告げるブライアン。
「母なる星、この青い地球を守る特殊部隊。それがあなた達、ブルースワットの名前の由来なのですよ」
ここで、地球を守るという部分が強調されるのは、今作の持つ『ジャンパーソン』以前(つまり《レスキューポリス》シリーズ)への回帰意識を改めて感じます。
ブライアンに促され、悲しみをこらえて特殊コード〔MOTHER−BLUE〕を打ち込むスミレ。
「マザー・ブルー、いつまでも、青く、輝いて」
これによりブライアンは消滅するが、ステルス機能を回復したSS−17はミサイルを回避・撃墜し、ブルースワットはブライアンを失うも、貴重な極秘データと情報衛星のバックアップを受けられるようになるのであった。
「おまえも立派なブライアンの卒業生だ。もう一人前のブルースワット隊員。俺たちの仲間だよ」
正直、今まで迷惑だと思っていた、というショウの本音が。
「ありがとうショウさん。ありがとうみんな。……ありがとうブライアン。あたしの素敵な先生」
地球を守る為に自ら消滅を選ぶブライアンと、それを飲み込む事で戦士としての階梯を一段上るスミレ、にブルースワットの由来を絡めたラストの雰囲気は悪くないのですが、そもそも問題の原因がスミレの自分本位な行動にあるので、そこをまるっきり無視して最後綺麗にまとめたからOK、というのは非常に疑問を感じる構成です(^^; スミレの好感度ブースト編の筈なのに、どうしてむしろ下がりそうな内容なのか。
またスミレの身勝手な行動の遠因は、ショウ達の配慮不足にあるので、やはりそこに一切触れないまま、チームの結束が高まった様に描かれるのも、問題を感じます。あなた方は本当に、半ばこうなる事をわかっていて、どうしてスミレを雇ったのか……という塞いだ筈の傷口をまた無駄に開いた感。
スミレのポジションを修正するにしても、もう少し、やりようがあったと思うのですが……。


◆Volume18「強盗犯は英雄(ヒーロー)!!」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:中野睦)
平和な街で突如発生する銀行強盗……その正体はなんと、ブルースワット
遂に、活動資金が限界に達したのだ!!
……わけはなく、エイリアンの仕掛けた時限爆弾を探す為のやむを得ない作戦であった。
折角プロットは面白いのに、そこに至る経緯を全部モノローグで説明した上で、更に3人の会話で説明をくどくど重ねてしまったのは、非常に残念。
銀行の貸金庫に収められた、あるワクチンを消滅させる為にエイリアンが仕掛けた時限爆弾を探し回る3人だが、サーチセンサーにも引っかからず発見する事が出来ない。更に、入手したエイリアンの計画書によると、もう一体のエイリアンが作戦のフォローの為に現場に居る筈だが、果たして人質の中の誰がエイリアンに憑依されているのか……?!
(駄目だ、わかんねぇ、わかんねぇぞ……)
心を鬼にして作戦を決行したブルースワットだが、爆弾もエイリアンも発見する事が出来ないまま、いたずらに時間だけが浪費されてしまう。
密室劇での犯人捜しというサスペンスの中に、人質にされる人々の心情を慮りながらも、地球を守るプロに徹する鉄の意志というブルースワットのヒーロー性をしっかり盛り込んでおり、面白い展開。
交渉役の本田刑事(演じるは前作で時実博士を演じた森田順平)とは一種の信頼関係を築いたショウだが、そこへエイリアンに憑依された警察署長が突入を強行し、自ら銀行内部に乗り込んでくると銃を抜く。
「撃てよ。私も撃つから」
緊迫したその時、人質を守る為に飛び込んできた本田刑事が署長を拘束。
強盗ショウに向けた、
「その女性に手荒な事をするなチンピラ」
という台詞の言い回しが、さすが格好いい。
署長に憑依していたエイリアンが出現し、凄い勢いで警察の皆さんが目撃するが、ブルースワットは煙幕の中でそれを撃破し、機動隊は銀行内から一時撤退。
