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『仮面ライダーストロンガー』感想18

◆第25話「死ぬな!! 電気椅子の城茂」◆ (監督:山崎大助 脚本:鈴木生朗)
ブラックサタンの新たな最高幹部デッドライオンが登場し、しれっと向かい合って会話しているシャドウの面の皮が毎度の事ながら超合金。
前回からやたら「直系」「直系」と強調されるのが引っかかっていたのですが、あれか、ブラックサタンって、「○○会系○○組」みたいな組織形態なのか。
そんな直系幹部のデッドライオンは、組織で大首領に最も信頼されている者の証、素敵なサタンのペンダントを自慢してシャドウと揉め、凄く乙女です。
「きーっ! 悔しい! 私の事は遊びだったのね!!」と、二股かけているのかと思ったら別の本命が居たという怒りを嫉妬の刃に載せてライオンに向けるシャドウだが、そこに奇械人アルマジロが乱入して逃走。アルマジロは甲羅の模様がステンドグラス風、腹の側はゴムっぽい質感の真緑という、一風変わったデザイン。
今回は那須ビューホテルに居た藤兵衛と由利子は、不審な火山活動を探りに向かった茂を追いかけて山へ向かうが、アルマジロの襲撃を受ける。茂が出てきてアルマジロを退けるが、慌ててロープウェーで逃げ出したユリ子と藤兵衛は、ロープウェーの支柱の上という凄まじい場所に立つデッドライオンに捕らえられてしまうのだった。
これ、よく、撮影許可して貰えたなぁ……(^^;
ホテルに戻った茂は、2人に会いたければ所定の場所に来い、というブラックサタンからのメッセージを受け取り、
(ブラックサタンの招待状。奴等の本拠地に乗り込む、願ってもないチャンスかもしれんぞ……よーし)
ユリ子と藤兵衛が人質になりすぎて、茂の中の興味ゲージが0に近づいています。
リゾートホテルもの恒例のショー見物の後、ステージに暗闇が降りると囚われのユリ子と藤兵衛が姿を見せ、虚を突かれた茂は鋼鉄の椅子に拘束されると、そのままアジトへと連れ込まれてデッドライオンとご対面。
サブタイトルから、頭の悪すぎる最高幹部が、茂を電気椅子で処刑しようとして叩きのめされるのかと思ってドキドキしたのですが、茂が拘束されたのは電気椅子電気椅子でも、電気吸収椅子だった! という衝撃の展開。
このままでは全ての電気エネルギーを吸い尽くされて戦闘員以下の雑魚改造人間になってしまう……必死に窮地を打開しようとする茂は、室内を見回してある物に気付く――それは、最高幹部として初のストロンガー戦に胸躍らせるデッドライオン(乙女)が、部下達の気持ちを明るくしようと処刑部屋に飾った花瓶と花だった!
茂の目配せに気付いた藤兵衛とユリ子が花瓶をひっくり返した事で電気吸収椅子の配線がショートし、電気エネルギーを回復した茂はストロンガーに変身して反撃スタート。戦いの中で、偶然、大事なサタンのペンダントを掴み取ってしまう(笑)
「緊急事態発生! シャドウが反乱を起こした。最高幹部は、ただちに大首領の元に、出頭せよ」
そしてそんなタイミングで、ペンダントから通信を送ってしまう大首領、もはや宇宙の法則のごとき裏目
慌ててペンダントを取り戻そうとするライオンだがストロンガーはそれを阻止し、無情に響き渡るせっつく声。
「繰り返す。最高幹部は、直ちに大首領の元へ出頭せよ」
大首領、お願いだからもうやめてぇぇぇ(涙)
とうとうライオンはペンダントを取り戻すのを諦めて本部へ戻り、アルマジロは電キックで適当に処理。ペンダントの中に組織の最高機密が隠されている事を知らされたライオンはその奪還を厳命され、反乱を起こしたとされるシャドウは何故か、ストロンガーと大首領の激突を狙っていた……。
如何にも繋ぎのエピソードといった内容でテンポも悪く、今ひとつの出来。結局無視された火山活動は何をするつもりだったのか気になりますが、最近、ブラックサタン、何の作戦も実行できていないような(笑)
次回――大首領の正体、よりもストロンガーがずっとペンダントぶら下げて戦っているのが気になります。果たして、愛の争奪戦の行方や如何に?!


