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『仮面ライダーオーズ』感想7

スマホレッド! コズルイエロー! ヤクザグリーン! ワカヅクリブルー! ダガシブラック!
欲望戦隊・グリードV!
というネタが降りてきたのですが、使いどころがわかりません。
◆第11話「旅人とアゲハ蝶と有名人」◆ (監督:金田治 脚本:米村正二
「太陽から貰ったエネルギーが、明日のパンツの活力になるんだ」
格好良く言っても駄目だぞ、映司。
なお比奈ちゃんはお兄さんと2人暮らしなので、トランクスの一つぐらいでは1ミリも動揺しません。それはそれとして、マスター知世子は店の看板にパンツを干そうとする映司くんの後頭部を麺棒で3回ぐらい殴打しても無罪だと思います。
映司は旧知の旅人・筑波敬介(やたら露骨なもじりですが、この時期何かあったのかしら)と再会し、旅ブログを本にしたいという筑波の出版社への持ち込みに付き合うが、筑波の原稿は編集者に突き返されてしまう。人気の旅ブロガー・澤田への嫉妬に燃える筑波はウヴァにメダルを投入され、ヤミーの親に。ヤミーが澤田から何かを吸うとアゲハヤミーが誕生し、鱗粉に乗せて澤田の文章力が筑波にコンバート……て、えー(笑)
そういう特殊能力の怪人、と言われればそれまでですが、ここまでのヤミーが単純な行動しか出来ないロボットか、大暴れする怪獣か、みたいな存在がほとんどだったので、あまりに便利すぎて困惑します(^^; ウヴァが作ると無駄に喋るという事なのかもしれませんが、明確に人格を持つヤミーからして第1話以来ですし。
「何故おまえのような、いい加減な奴がオーズになった」
「俺は目の前で困ってる人が居たら助けたい。それだけ」
「小さいな。俺が見ているのは――世界だ」
アゲハヤミーにあっさり逃げられてしまったオーズに突っかかってくる後藤さん、ここまでの扱いがあまり良くないので、強い信念が行きすぎて誇大妄想になりかけている痛い人みたいになっていますが、今作のコンセプトに平成ライダー第1期のリビルドがあるとすれば、髪質といい天の道を行き総てを司る人を少し意識しているのか。
澤田の文章力を奪い、その代理としてラジオ出演まで果たした筑波に、「どうすればもっと有名になれる?」と問いかけ、サポートに余念の無いヤクザグリーンは、演出もあって、寓話系ホラーに出てくる不幸の案内人みたいな感じに。当惑しながらも筑波が口にした、新たな旅ブログ1位のお笑い芸人から喋りの能力がコンバート。
「……あ、なんか、喋れるような気ぃしてきた」
何故か、大阪弁に(笑)
ヤミーの気配に向かうオーズだが、メズールの為に自販機の下を漁ってメダルを探すなど、どこまでも萌え路線のガメルがその前に立ちはだかる。タトラータでぐるぐる回ってガメルを蹴ったら何故かメズールのコアメダルが2枚飛び出してガメルに奪われてしまい……わかりにくいのですが、蹴った拍子に背後に浮かんでいたアンクの手にぶつかったという事でいいのか。
オーズはヤミーを優先して走るが、そこではバイク便の仕事にやり甲斐を感じられない後藤がバズーカ背負って戦っていた。が、一方的に叩きのめされていた。
「しょせん人間ではこの程度ですか。後藤くんにも良き終わりが訪れん事を」
心の隙間につけ込んで後藤を煽ったドクター、見限るの早すぎ(笑)
オーズはタカキリータを発動してアゲハヤミーの羽を切り裂こうとするが、後藤が背後から放った必殺後藤バズーカが、オーズとヤミーにまとめて炸裂。一方、筑波が出演するというトークライブ会場でウヴァ人間体の姿を目撃してしまった比奈に、その凶刃が迫っていた……。
なお今回のアンクの見せ場は、比奈に耳をちぎられそうになるです! 過去に『電王』ではハナの、イマジンが憑依した良太郎に思わず打撃してしまう、はネタとして消化されていましたが、比奈ちゃんは、アンクのボディは実のお兄さんの物である事を忘れてますよね?! 或いは、兄へのこれぐらいの折檻は泉家では常識だったのか。

