◆第15話「死を呼ぶシャドウのトランプ!!」◆ (監督:山崎大助 脚本:鈴木生朗)
奇械人の名称に、そのまま(クラゲ、クワガタなど)・一ひねり(ガンガル、トラフグンなど)・属性+素体(ヨロイガメ、エレキイカなど)と3パターンあるのは、開発班のこだわりなのか、単に大雑把なだけなのか気になる今日この頃。……まあなにぶんブラックサタンなので、書類審査用に仮の名称を書いておいたら、大首領が適当にハンコ押して認可されてしまったとか、そんな気はしますが。
重力制御法を発見した黒木博士がブラックサタンのクワガタ奇械人にさらわれ、夏らしい服装になった茂の前にはゼネラル・シャドウが立ちはだかる。茂はシャドウのトランプが顔に張り付いて目つぶしに苦しみ、予想外の弱点属性が固定化。もしかして意外と、単純な落とし穴とかに弱いのではストロンガー。
「一足遅かったな城茂」
目の見えない茂の前で岩に片足を乗せ、波止場のナイスガイポーズをキめたゼネラル・シャドウは、既に黒木博士がブラックサタンの手に落ちた事を告げる。
「諦めて引き下がる事だ。さもないと命を落とすぞ」
そこへやってきて、茂をかばうユリ子。
「城茂。残念だが、死んでもらおう」
え? あれ? シャドウさん?!
シャドウの目的としてはこちらの方が正しいのですが、30秒前まで警告で済ますみたいな態度だったので、ユリ子とイチャイチャしているのにイラッと来て殺意のトリガーが押されたようにしか見えません(笑)
これ、シャドウの正体が死んだ筈のユリ子兄とかだったら面白いけどなぁ……。
「女を相手にする気は無い。やめろ」
タックルを軽くあしらったシャドウは茂にサーベルを一閃するが、それをヘルメットで防ぐ茂。
「貴様、目が見えるのか?!」
「ははは、俺の罠にとうとう引っかかったな」
一瞬でも! 城茂に! 弱点が固定化されたと思った私が浅はかでした!!
まあ、見えないつもりで近づいてきたシャドウの背中にエレクトリック・ファイヤー! とかしなかっただけ、良心的だと思いたい。
茂はストロンガーに変身し、戦闘員を残してシャドウは帰宅。今回気付いたのですが、シャドウの衣装の背中は背びれのようなデザインになっており、顔のデザインと合わせると、トカゲ人間(爬虫人)的なイメージが入っているのでしょうか。
アジトではクワガタ奇械人が博士を拷問中で、そこへ戻ってくるシャドウ。
「待て。おまえには痛めつけるぐらいの知恵しかないのか」
ハイ。前任者はそれで退職に追い込まれました。
シャドウの指示で博士の娘を人質に取ろうとするクワガタだがそこにはタックルが先回りしており、タックルを追い詰めるとそこに現れる城茂…………なんだろうこの、罠にはめられた感じ(笑)
タックル、そそくさと隠れるし。
ユリ子を知らないで茂を知っているというやや珍しいパターンのクワガタ奇械人(脚本も演出もその場のやり取りのノリ優先で、全く統一しようという気配が無いのが凄い(笑))とストロンガーがぶつかり合い、ストロンガー、空中での伸身ひねりからパンチを浴びせる「ウルトラパンチ」を披露。
たまらず車で逃走したクワガタをバイクで追うストロンガーだが、そこへシャドウが部下のサポートにやってきて再び戦闘に。ここから、クワガタが3体ぐらい居るのではないかという勢いで怪人の出入りが激しくなり、かなり雑な展開(^^;
甲虫らしさをアーマーで表現し、両腕がそのまま巨大な1対のハサミになっているという、クワガタ奇械人がそれなりに見栄えするデザインだったので、戦闘の映像そのものは悪くなかったですが。
また、戦闘員に囲まれた藤兵衛がやけになって電波投げ!をすると何故か戦闘員が吹っ飛び、首をひねっていると、背後にタックルが、というのは、状況としてはギャグをやっている場合ではないのですが、演出としては面白かったです(笑)
娘と共に黒木博士を救出するストロンガーだが、シャドウは博士すら囮に使って基地を爆破し、ストロンガーを亡き者にしようとする。ストロンガーはなんか雑な装置で電ショックを無効化され、脱出できないまま基地が大爆発するが、特に何の説明もないまま復帰すると、襲い来るクワガタ奇械人を蹴散らすのであった。
一応脱出サスペンスで盛り上げておいて、脱出のくだりは本当に一切説明が無いというのは、さすがに酷い(^^;
ブラックサタンが小型の重力制御装置の開発に成功(ただし大型化には博士の協力が必要)を見せた上で、シャドウが俺が狙うのはストロンガーの命だけだから博士とかどうでもいい、とまとめて爆殺しようとするのは、話が破綻しているのか、意図的な伏線なのかは、判断の付きかねる所です(^^; もともと外部の人間であるシャドウが、意識してブラックサタンの強大化を邪魔しているようにも取れますが、さて。
ところでシャドウといえば、胸につけている黒い布地のGマークが、遠目に黒猫のワッペンに見えて困っています。細かいお洒落ポイントに気を遣う、奇術の剣士・キュアゼネラル!
