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『終わりなき戦い』(ジョー・ホールドマン)、読了


 画期的な宇宙航法であるコラプサー・ジャンプを発見した人類は、それにより多数の移民船や探検船を果てしない宇宙へ送り出したが、その内の一隻が正体不明の異星人の攻撃を受けるという事態が発生する。人類はトーランと名付けたこの異星人と戦争状態に突入し、<一九九六年エリート徴兵法>により徴兵されたマンデラは、過酷な訓練の末、人類史上最精鋭の戦闘部隊の一員として、攻撃作戦に従事する。だがそれは、泥沼の星間戦争の幕開けに過ぎなかった……。
長らく積んでいたのを『コンクリート・レボルティオ』のお陰で思い出し、いい機会なので読みました。
著者のベトナム戦争での従軍経験がベースになっており、軍隊における過酷な兵士教育が皮肉交じりに描かれる所から始まるのですが、小説全体がスピーディに進むので、陰惨な描写がくどすぎないのが、小説通して読みやすい所。
SFとしてのキモは、大雑把に言う所の「ワープ」にあたる、コラプサー・ジャンプ。これにより、ジャンプをする度に主人公の主観時間と実際に地球で流れている時間がずれていき、主人公は主観時間2年の軍隊生活に対し、従軍歴10年以上。そして久々に帰還した地球ではあまりにも多くの事が変わっていて……と、星間戦争にウラシマ効果のギミックを加えて展開。
戦場に向かう兵士達の後方では歴史と技術革新が飛ぶように進んでいるのに、最前線の兵士達にはそれが反映されておらず、そして実際に出会ってみるまで、敵が100年前の過去から来たのか、それとも300年先の未来から来たのかわからないという“奇妙な戦争”と、戦地から帰ってみると母星の文化が全く違ったものになっているという前線と後方の乖離が巧みに組み合わされ、SF的なスケールを活用して戦争の狂気と虚無を炙り出し、面白かったです。
で、本編面白かったのに、解説の文章がど下手で読後感を台無しにされるという、なかなか新鮮な体験。
ここまで酷い解説は、なかなか見ないレベルの酷い解説(^^;
それ以外は満足でした。