映司は、アンクと一緒に泉家へ上がり込んだ事がある件について、死ぬまで沈黙するか、パンツ1枚で土下座を慣行するか、早めに覚悟を決めた方が良いと思います。


◆第12話「ウナギと世界と重力コンボ」◆ (監督:金田治 脚本:米村正二
ナレーション「前回の3つの出来事。 (中略) ――そして三つ、後藤が、誤ってオーズを撃ってしまった!」
……あ、わざと、というか、当たっちゃってもいいやぐらいの勢いだと思っていたのですが、純粋に誤射だったのですね後藤さーん。そして割と、バズーカでダメージをうけるオーズ。
一方比奈は、凄く普通にヤクザグリーンと戦っていた。素人に消化器噴霧で逃げられるヤクザ、虫頭だから仕方ない。
オーズはタトバでジャンプ攻撃を浴びせるもアゲハにはまたも逃げられてしまい、後藤を助け起こすが、その手を払いのけられる。
「俺、後藤さんがオーズでもいいよ」
「なに?!」
「俺は今やれる事をやるだけ。……そうだ、一緒にやろうよ」
「おまえ……俺を馬鹿にしてるのか」
「このバカ!」
後藤と一緒に怒るアンクがお茶目(笑)
「封印を解いたおまえ以外、オーズにはなれないんだよ」
「え、そうなの?!」
アンクがなんだかんだ映司を使わざるを得ない事情が明確にされてはいなかったのですが、突然明かされる重要事項(笑) アンクとしてはこれ、交渉材料として言いたくなかったという事なのか。
「いや素晴らしい……私に無断でヤミーを倒そうとするなんて、新しい後藤くんの誕生だよ!! おめでとう!!」
会社に帰った後藤、褒められる。
「後藤くんへの誕生プレゼント。……それは、罰。しばらく謹慎。以上」
やっぱり、駄目だった。
落ち込む後藤をドクターがまた煽り、“メダルを人間の力で使えるようになるシステム”について繰り返し言及されますが、これは2号ライダーへの布石か。
アゲハヤミーの能力により、ウヴァの思惑通りに筑波は人気者になり、その欲望は果てしなく広がっていく。
「有名になってどうするんですか?」
「見返したんねん」
映司の旅の体験談をネタとして譲ってほしいとまで言ってくる筑波だが、そんな筑波に更に力を与えようと、有名人の集まる撮影所にアゲハヤミーが飛来。映司はヤミーとの戦いに走り、比奈はその光景を筑波に見せる。
「俺が内戦に巻き込まれた話、筑波さんの話にしていいですよ。有名になる為でもなんでもいい。争いがどれほど人を苦しめるか、伝えられるなら。……大事なのは、何をしたかだと思うし」
映司の言葉と、自分の欲望から生まれた怪人の姿を見た筑波は正気に帰り、実は世界放浪旅日記は妄想ブログであった事を告白。筑波の状況理解がちょっと早すぎるのですが、内心、自分に謎の変化(大阪弁になったり)が起きている自覚はあったという事か。
そして後ろに立っていた後藤(謹慎中なのに力強く背負っているので、どうやらバズーカは私物)も、自らの手で何も為していないのに、世界を護っている気になっていただけだと気付く。
「俺も今やれる事をやるのみ。それがやがて、世界を護る事に繋がる筈だ」
無駄なプライドに振り回されて出来る者を妬むのではなく、今の自分が出来る事をやる――割とあっさり宗旨替えした後藤ですが、これまでの約1クール分、妄想ブロガーと同一レベル扱いにされ、結構酷い(笑)
後藤は援護射撃のバズーカを放つと新アイテムの拘束電気ウナギ缶を渡し、割と続々出てくるお助けメカ。流れとしては前作を汲んだ動物ガジェットなのでしょうが、『オーズ』ってメダルのイメージがあまりに強かったので、ちょっと意外。
アゲハヤミーの動きを封じるオーズだが、そこにウヴァとガメルが乱入し、一転大ピンチに。空中で激しく回転するアゲハの攻撃などで追い詰められるもカウンターパンチでガメルのコアメダルを3枚ゲットするのですが、ここがかなり適当になったのは残念。3対1で大苦戦という状況だったので、もう少し頭を使って反撃して欲しかったです。特にアンクは、アゲハを倒す為にガメルのコアメダルを狙っていた筈なのに、肝心のガメルが出てきたら丸投げであまりに無策すぎます(^^;
窮地を乗り切る為、オーズは手に入れたばかりの3種のコアメダルにより、サイ! ゴリラ! ゾウ! のサゴーゾコンボを発動。
ドラミング振動波でウヴァのメダルも1枚ゲットするとグリード達は逃げ出し、残ったアゲハは重力頭突きでせいやーーー!
玩具展開の都合もあったのか揃いのコンボも次々と見せてきますが、サゴーゾはサイヘッドが割と格好良くて、ここまでのオーズのデザインでは一番好きかも。
「ラトラータに続き、サゴーゾにも耐えられる器とはな。やっぱり、おまえにはメダル集めの才能がある」
アンクはうそぶき、筑波は北海道まで自転車の旅へ。一方、ドクター真木の研究所には姿を消していたコズルイエローが現れていた……。オーズのコンボにリスクがあるにしても、グリードの弱体化が激しいですが、果たしてカザリの存在は、そこに波乱を巻き起こすのか!?
2号ライダーへ向けての布石か、バイク便の人、一皮剥けるの巻。ここまで劇中での印象度はむしろ里中より下、ぐらいのレベルでしたが、これから物語の中心に絡んでいけるのか。
『電王』『キバ』のサブ参加はあまりよろしくない出来だった米村正二ですが、今回は悪くないエピソードでした。便利すぎるアゲハヤミーの能力も、最後まで見ると、筑波の本当の動機は他人の才能への羨望だったので、それを吸い取る能力がヤミーに発生した、と解釈はできる範囲ですし。本当は中身の空っぽだった筑波が、文章と喋りの才能を得る事で実際にメディアに持て囃されてしまう、というのもなかなか皮肉が効いてます。
クライマックス戦闘の成り行きが少し残念でしたが、これは監督とアクション監督がアゲハ大回転で盛り上がりすぎて、話の流れを上手く処理できなかった感じ(^^;