◆Volume25「進め凸凹探偵団」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
まさかの、OP乗っ取り!(笑)
かくして歴史は繰り返すのか……まあ、ビッグワンの時ほど酷くはないのですが、そういえば、なんたる因果か、『ジャッカー電撃隊』にビッグワンが初登場したのも第23話……そして黄金超人の使用武器が「グラビトン」(大鉄人17の必殺兵器と同一の名称)というこれは、1977年からの復讐なのか……?!
プラチナムの侵食により、女性の手がエイリアンのそれに変わる、という映像が無くなってしまったので、もう久子さん(仮)の再登場の目は完全に無いのでしょうか……なんだかんだ六角(仮)がほぼレギュラー化しているだけに、とても複雑な気分になります。
本編の見所は、ショッキングピンクのシャツを着こなすショウ……じゃなかった、スワット3号(たぶん竹内康博)のスーツアクション祭。
飛び回し蹴りとかバック宙回避とかエイリアン軍団相手に大立ち回りを見せてくれますが、シグがスペースマーシャルアーツで本気出す程、序盤は何していたのか感が募って困ります(^^;
アクション面では更に、六角の相棒として出てきた女エイリアンが凄い勢いでプロレス技を繰り出してスワット1号と3号を投げ飛ばしていくのですが、キャストは本物の女子プロレスラーとかなのかなぁ。
スペースマフィアが人類を支配する為の恐怖電波発生装置を制作中にその電波が外部に漏れてしまい、怪電波をキャッチしたブルースワットは発信源を調査に来るが、街では子供達の蒸発事件が発生していた。実は強化途中で外に漏れた恐怖電波が感受性の強い子供にだけ影響を与えてしまい、エイリアンは証拠隠滅の為にその子供達をさらって余計に事態を悪化させていたのである。
謎の電波に気付いた天才少年・その親友である男勝りの少女・同じく親友である腕っ節の強い野球少年、の3人組と出会ったブルースワットは蒸発事件を知り電波の発信源を突き止めるが、友達を助けようとする3人組が現場にやってきてしまい、ドタバタしながらエイリアンの陰謀に立ち向かう羽目に……。
「恐怖電波」という言霊から迸る、物凄いSRI臭……!(『怪奇大作戦』)
毎回、地球を支配しようとするスペースマフィアの珍発明を嗅ぎつけたブルースワットがその完成を阻もうとする、という展開になったら、それはそれで面白いかもしれません(笑)
ショウとサラが完成した恐怖電波を浴びて戦闘不能になってしまい、その治療法をセイジが閃く、という形で物語の中でセイジにスポットを当てたのは扇澤さんらしい所ですが、天才少年がいちいちセイジと全く同じ解決方法に辿り着くというのは、凄く毒っぽくて、これまた実に扇澤さんらしい(^^;
よくある露骨なテコ入れで子供ゲストと絡むのですが、一応秘密主義のブルースワットと子供ゲストの相性が当然のように悪く、また、ただでさえ画面に収まりの悪い5人に一気に子供を3人足してしまった為、実に混沌として間の抜けた映像が続く事に。
多少のリアリティを犠牲にしても、戦隊シリーズがメイン5人の服装の色分け(或いは統一感)に気を遣って画面を作っているのかがよくわかります。今作のちょっと年齢の高いお洒落衣装路線そのものは好きなのですが、それによる絵作りと現状の路線が明らかに噛み合わなくなってしまっています(^^;
それから、恐怖電波発生装置を作っていた博士が「用無しになれば、このざまだ……」と倒れていたのですが、憑依されていたわけではなかったようで、さらっと、エイリアンに協力する地球人が居る、という形に路線変更するのか。
シグの大活躍もあってセイジ達は恐怖電波の無効化に成功し、現場に駆けつけるスワット1号と2号。
「甦ってきたぜ、恐怖のどん底からな! 強くて格好いいこの俺を、よくも無様にびびらしてくれたな! てめえら、絶対に許さねぇ! 許さねぇ、絶対に許さねぇ!」
登場3回目にして、ショウの私怨に反応して、黄金超人プラチナム、光臨。
よろしくない意味で、脚本と演出の悪意しか感じないのですが。
俺の名前は引導代わり、迷わず地獄にグラビトーンでエイリアン軍団は一掃され、六角と女子プロは逃げ出すが、ブルースワットは恐怖電波装置の破壊には成功するのであった。子供達の恐怖状態も解消され、最後は少年達の活躍のご褒美にと、ショウ&セイジお手製の車の玩具をプレゼントして、いい話風にしてまとめ。
個人的に気になっていたブルースワットの新しい隠れ家ですが、ショウとサラが恐怖状態になった時に退却した場所を見るに、どこかの廃墟に篭もっている模様……前年『ジャンパーソン』第24話で土門廣さん演じたゲストキャラ・モドキと名無しの女が隠れていた廃墟に似ている気がするけど、気のせいかなぁ。
◆Volume26「真説・浦島太郎」◆ (監督:小西通雄 脚本:鷺山京子)
夏だ! 海だ! 水着回だ!
