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『ブルースワット』感想29

◆Volume40「女王(クイーン)に罠を張れ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
第1話の爆発事件を追うルポライターの見城守は、出版社に記事を持ち込むも荒唐無稽だと相手にされない日々が続く中、ブルースワットとエイリアンの戦闘を目撃。
「見られちゃしょうがねえな」
「どうやら最初から説明する必要がありそうですね」
突然、やたらにフレンドリーなブルースワット
謝れ、命がけで園児達を救ったケン石神に謝れ!!
(ところで今更ですが、ケン石神って、あの光の戦士・デビッド秋葉の役者さんだったのですねー。見終わって数日後に不意に気付きました)
秘密の弾薬庫で補給を済ませたブルースワットは、アジトで見城にこれまでの経緯を説明する。
「探していたんです。実は我々も」
「取り上げてくるマスコミを」
………………えーそもそも、エイリアンとの戦いを信じて貰えるか貰えないかよりも、“社会のどこにエイリアンが食い込んでいるかわからないから、信頼を置けるチームだけで戦うしかない”という物語だったと思うのですが、物語をまとめていくと同時にコンセプトを根こそぎ上書きしに来るという、物凄い器用な展開(^^;
ここまでの設定を考えると、明らかに見城の命が危ないのですが、やらたにこやかに巻き込むブルースワットの面々は、度重なる戦闘のストレスで、遂に最後に残った人間性も捨て去ってしまったのか。
ブルースワットへの取材を元にした記事を持ち込む見城だが、やはり相手にされない。というか、写真ぐらいつけてこい、という最初の編集長が圧倒的に正しくて、エイリアンの情報操作の可能性を云々する遙か以前の段階で止まっています。……ブルースワットの指揮車は、エイリアンの画像データぐらい保存していないのか。
そんな中、貴重な弾薬庫が爆破されるという事件が発生。マフィアの人海戦術による攻撃は、ブルースワットの補給を絶とうという、ジスプの作戦だったのだ。マフィアからお馴染みの挑戦を受けてこれを撃退するブルースワットだが、その戦闘を写真に収めていた見城は攻撃を受けてフィルムを駄目にされてしまう。
戦闘を背後でアホみたいに棒立ちで見つめてる無力なメンバーがエイリアンに襲われる、というのは今作のタブーなのですが安易に行ってしまっており、とにかく、総じて、三ツ村監督と扇澤さんが冴えないのは、今作全体において辛い所の一つ。
戦闘後、わざとらしく弾薬補給をアビールしたブルースワットは、ジスプ配下の監視者を罠にはめ、射殺。
「鼠の方が賢かったようです」
「やはりな」
「そんな?!」
自信満々で同じ作戦を連続でやって裏をかかれるなど、すっかりぼんくら扱いのジスプですが、近衛船団は瞬殺されているし、この期に及んで呼び寄せる他の幹部が居るでもなし、スペースマフィアも悲しい組織です。
現場を立ち去るクイーン親衛隊を目撃したブルースワットは、マフィアのアジトを掴むべく、その後を尾行する……のですが、ここで尾行を思いつくなら、作戦成功したと思って浮かれているジスプの部下を何故あっさり射殺したのかとか、珍妙な衣装で自動車を運転して帰る親衛隊とか、何もかも雑(^^;
ショウは尾行中の車の中、弱気になる見城を励まし、これまでの戦いをいい話風にまとめる。
「諦めたら負けだぜ、見城さん」
これまで諦めずに戦ってきたからプラチナムに電波が届いて今がある、と綺麗に解釈できる事はできるのですが、なにぶん、瀬戸際になったらビッグな存在が助けてくれるというのが物語の基本構造になってしまっている現在、「諦めずに頑張ればその内でっかいパトロンがついてくれるぜ、見城さん」みたいなエールになってしまっており、ヒーローとしてはさっぱり締まりません(^^;
(なお各メンバーの回想シーンが、お父さん登場前の前半に偏っているのは、監督としても色々思う所があったのかなぁとは思ってしまう所)
親衛隊を追ってアジトへ乗り込むブルースワットだが、それはクイーンの罠で、基地に仕掛けた時限爆弾が大爆発……という、サブタイトルと真逆の展開(^^;
クイーンを罠にかけようとしたらかけ返された、ならまだわかるのですが、ブルースワットクイーンを罠にかけようとしていないので、単なる嘘サブタイトルになってしまっており、どうしてこうなった。
「誰が……誰が敗北なんかするかぁっ!」
追い詰められたブルースワット3人が拳を握って立ち上がるのは悪くないのですが、例の如く例のように金色お父さんがやってくるので、何もかも台無しに。
せめてスワット2と3が刃物再びで独自アクションでも見せてくれれば良いのですがそんな事はなく、適当に光線銃を撃つだけ。シルバニアが大暴れしている所にプラチナムが参戦し、合体攻撃を浴びせるとクイーンは撤退。改めてその戦いの光景を激写した見城は、諦めずにそのフィルムを必ず公開してみせると誓うのだった。
前回今回と、最終決戦を前にこれまでの劇中要素を拾って物語をまとめようとしている感じはあり、その姿勢は買いたいのですが、拾う度に自分たちで設置した地雷が爆発して荒野だけが広がっていくという、ロンリーバトルはインフェルノ。もう人間性なんていらない。