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『仮面ライダーストロンガー』感想19

◆第27話「改造魔人! デルザー軍団現る!!」◆ (監督:内田一作 脚本:鈴木生朗)
OPに、柴田秀勝市川治安原義人曽我町子、の名前が並ぶ豪華キャスティング。
ナレーション「闇の中から現れた、不気味な謎の一団があった。これこそ、ゼネラル・シャドウが、故郷である遠い魔の国から呼び寄せた、恐るべき改造魔人の仲間、デルザー軍団なのである」
前回ブラックサタンを支配下に収めた謎の軍団の正体は、冒頭ナレーションであっさり解説され、その背景は「遠い魔の国から来た改造魔人」とざっくりファンタジー
そして胸騒ぎを感じる茂は、不穏な気配を探っていた。
(大首領は死に際に、自分よりもっと恐ろしい奴らがやってくると言っていた)
…………言ったっけ……?(^^;
後のシーンで、ユリ子にも、
「茂は、大首領の最後の言葉をとっても気にしてたわ。この俺を倒しても、もっと恐ろしい奴等がついそこまで来てるって」
という台詞があるのですが、聞いた記憶が無いんですが(笑)
前回の第26話は、ここまでの今作でも屈指の謎編集回でしたが、そんな大事な台詞までカットされていたのか……?!(^^;
怪しい一団を追っていた茂は、(物音はドアの中へ消えた……)と思いっきりドアに体当たりを入れると崖に直通で、物凄い勢いで壁面に叩きつけられながら落下し、脱力状態で川流れと、いきなり面白い事に……だがそれは、恐るべきデルザー軍団による、主人公を主人公と思わぬ暴虐の、始まりに過ぎなかったのだ……!
その頃、まんまとブラックサタンの地盤を奪い取ったデルザー軍団は、今後の方針を協議する為に集まっていた。デルザー軍団は、幹部−怪人ではなく、それぞれが一騎当千(多分)の強者揃い、という構成。「俺たちをなんだと思っておる。遠い昔、さんざん人間どもを震え上がらせた、魔人の子孫だぞ」との事ですが、魔人そのものではなく「子孫」という辺りに、一抹の不安が漂います。
ブラックサタン乗っ取りを成功させたシャドウの功績を評価しつつも、さっそく始まる身内の主導権争い。……率直に、ブラックサタンを踏み台にした程度で大きな顔をするな、という意見には素直に頷けて困ります(笑) ブラックサタンが最初から最後まであまりに低空飛行だった為、デルザー軍団も、強大な悪の組織を手のひらで転がしたより凶悪でずる賢い悪の集団、というより、残念すぎる悪の組織が瓦解しかけた所に現れた火事場泥棒、というイメージが(^^;
結局、シャドウの提案でストロンガーを倒した者がリーダーになる事となり、一番槍として出陣する鋼鉄参謀は、奴隷集めとストロンガーの誘き寄せ兼ねて工事現場を襲撃。
「遠い魔の国から、世界を征服する為にやってきたデルザー軍団の一人、鋼鉄参謀だ」
巨大な角が特徴的な兜に、上半身を重厚な金属鎧で固め、鉄球を振り回す怪力の持ち主である鋼鉄参謀は、デザインも声(市川治)も格好いい。今作における市川治は、どうしてもクラゲ奇械人のイメージが強烈なのですが、やっと格好いい役が(笑) また、上半身に比べて下半身はスッキリした黒タイツになっており、見た目に反して思わぬ所まで上がる綺麗なハイキックが素敵。重量感を表現する為か、歩く時に足下を映して、踏み出す度に砂地に足が沈む、という演出はもう一つ伝わりませんでしたが(^^;
工事現場へ向かったユリ子がピンチになるが、川流れ状態から復活した茂が登場。「バカめ! 貴様が変身する前に、こいつを殺してやる!」と別に男らしくは無かった鋼鉄参謀と生身で対峙する羽目になるが、背後から乱入した藤兵衛がユリ子を救出し、ストロンガーに変身。
……あれ、戦闘員、前より弱い?(笑)
と思ったら、タックルの「電波投げ!」を「電波返し!」であっさり無効化したので、藤兵衛が急速にレベルアップしているのかもしれません。或いは、いい加減前作で負った心の傷が癒えてきてかつての力を取り戻しつつあるのか。
鋼鉄と戦うストロンガーだが、改造魔人軍団の電気パワー逆流体質により電キックを跳ね返され、「鋼鉄参謀、改めて会おう!」と、戦術的撤退。思わず「ああ、うん」と頷いてしまいそうな明るく潔い逃げ方が、凄く茂らしい(笑)
デルザー軍団というのは恐るべき奴等だ。とてもブラックサタンの比ではない」
「お褒めにあずかって恐縮だな」
シャドウは茂に尻尾を巻いて手を引いたらどうかと告げるが、もちろん茂はそれを拒否。