折角のサスペンス展開だったのにここで戦闘を挟んでしまったのは流れが崩れて勿体なかった所。ラストから逆算して本田刑事の活躍の場を作る必要があったのでしょうが、何とか戦闘無しでやってほしかった部分です。
「最後の手だ。俺たちが人質を解放するか、エイリアンが逃げ出そうとするか、勝負だ」
セイジの工作により、逃走用のバンに運転手として乗り込んできた婦警コスプレのスミレを交え、人質の解放を宣言する強盗ショウ。行員の一人がトイレに行きたいと騒ぎ出し、強盗シグがその見張りに離れた瞬間、突然の停電が起き、逃げ出そうとした警備員に憑依していたエイリアンが出現。
…………うーん、誰がエイリアンなのか? というサスペンスでここまで引っ張ったのに、肝心の所で特に伏線もなく物凄く雑にエイリアンが正体を現してしまったのは、これまた非常に残念。プロットも展開も面白く来ていたのに、徹底しきれませんでした。
「駄目です! 殺しては駄目です! 時限爆弾のありかを吐かせるんです!」
あなた方、そんな器用な事が出来るのか。
3人はスワットスーツに早着替えし、銀行内部(第1話と同じセット?)でのバトルは、人質の背広に火が燃え移ったり、破れた水道管から水が噴き出したりと、狭い室内とモブの存在を活用して、なかなか秀逸なパニックアクション。
混戦の中で人質の少年が危機に陥り、スワット2号が結局エイリアンを射殺。これを誰も責めない、というのはブルースワットらしい割り切りで良かった所。
何か手がかりが無いかとエイリアンが憑依していた警備員の体を探ったショウは、男が携帯していたスペースバリア発生装置を発見する。
またシグが、適当な翻訳を……!
「ストロンガーバーリア」(1974年)と同じセンスですが、シグがいったい、何を教材に地球語を学習したのか不安になります(笑) ……まあシグの立場からすると、細かく説明するよりも「スペース○○」=「エイリアンのオーバーテクノロジー」というのがわかりやすいだろう、という意識なのでしょうが、物語的にはガックリと腰が砕けます(^^;
時限爆弾はそのバリアーの作用によりサーチ不能になっていた事がわかり、装置を解除する事で地下の爆弾を発見した3人はその停止(ラジコンのコントローラをOFFにするみたいな形で超あっさり)に成功。
いつも思うのですが、スーツの機能によるサーチとシグの超能力センサーが演出上でごっちゃになっているのはどうしてなのか(^^;
事件を解決したブルースワットは、何故か爆弾を手に正面玄関からスワットスーツ姿で堂々と登場し、世間にその姿を見せつける。
「ここで何が起きたんだ? さっきのあの化け物は? おまえ達……いったい何者なんだ?」
「ただのチンピラだよ。ありがとよ、タフガイのおっさん」
3人は煙幕弾を放ってマンホールから逃走し、その鮮やかな手際と金銭的な被害が全くなかったという事実に何かを感じ取った本田刑事は、思わず笑い出すのであった。
「ふははははは、やるじゃないかチンピラ」
洒落たやり取りでラストを飾りたかったのはわかるのですが、話のプロットがブルースワットの隠密性を巧く活用していただけに、それを自ら壊しに行ってしまったのは、統一性を欠いてしまい少々やりすぎだった感。ゲストの格好良さで強引に誤魔化しましたが。
本田刑事は実に格好良く、エイリアンを目撃した辺りも含めて、今後時々出てきて事件に絡んでくれたりすると嬉しいですが、無理かなぁ……。
前作で伝説の<ジーザス・エンド>編を書いた中野睦が初登板。割と面白かったのですが、冒頭のモノローグには目をつぶるとしても、エイリアン捜しに絞ってサスペンス展開を貫き切れなかったのが、非常に惜しい。
閉鎖空間のサスペンス展開を20分程度で構成するのは確かに難度高いのですが、ここは一つ、挑戦してみて欲しかった所です。
改めて、そんな閉鎖空間でのサスペンスを絶妙なさじ加減で特撮ヒーロー物と融合してみせた『鳥人戦隊ジェットマン』第12話「地獄行バス」(監督:東條昭平 脚本:井上敏樹)は名作で、井上敏樹×東條昭平の力量に唸らされます。
次回、ムッシュ・ザジ、起つ。