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『重甲ビーファイター』感想9

◆第9話「トラ猫奪回作戦」◆ (監督:石田秀範 脚本:扇澤延男)
「文字通り、ねずみ算式にな」
って、異次元からの侵略者が言うと思わなかったよ!!(笑)
ギガロは合成獣ガリネーズを街に放って地下に張り巡らされた都市のインフラ網を破壊させ、街を大パニックに陥れる。立ち向かうビーファイターもその鋭い牙の攻撃に苦戦するが、ガリネーズは突如何かに怯えると、逃げ出してしまう……ネズミの怪人であるガリネーズは、猫が苦手だったのだ!
「ギガロ、使い物にならん」
「いえ、ガオーム様。必ずや打開の道が……」
「どのような?」
「それは……」
部下の商品展開の失敗に直接駄目出をし、半端な言い訳をしないで具体的な対策を述べてみろと追求するガオーム様は、会社経営に対する誇りを感じます。ジャマールの経営理念は、不断の努力による業務改善なのだ!
プロジェクト立て直しを迫られたギガロは、地上で次々と猫をさらっていく。
「手荒に扱うな! 奴を鍛え直す為の大事な道具だ」
……そっちへ進むのか(笑)
地上の猫を全部抹殺するなんて無理、という確かにもっともな意見が麗から入って変なリアリティを補強されつつ、しばらくジャマールサイドの、猫迷宮によるガリネーズ特訓シーンがコミカルに描かれ、今作の方向性が改めて打ち出されます。ここまでのエピソードと比べても、かなりライトかつコミカルに寄った演出ですが、話数一桁台の内に、今作ではこのぐらいまではやります、というのをハッキリ見せてきたのは差別化として良かったと思います。
「これぞ、愛のスパルタ教育。恐怖を克服しろ、我が合成獣ガリネーズ」
大作の知人である漫画家志望の貧乏青年から、飼い猫がさらわれたと聞いてジャマールの動きを追っていたビーファイターだったが、一足遅く、猫への恐怖を克服したネズミ怪人が活動を再開。
インフラを寸断された街は大混乱で結構な被害が発生しており、これ、もはや、猫を助けるとかどうでもよくなっているような(^^;
BFはビートマシンを発進し、戦闘だけでないレスキュー活動を挟んでくるのは、良い所。大作が漫画家に「ビーファイターの一員」と名乗ったり、職業としての認知が明確に打ち出されてもおり、この辺りは《レスキューポリス》を意図して踏まえた要素でしょうか。
ジャイロがネズミを発見し、地下道でネズミを追い詰めるビーファイター
「貴様、さらっていった猫をどこへやった?!
「ネズミに産まれたこの俺が、ついに猫への恐怖を克服したチュー。その記念に、まとめて猫汁にして食ってやったチュー」
ゲストキャラが売れない漫画家だったり、怪人が自らの生まれを乗り越えようとしたり、いちいち『機動刑事ジバン』第23話「マンガを喰いすぎた怪物」(扇澤脚本回)を思い起こすのですが、この台詞は、意図的なものを感じます(笑)
ガオームゾーンが発動するもビーファイターはスティンガーコンボでネズミを撃破するが、猫の事を漫画家にどう話すべきかを悩む。ところがそこへやってきた漫画家が倉庫街に隠されていた猫たちを発見。ギガロはネズミ怪人量産化の暁に訓練用に用いるべく、猫たちを大事に生かしており、ネズミ怪人の発言はハッタリだったのであった。
飼い猫と無事に再会した漫画家は、ジャマールが集めたその他大量の野良猫も引き取り、田舎へ帰る事に。
「今度のパニックでわかったんだ。人間って何かあると、凄く自分勝手になるじゃない。弱い者を平気で踏みつけるじゃない。それって、日頃から、心の潤いとかが、欠けてるからだと思うんだ。やっぱり僕が描くようなマンガは必要なんだ。書き続けるよ! 田舎でこいつら育てながらさ」
猫迷宮のコミカルパートに時間を取りすぎてゲストキャラの出番が少なく、この売れない漫画家(未満)はどうするのだろうと心配していたら、ネズミ怪人による被害も伏線にして、都会に根付けなかった男が今の自分なりの志を胸に田舎へ帰る、という実に扇澤さんらしい着地。ビートマシンとガオームゾーンのノルマもこなしつつ、ラスト1分のきりもみ着地ながらそれなりの説得力を持って、しっかり畳んできたのはさすがのテクニック。
「無駄じゃ無かったよ、この4年間。たった一人だけど、僕のマンガを好きだって言ってくれる人に、巡り会えたからね」
また、決して未来に希望溢れるオチではないのですが、この台詞には優しさがあって良かったです。扇澤脚本には設定しているハードルが高いのでまだまだ物足りませんが、『ビーファイター』としては及第点の出来。この先ノルマの入れ方が落ち着いて、切れ味が増してくるといいなぁ。……扇澤さんの場合、まずい方向にキレる場合もあるので油断なりませんが(笑)
ところで今回、ジャマール本拠に謎のルンバ(円錐形に目玉っぽいマークのついた物体)が出てきたのですが、冒頭以降では特に焦点が当たらず、なんだったのか。映像的賑やかしでレギュラー化するのかなぁ。
次回――毎度予告で、「最強」だの「無敵」だの煽られる傭兵軍団ジュラの「腹心」登場!