「人間が貴様達の奴隷にされるのを黙って見ているわけにはいかん。俺に命のある限り、どこまでも貴様達と戦うぞ!」
一応ブラックサタンへの復讐は終了しているので、ここで改めて、茂にヒーローとしての宣言をさせたのは良かった所。
ストロンガーはシャドウの分身攻撃に苦しめられ、更に鋼鉄参謀が登場。アース作戦で電気エネルギーを拡散されてしまったストロンガーは、鉄球攻撃を受けて本日2度目の崖落ちで変身解除、という衝撃の完敗。だが、配下のイーグル戦闘員に戦況を監視させていた荒わし師団長がそこに現れると、茂の身柄をかっさらって飛んでいく……と、いきなりの身内同士の醜い足の引っ張り合いで次回へつづく。
新組織登場編という事で、前半鬼畜の限りを尽くしていたストロンガーが、立て続けに酷い目に遭う新展開。ブラックサタンがあまりに残念だったのと、シャドウがあまりに適当なので、デルザー軍団は恐るべき強敵、というインパクトがもう一つ弱いですが(シャドウさえ、デルザー軍団では使いっ走りに過ぎなかった、ぐらいまでやっても良かったのでは)、うまく転がってくれる事に期待したい。
鋼鉄の配下はチェーン攻撃を得意とし、荒鷲の配下は飛行能力を持っている、と戦闘員が上司で色分けされているのは面白い。


◆第28話「あ!ストロンガーがこなごなに、、、、、?!」◆ (監督:内田一作 脚本:鈴木生)
映像はともかく、OPナレーションが引き続きブラックサタンを壊滅させる気満々なのはさすがにどうかと思うのですが、果たして変わってくれるのか(^^;
網にひっかけられて荒鷲師団長に運搬される茂だったが、雷雲により電気エネルギーを回復して変身。反転キックで脱出に成功すると、着地した所で子供のキャンプを襲うデルザー軍団と遭遇し、再び鋼鉄参謀と対決する。頭脳プレイで鋼鉄を崖から蹴り落として前回の恨みを晴らすと、崖の上から高度をつけた電キックを放つが、やはり無効。
「鋼鉄参謀、いずれまた会おう!」
と、またもヒーロー逃走を繰り出すが、バイクにまたがった所で投網を投げつけられ、またも荒鷲に捕まると再び空へ。
……て、5分かけて冒頭に戻った(笑)
色々と酷い展開はありますが、これはさすがにあんまりだと思います(^^;
「力の強い者が勝つ。それが我ら、デルザー軍団の掟だからな」
荒鷲の横槍に対して抗議に来た鋼鉄を、相変わらず適当に煽るシャドウ(笑)
「お互いが手柄争いに必死になれば、それだけ早くライダーストロンガーが片付くというものだ。後の事は後の事……ふふふははははは」
まるっきり逆効果な上に、何も考えてない……(笑)
「さて、どっちがストロンガーを倒すかな。占ってみよう」
そして趣味へ。
シャドウはどうせ最終的には、「都合良く俺の競争相手を減らしたのだ」とか言い出しそうですが、基本、身内クラッシャーなので、デルザー軍団の先行きに暗雲が漂います(^^;
一方、荒鷲のアジトで絶縁体の網に囚われのストロンガーは、無駄にエネルギーを消耗してここ2回ですっかり間の抜けた感じになっていた。そこへ鋼鉄が実力行使でカチコミを仕掛け、網の中で体育座りしながら吊されるストロンガーを挟んで対峙する2人……という、まるでユリ子か藤兵衛のような扱いを受ける残酷な仕打ち。
荒鷲はあっさりとストロンガーを引き渡し、鋼鉄の大回転鉄球アタックでサブタイトル通りに粉々に砕かれてしまうストロンガーだったが、これは荒鷲の用意したダミーで、本物は別のアジトでくるくる回されていた。
まるでユリ子か藤(以下略)
改めて荒鷲に処刑されそうになったストロンガーだが、自ら滝の中に飛び込むと、絶縁体のネットに水を染み込ませる事で、「水中・電気・ビーム!」(うまく聞き取れず、ビームでは無い気はします)により脱出。茂を探すユリ子達が荒鷲軍団と遭遇してしまうが、そこに駆けつける。
「茂! 無事だったのね!」
「ああ。実は俺も一時は駄目かと思ったぐらいだ。デルザー軍団というのはブラックサタンとは比べものにならんほど恐るべき奴らだ」
もうそろそろ、ブラックサタンの事は許してあげて下さい。
やはり電パンチも電キックも通用しない荒鷲だったが、ストロンガー理論によって水の中に連れ込まれると、水中エレクトロファイヤーで大爆発。さすがに2話連続で主役に良い所なしはまずかったのでしょうが、割とあっさり最初の犠牲者となりました。
改造電気人間ストロンガーは、水の中でこそ最強なのだ!
そしてシャドウは、他人事で占いをしていた。
次回――デルザー軍団の更なる刺客、深紅の魔女ドクター・ケイト現る!