◆第26話「見た!! 大首領の正体!!」◆ (監督:山崎大助 脚本:鈴木生朗)
あ、引き続き、火山が映った……のはいいのですが、ここに来て、150%支離滅裂で呆然とするエピソード。
「あのペンダントには、ブラックサタンの最高機密が隠されている。一刻も早く取り返さぬと、ブラックサタンが危ない」
そんな物を奇械人に預けるという選択肢が、既に裏目の大首領の命を受け、遠隔ハンドでこっそりペンダントを奪い返そうとするライオンだが、茂に気付かれてしまい、戦闘員を交えた戦いに。段々、藤兵衛とユリ子(タックル)の連携が形になってきているのが笑えます。茂とタックルの連携率が上がらないのは涙が出ます。
ライオンと戦闘員を振り切った茂達の前に巨大スペードのKが立ちふさがり、「シャドウ!」と警戒しながら後ろに下がると、そこに背中を向けて決めポーズで現れるシャドウ(笑)
下手すると後頭部に思いっきり電パンチされる所でしたが、体を張ったギャグが成功して深く満足したシャドウは、ペンダントはブラックサタンの謎を解く鍵だと告げて姿を消す。憎きブラックサタンを追い詰めるべく、再びライオンのアジト(どうやら、火山の地下らしい)に向かった茂達は、再生奇械人軍団に襲われて外へ。蹴散らすとその場には何故か一匹のサタン虫だけが残るが、そこへライオンが姿を見せる。
ストロンガーは新技エレクトロキック(エレクトロファイヤーと同じモーションで、遠距離攻撃だと思って飛び込んできた敵にカウンター気味に浴びせるトリック技)でライオンを撃退するが、アジトへ入るとまたライオン。
奇械人が適当に出たり逃げたりするのはいつもの事ではありますが、それにしても今回は酷すぎます(^^; ひたすら移動と戦闘を繰り返しているだけなので面白みも薄いですし、その上で藤兵衛のギャグシーンでやたら尺を使ったり、一応ブラックサタンとの最終決戦の筈なのに、ぐっちゃぐっちゃ。
アジト内部で取っ組み合いの末ライオンが強引にペンダントを基地のシンボルにはめると、画面がぐにゃりと歪み、ライオンは姿を消し、ストロンガーは何もない空間に攻撃を繰り返すという謎の演出。バリアで閉じ込められ、変身の解けてしまった茂が、ペンダントが発する光に気付いてそれを謎めいた機械にかざすと、いきなり外へ。
茂に「だが、この放射線に俺の体が耐えられるかどうか……」という台詞があるのですが話の前後が全く繋がっておらず、どうも大事な所が色々カットされているような気がするのですが、その割には露骨な尺稼ぎを感じるレベルで延々と戦闘が繰り返され、ひねった首が戻りません(^^;
山崎監督といえば第11話(脚本:伊上勝)が大事故だったものの、その後は今作基準ではそこまで破滅的なものは撮っていないのですが、今回は映像も物語も全てが混沌。脚本の内容があまりに無くて演出で誤魔化している内にあらぬ方向へ行ってしまった感じもありますが、説明不足の所を幻惑して逃げたら、物凄くスッキリしない出来上がりになってしまいました。
茂は戦闘員に囲まれ、ライオン、まさかの被り物投げ。
しかし、一発芸なのに出会い頭に使って跳ね返される、という非常に駄目な使い方(笑) それは、最後の、切り札でしょう!
本日3度目ぐらいの変身をしたストロンガーは、デッドライオンのリモコンハンドを追って洞穴の中へと入り込み、ペンダントを持つと壁をすり抜け、遂に大首領の元へと辿り着く。
「はははははは! 私は幻にすぎん。幻を掴めるかな?」
「これを受けてみろ!」
ペンダントを投げると、謎の機械装置に張り付いているサタン虫。
「サタン虫……? 大首領の正体はサタン虫だったのか」
ストロンガーがサタン虫をチョップで吹き飛ばすと、その背後にドクロの顔をした巨大なクモが姿を見せる。
「おのれストロンガー、よくも私の姿を見たな」
大首領の正体、それは巨大なサタン虫だったのだ……!
人間の胴体部分に大きなドクロの顔がついてその左右にクモの足が伸びている、という大首領はなかなかグロテスクでインパクトはあるのですが、どうしてもゴミ袋を被った人間に見えて凄く間抜け(^^;
奇械人や戦闘員をサタン虫で操っていたというブラックサタン大首領の、サタン虫による全世界の支配を止めるべく立ち向かうストロンガー。画面手前で、謎の機械装置が妙に強調されるのですが、意味はよくわかりません。
「いかん、神経がやられた……!」
とにかく今回、半分ぐらいの台詞に前後の脈絡がないのですが、既に過去形のストロンガーは何もない空間を攻撃し始め、その間に大首領クモは外へ。
「そうか、そうだったのか……奴等がもう、ここまで乗り込んできていたとは」
だが、別のアジトへ入り込んだ大首領は謎の呟きと共に再び外へ出た所で、回復したらしいストロンガーと遭遇。戦いは全く盛り上がらないまま、ストロンガーのフェイントに引っかかった大首領は、電パンチから電キックのコンボを受けて虚しく弾け飛ぶのであった。
大首領のダメージに連動してアジトの謎の機械装置がスパークし、最後は一緒に大爆発するのですが、本体だったのか何だったのか、劇中における取っかかりがあやふやすぎる為、妄想による解釈にも限界を感じます(^^;
とりあえず、最強の奇械人(夢想)がクモだったのは、大首領の身内贔屓だった事はわかりました(笑)
ストロンガーは高い所で勝利のポーズを決め、亡き友・沼田五郎に一切言及の無いまま、ブラックサタン壊滅を祝して乾杯する茂・ユリ子・藤兵衛。だが茂は、大首領の最後の様子に、言いしれぬ不安を覚えていた……。
そして――
「クーデターは見事に成功した。ブラックサタンの乗っ取りは終わった。これからいよいよ、我らがこの地球を支配するのだ」
白マント姿のシャドウの言葉に続き、謎の怪人達が、深い闇の中から姿を見せようとしていた…………………………あれ? ライオンは?
あまりに酷すぎてブラックサタンが壊滅したという事を受け入れにくいのですが、これ、3話ぐらい後に組織復活の儀式で茂の血を舐めた大首領が百本足大首領になって復活するパターンではないのか……?!
困惑を通り越して混乱してきたので、手元にある『仮面ライダーVS怪人軍団』(実業之日本社)という、初代〜『スーパー1』までのストーリーがそれなりに紹介されている児童書(だいぶ昔に友人にネタ的に貰ってそのまま未読だった)にどう書いてあるのか確認してみたのですが、


ストロンガーは、そのいきおいでデッドライオンをも電キックでたおした。
ええっ?!
混乱が増大(笑)
――次回、遂にその本性を現すゼネラル・シャドウと、ストロンガーの前に現れる新たな敵で急展開!