◆第16話「吸血ブブンガー 悪魔のプレゼント!」◆ (監督:山崎大助 脚本:松岡清治)
「オリエンテーリングとは、地図と、磁石だけを頼りに、定められたチェックポイントを通過して、目的地にゴールインするスポーツである」
たぶん夏休みだから、謎の少年ヒロシくんとオリエンテーリングに参加していたユリ子と藤兵衛は何故かブラックサタンの襲撃を受けて右往左往していた所、別行動で海岸を走り回っていた茂と遭遇。
奇械人ブブンガーにさらわれそうになったヒロシ少年を助け、「坊やの為にオリエンテーリングを続けてくれ」と力強くエールを送る茂。
怪人をやっつけようと吹き上がる少年をたしなめ、「オリエンテーリングを続けなさいって言われたでしょ」と凄むユリ子。
その言葉に、「そうか……よし、続けよう!」と重々しく頷く藤兵衛。
……いったい何が起こっているのでしょうか(笑)
奇械人を茂に任せ、へとへとになりながらもゴールインした3人は参加賞を受け取るが、それこそがブラックサタンの恐るべき罠であった! その夜、参加賞を受け取った子供達の枕元にブブンガーが現れると次々とその血を吸い、4人の子供達はふらふらとホテルを出て行ってしまう。
「おまえ達は俺と同じ、ブブンガーになるのだ」
どうやら子供を怪人化して、抵抗できないストロンガーを抹殺する作戦だったようですが、途中でストロンガーに踏み込まれてしまい失敗。前半ヒロシ少年をさらおうとしたのは、少年に何か秘密があるわけではなく、純粋な尺稼ぎだった模様(^^; 豪快です。
子供達を救い出してブブンガーと戦うストロンガーだが、そこへタックルと藤兵衛を人質に取ったキュアゼネラルが、今日も海の男ポーズをキめながら登場。てっきり<独自の美学>で組織の作戦を台無しにするタイプかと思われたシャドウですが、美学の適用範囲が猫の額ほどで素敵です(笑)
無抵抗でブブンガーの針に刺されるストロンガーだったが、突然の「エレクトロ・ファイヤー!」で反撃。
……あまりの事に思考停止してしまったのか、人質に手を出そうともせず、戦況を呆然と見つめていたシャドウは撤退。取り残されたブブンガーは、電キックを受けて海の藻屑と散るのであった。
「大首領。残念ながら、ブブンガー作戦は失敗しました」
「ゼネラル・シャドウ。気を落とすでは無い。次なるライダー抹殺作戦は、既に立ててある」
「ライダー抹殺作戦」
「そうだ。これこそストロンガーを恐怖の底に叩き込む作戦なのだ。楽しみに待つが良い」
今回の作戦立てたの、あんた(大首領)かぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
ブブンガーが最初から最後まで何をしたいのかわからなかった事に、深く納得です。
ナレーション「ストロンガーを倒す為にと、大幹部になった恐るべきゼネラル・シャドウ。その胸には、更に次なる恐怖の対策が秘められている。負けるな、仮面ライダーストロンガー!」
いや今回、シャドウは多分、何も作戦に噛んでいなかったような……。
次回――炎の紳士・キュアタイタン、まさかの復活?! 予告に凄いカットがあったので、とりあえずそこに期待(笑)