……そういえば《メタルヒーロー》シリーズで水着回って、『機動刑事ジバン』(1989)以来でしょうか。
前回の事件後、ブルースワットのサポーター(セイジとスミレと同格)扱いとなったらしい子供3人組が、旅行先の勝浦でエイリアンに追われる老人と遭遇。夏休みキャンペーン中だからか、もうそういう方向性で行くのか、「ブルースワットに、連絡しよう」という衝撃の展開。
一方、街では猛毒を持った宇宙生物ダルが人間を襲い、ブルースワットはその発生源が勝浦であると突き止める。実は、記憶のハッキリしない老人は海洋学者の浦野で、宇宙生物ダルが地球環境に適応できるようになる改造実験に協力、エイリアンは品種改良に成功したダルをばらまく事で、人類を半減しようとしていたのである!
エイリアンの攻撃を受けて何故か老化していた浦野博士は、エイリアンに騙された被害者かと思ったら、2年前に不祥事を起こして研究所を解雇された後に消息不明となり、女子プロエイリアンに転がされて研究設備を餌に、エイリアンの正体こそ知らないものの怪しい実験に協力していたという、筋金入りの駄目人間。
老化と記憶の混濁で浦島太郎のつもりになり、竜宮城(エイリアンのアジト)で乙姫様(女子プロエイリアン)に、何でも願いを聞いて貰っていた、と言うのですが、「何でも願い」って、湯水の如く金を使った好き勝手な研究、の事という(笑)
一応最後に、命がけで解毒剤に必要なデータの回収に向かう事で、フィクション上の帳尻合わせはしますが(^^;
急速に、地球人類に、ダメな人が増えていきます!
見所は、ようやく投入されたアクション向けの挿入歌をバックに、ドロップキックから投げ落としのブレーンバスターなどを次々と炸裂させる、女子プロエイリアン。
……挿入歌初使用で、目立つのはそちら側でいいのか(^^;
ボディアーマーはともかく、あのヘルメットをつけたブルースワット相手に、砂浜でバックブリーカーやパワーボムを決めるお互いの信頼関係はまさにプロの技で、見応え有りますが。
そしてドライにプロフェッショナルなブルースワットは、見た目女性でも容赦なく3人がかりで組み付くと、持ち上げて投げ飛ばすのであった(笑)
……その肉体は一般人の被害者の筈ですが、今作はこの辺りの面倒くさい設定を、面倒くさいから、と露骨に投げ捨ててしまっているのが、どうしても評価しにくい所です。
エイリアン軍団が海中から大挙登場して砂浜で大バトルとなり、射撃戦主体を諦めて、比較的動きやすいと思われるスワットスーツで本気のアクション祭を始めると、そこは面白いので困ります(笑) ……囲まれて大ピンチの所にセイジとスミレが助けに来てレーザーで一掃、という展開で台無しですけど。
ダルのデータがあれば浦野が解毒剤を作成可能だという事で竜宮城へ突入しようとするブルースワットだが、その前に女子プロエイリアンとその配下が立ちふさがり、またも大ピンチに。
「やられてたまるか! 子供達を助けるんだ! やられてたまるか! 許さねえ! ……貴様等絶対に、許さねぇ!」
今回は子供の為に怒ってはいるのですが、どちらにせよ、許さない本人が変身するわけでも何でもなく、次元の彼方から銀河的黄金バットがやってくるという展開なのでひたすら漂う、どうしようこれ感。
さすがに2回続けてグラビトン成敗!だとどうかと思ったのか、黄金上様は女子プロ正体の武器破壊に留め、動揺したエイリアン軍団をブルースワットが射撃で殲滅していくのですが、ただでさえ曖昧なブルースワットの武装の攻撃力はますます適当になり、やっている事は虎の威を借る狐なので、画面全体から寂寥感が漂います。
そして女子プロエイリアン・ヤニミもあえなく爆死。……あれ、むしろ、六角とかより存在感あったのに(^^;
ダルのデータは、裏口から潜入した浦野がバックアップを回収し、ブルースワットの活躍で爆発するアジトからの脱出に成功。
前半にある、
「逃げられた?! いつ? どこで?」
「奴め、いつの間にか、秘密通路を見つけていたらしく」
という頭の悪い会話が、「岬の裏に回って下さい。換気口があるんです。私はそこから脱出したんです」という伏線に繋がるのですが、浦野の回想シーンだと、用済みになって始末されそうになり逃げ回っていたら海に落ちているので、物凄く意味不明な事に(^^; ……まあもはや、そういう所を気にする作品では無くなりつつありますが。
かくして浦野の作った解毒剤によりダルに噛みつかれた人々は無事に回復し、折角なので子供達と海で遊んでいくブルースワット。何故か老化していた浦野は何故か元に戻り、人生やり直す事にしました、でオチ。
今回やたらと、35歳の浦野について、「若い」「まだ若い」「実は若い」が繰り返されるのですが、誰か、嫌な事でもあったのでしょうか……(笑)
なんかこう、一回底を突き抜けたので、こういう作品だと思えばこれはこれで見られるような気もしてくる、ゴールド上様登場後の2エピソード。上様召喚に関しては作劇としては酷いとは思いますが、そもそも『ブルースワット』的な戦闘をあまり面白いと思っていなかったので(隠密戦闘の描写としては低レベルですし)、ブルースワットがよくわからなく逆転するよりも、正直、むしろ説得力が上がって安心感はあります(笑)
このまま、“こういう作品”としてクオリティが上がっていけば楽しみようも出てきそうな気もしますが、どうかなぁ……。