◆第13話「山頂の目撃者」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)
今頃気付いた重大事項:アザルドは半ズボン。
今回も頼りないプレイヤーのサポートの為に地上出張するし、割といい上司です。
さて前回の予告から注目の集まったレオの守備範囲ですが、
「ニンゲンの女の子も可愛いよな〜」
凄く普通に、ニンゲンの女子もいけました。
あれか、ライトなファンタジー的に言うと、エルフや、猫耳はえた種族ぐらいならOK、みたいな感じなのか。
……まあ、ジューマン基準で見た場合レオがアブノーマルな可能性もありますが、タスクの「レオは女好きだから」の際の吐き捨てるような言い方を考えると、ほじくり返さない方がいい闇がわだかまっているのかもしれません。
この問題に関しては、心の平穏の為にここで検討を打ち切りたいと思います。
鳥を見た! じゃなかった、鳥男を見た、という情報提供者・五十嵐百合が大和の家を訪れ、面々はその案内で斧岩山へ。ところが百合を一目で気に入り、大和に対抗心を燃やしたレオが百合を背負って暴走した挙げ句、山中に仕掛けられていたトラップに引っかかって2人まとめて逆さ吊りになってしまう。
なんたる偶然か、斧岩山はチーム・アザルドの送り込んだ登山家怪人が地脈エネルギーを吸い取っている真っ最中であり、そこへ人を近づけさせない為、アザルドが配置したブービートラップだらけの死の山と化していたのである。
という、ラブコメかと思っていたら、この辺りでみんな一度吊られてみようか回。正確には約2名回避しましたが、その分、ゲストキャラが吊られました。
なお、登山家怪人の声は、『GO!プリンセスプリキュア』で1年間ゼツボーグを担当していた中務貴幸。またご本人のTwitterによると、柴田プロデューサーの紹介で、同作の田中裕太監督が撮影現場を見学に来ていたとの事。『GO!プリンセスプリキュア』は、ヒーロー史に残したいレベルの完璧な「変身」シーンを見せてくれた傑作なので、お薦めです。
レオと百合は追いかけてきた大和によって助け出されるが、大和を頼りにする百合の様子を見てますます意地になるレオ。
「ま、おまえが来なくても、俺が何とかしたけどな」
「そもそもレオが無茶するからでしょ」
「あん? 俺のせいだってのか」
「わっかんないけど……もっと百合ちゃんの事考えろって」
……爽やかな外見の裏側に鬼畜の本性が時々垣間見える大和くんが、そろそろ、マジギレして背中のリュックから首輪取り出しそうで怖いんですが。
そこに正規ルートを進んでいた3人からデスガリアンと遭遇した連絡がもたらされ、大和がキレる前に自ら反省したレオは、百合の下山を大和に任せ、独り山頂へと突撃。あらゆるトラップを突っ切って駆け抜け登山家怪人に挑むも、崖から叩き落とされてしまう。
「なんも出来ねぇな俺……頼む大和、デスガリアンを止めてくれ!」
百合を麓まで送り届け、追いついてきた大和に、レオは渾身の土下座。
「百合の事も、百合が好きだってこの山も……俺じゃ守ってやれねぇ! 俺バカだし、単純だからよ……でもお前なら、お前ならきっと。頼む!」
これ前作なら、「よっしゃ、俺に任せろ!」って天晴さんが1人で解決するパターンだなーとドキドキしましたが、
「…………あのさ、なんで俺がここまで、無傷でやってこれたと思う? レオが先に、全部罠にかかってくれたからだよ」
言い回しが凄く微妙なのですが、やっぱり本当は怒ってますか。
「なにも出来なくなんかない」
「大和……」
「俺かおまえ、どっちかじゃなくて、俺とおまえ、2人で守ればいいだろ」
自ら穴にダイブしていくレオを、大和が引っ張り上げるというのは、第11話でジュウオウジャーが一つの群れになった先で、今作におけるレッド像、というのを意識的に描いたのかなと思われます(ちょっぴりS)。
ライオンが囮になって怪人に挑んでいる間に、イーグルで回り込んだ赤がゴリラで地脈エネルギー吸収装置を引き抜く事に成功。他の3人も合流して怪人を撃破し、巨大戦。敵が大きいほど盛り上がる登山家魂に火がついた怪人の攻撃でソードを落としたワイルドキングは、咄嗟に山頂の斧岩を引き抜いて攻撃を受け止めると、なんとそれが、キューブアックス(クマ)に姿を変える!
山頂の奇岩が新たな力だった、という流れは格好いいのですが、肝心の斧岩が出てくるのが百合の回想シーンだけで、大和達の視点で強調される場面が無かった為、手に取るのが唐突になってしまったのは残念。次回予告ではっきり見せていたので前振りシーンが優先的にカットされた可能性が高そうですが、ここは斧岩山の由来あたりからバッチリ攻めて欲しかったです(笑)
マサカリそのものはワイルドキングの体型に似合って格好良く、クマへの変形攻撃を見せた後、登山家怪人をばっさり両断。改めて百合と山頂に向かう大和達だが、そこで見たという鳥男のテントは影も形もなく消えていた……果たして鳥男は、キューブクマの存在を知っていたのか? めげずに鳥男を捜し続けようと誓うジュウオウジャーであった。
そ・し・て、潔く身を引くのが男の美学、と逆方向に暴走するレオは大和と百合の仲を応援すると言い出し、アムが直球(興味本位)で百合に大和への好意を訪ねると、大和を見る時に目がキラキラしていたのは、飼っているインコに似ていたから、というオチ。
恋愛要素はギャグで片付けられ、女性ゲストをカタパルトに大和とレオの友情が深まるという内容で、まあ及第点の出来ではあったのですが…………違うんだ! 私が求めていたのはそういうのじゃないんだ!!(笑)
いやまあ、趣味でいえば、大和を以前から知っていて好意を持っている女性キャラが欲しかったので、今回みたいな初対面からというのも少し違ったのですが、ただ一度ギャグでやってしまうと、そういう立ち位置のキャラを持ち込む気は無いのかなぁと、ちょっぴり残念。
大和は両親を伏線にしてしまったので、周辺の関係人物がまだ出しにくい、というのはあるのかもですが。
細かい所では、チラシが劇中で具体的に役に立ったのは良かったと思います。
あと、うっすら考えていたのが今回のレオの言動で補強されたのですが、鳥男の正体として、異文化交流の一要素としての血の混合――ハーフジューマンという可能性はあるのかもなぁ、と。鳥男以外(追加戦士?)での登場可能性も含めて。
今回、アックスを見たエレファントの「何故だ?!」という台詞が割と強調されていたので、ニンゲン世界とジューランドの歴史的関わり(闇)の謎に迫っていく伝奇的展開とかしてくれたら凄く好みなんですけど。
次回――「子連れヒーローアバレ系」、じゃなかった、「ウソつきドロボーおバカ系」。そもそもの元ネタは、『はみだし刑事情熱系』でいいのか?? そして『はみだし刑事情熱系』のメインライターが今井詔二だったという無駄な知識を得る。