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『ブルースワット』感想30

◆Volume41「襲来!!殺人昆虫」◆ (監督:蓑輪雅夫 脚本:中野睦)
見所は、ショウのこぼした涙で生死の淵から甦るシグ。
えーーーーーーー
えーーーーーーー
えーーーーーーー
仲間の絆と男の友情で甦る、というのはまだいいとして、どうしてその「奇跡」演出を重ねたのか(^^;
まあ、第9話(監督:小西通雄 脚本:曽田博久)でもサラの抱擁と涙でショウがチャーム状態から正気に戻ったので、地球人類の涙はエイリアンやその特殊能力に対して何か特殊な作用を及ぼすのかもしれませんが。
根本的な所では、第9話の時もどうかと思いましたが、涙をこぼして……演出自体、相当の積み重ねがあった上で1作品に1回、許されるか許されないか、ぐらいの演出だとは思うのですけれども。
買い出し中、スペース殺人昆虫ブラバムを目撃したシグはエイリアンの襲撃を受け、歩道橋上の戦いで、スーツから解放された中の人(ロングの俯瞰で撮っているので恐らく吹き替え)が
連続バック転の回転途中で背後のエイリアンの胴体を足で挟んで前方に投げる
とか
飛び回し蹴り気味のジャンプで右側のエイリアンに下半身を絡めると同時に上半身を左側のエイリアンに絡め、そのまま前方に倒れ込むようにして巻き込み投げを放ち、着地直後に自身は回転して後方回避
とか、凄まじいアクションを披露(勿論、着ぐるみで合わせている人達も凄い)。
ブラバムの猛毒針を受けてしまったシグは、広瀬を助ける為に肉体から抜け出そうとし、ブルースワットは傷口から“赤い血”を流すシグが意識不明で倒れているのを発見する……。
クイーンの計画は、宿主に寄生して成虫となるブラバムを用いて地球人を全滅させつつ、マフィアの労働力には人型の成体となったブラバムを用いるというもので、もう無血占領とかどうでもいい、と公式に宣言。
ショウとサラはインヴェードを解いた筈のシグを探すが見つからず、セイジの解毒剤作成も手詰まりになる中、病院の広瀬ボディをエイリアンが襲撃。間一髪間に合ったスワット1と2を広瀬のボディから放たれたスペーススパークが助け、実はシグは広瀬ボディに隠れていた事が判明。ショウの懸命の救命処置と呼びかけにシグは意識を取り戻し、その指示でマザーブラバムの念波キャッチ装置を作成したブルースワットは、ブラバム虫を操るマザーブラバムを強襲。
頭数が足りずにマザーと警護のエイリアン部隊に苦戦するブルースワットだが、スワット1が毒針に追い詰められたその時、とうとう、怒りの電波抜きでお父さんが仕送りに登場。
毎度「絶対許さねぇ!」に持ち込むのも間抜けは間抜けでしたが、そのプロセスを完全に省いてしまう事で、遂に茶番劇すら成立しなくなりました(^^;
もうこれなら、前半にショウがシグを助ける打つ手無しで焦っている時に、その憤りに応えてプラチナム降臨していた方がマシだったのでは。
お父さんとブルースワットブラバムとエイリアン軍団を撃破し、ブラバムの牙から作った解毒剤で、シグや寄生された人々も回復。そして、実は広瀬の体から抜け出そうとしたが抜け出せないまま意識不明に陥っていたシグは、赤い血の話を聞いて衝撃を受けるのであった。
(私の体に、何か異変が起きているのか……?)
クライマックスへ向けて今作では珍しい形で伏線が引かれ、シグがそれを自分の胸に納めたまま、次回へつづく。……シグが隠し事をすると大概ろくな事にならないのですが、大丈夫か?!
脚本家が久々に参加(第18話以来2本目)の影響か、ショウがやたらにリーダーめいて高圧的に主導権を握り、それに従うサラがまるで部下のように描かれていたのが、凄く違和感。
シグの別行動から話を始め、本物のシグはどこに消えた? というミステリ要素を交えた展開は今作にしては面白かったのですが、結局、シグとプラチナムの知識で解決してしまい、地球人類の努力が大勢にあまり影響しないのが残念。そこで、セイジが天才だから、で解毒剤を作られるのも困りますが、ブラバムの生態からマザーの存在を推測し、その細胞があれば分析して……ぐらいの事をサラとセイジが思いつく程度の役割分担はしても良かったのではと思います(^^; 今作、チームプレイを強調する割にはとにかく役割分担のバランスが悪いので、物語としてテーマに繋がる積み重ねが機能していないのが、ひたすら困った所(そしてお父さんで崩壊)。