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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第16話

◆第16話「ジューマンを探せ」◆ (監督:竹本昇 脚本:田中仁)
街で動物の着ぐるみをさらうマント怪人と遭遇する大和。怪人はどうやらジューマンを探して拉致しているようだが、ジュウオウジャーの姿を見ると退散してしまう。
「多分デスガリアンには、ニンゲンの着ぐるみとジューマンの区別がつかないんだろう」
というタスクの台詞は、ニンゲンとジューマンが手を取り合っている一方で、“わかり合えない”異種族としてのデスガリアンを補強しているニュアンスがあり、結構面白い台詞。
手分けしてさらわれた人々を探している最中、牛になったつもりで街を徘徊していたマリオが 警察に逮捕された ジューマン狩りに巻き込まれた事を知った大和は、錯乱気味に走り出そうとする。
「おい待て大和!」「どこ行く気!」
「決まってるだろ! おじさんを助けにだよ!」
「焦るな! 場所もわかってないんだ!」
「離してよ! 俺1人で探しに行くから!」
「自分でも言ってたでしょ。少し落ち着きなって!」
「落ち着いていられるわけないだろ!!」
「大和……」「大和くん……」
「……だって……俺の叔父さんだよ?」
どちらかといえば状況をしっかり判断して行動するタイプの大和が、マリオの事を知った瞬間に身も世もなく取り乱す、というのは凄く良かったです。
どうしても演出的に間を入れたくなる所で、一切の間を入れずにパニックとなり、仲間の手もふりほどき、乱暴な言葉を投げつける姿を描く事で、大和のマリオへの思いが非常に良く出ました。
「寂しい時は、いつだって側に居てくれた。一番尊敬してる、大切な家族なんだ」
幼少期の大和とマリオの関係が回想シーンで描かれ、どうやら大和少年は父親との仲が余り良好では無かった様子。これは、実家は厳しい金持ちの家で勘当されているパターンか? 兄が家出した為に凄く屈折したエリートに育った大和弟とか見たいぞ……!
「マリオさんを助けたいのは、僕たちも一緒だ」
「その為の方法を考えよう。みんなでね」
「……うん。なんか……ごめん」
ここで大和が仲間達になだめられる事で、物語の構造上、大和が“与える側”になりがちな所に一つ、大和が仲間達によって(精神的に)救われる、というシチュエーションを入れる事が出来たのも良かったです。
少し落ち着いた大和は、さらっている所を見つけるのが大変ならさらわれればいい、とニワトリになりきった囮作戦を敢行し、見事にアジトに連れ込まれる事に成功。そこではナリアがさらってきた人々について何かを調べ、“ゲームの駒”にならないニンゲンを始末しようとしていたが、その中に加わっていたマリオが憤然とそれに抗う。
「遊びで、命を弄ぶな!」
「ブラッドゲームを否定する事は、ジニス様に逆らうも同じ。この星の下等生物ごときが!」
「生き物に……下等も……上等も……ねえんだよ! ――この星を、舐めるなよ」
マリオ叔父さんが知らずに大和とシンクロする決めのシーンなのですが、ここはカット分けない方が良かったかなぁ。「生き物に下等も上等もない」という台詞も良かったので、そのままのカットで後半の台詞も言ってくれた方が個人的には好みでした。予告で見せてしまった、というのもありますし。
マリオが危なくなった所でイーグルが割って入り、ナリア、ヌンチャク状の検査機で、予想外の近接格闘を披露。検査機兼ヌンチャク兼銃火器、というアイテムに脅威のデスガリアンテクノロジーを見ます(笑)
人々を逃がした後、全員合流してマント怪人と戦闘。……なんだか、キューブ銃やキューブ剣のCGエフェクトが強化されているような。
デザインが凄くペガッサ星人(『ウルトラセブン』)なマント怪人ですが、巨大戦では意味もなく夕焼けになり、今回は「狙われた街」だったのか。誰かの中で、『ウルトラセブン』オマージュ回だったのか。マントール……マンルート……ンマルート……ノンマルト?! なおペガッサ星人の登場する「ダーク・ゾーン」は、私が『ウルトラセブン』で一番好きなエピソードです。
今回もクマックスが炸裂し、マリオ叔父さんらを無事に救出、ワープ能力を持った怪人も倒すジュウオウジャーだったが、デスガリアン基地には既に、3人のジューマン?と1人のニンゲン?が捕らわれていた……
次回――サイ! ワニ! オオカミ! サ・ワ・オ! サワオ サ・ワ・オ!
歌は気にするな!
実質的にデスガリアン掘り下げキャンペーンだったここ3話ですが、次回いよいよ、両陣営にとっての新キャラクターが予想外の形状で登場。動物パワーの組み合わせといい立ち位置といいガオシロガネを思い出す所ですが、今作の造りからすると意識的な所でしょうか。予告を見る限り、セラメイン回でサワオの武装が釣り竿のようなので、その辺りの絡みも期待したい。