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『重甲ビーファイター』感想13

◆第14話「必殺地獄の迷宮」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:宮下隼一)
坂本監督に続いて、戦隊畑から渡辺監督が参戦。脚本陣のシェイプアップと並行して、演出陣の積極的な入れ替え意図が見えます。
ビーファイターを倒すべく、ジャマール3幹部が直接出馬。知り合いの少女・ミフユの見舞いに買ったオルゴール人形に仕掛けられた罠により、拓也は不思議な閉鎖空間ジャビリンスへと閉じ込められてしまう……。
「判決。被告人・甲斐拓也を、銃殺刑に処す」
処刑人に撃たれた拓也が目を覚ますと何故か森の中に居て、謎の武士や褐色の女戦士(ジェラの中の人?)に次々と襲われ、次に目を覚ますと夕暮れの野原で子供達に語りかけている紙芝居屋……と目まぐるしく移り変わる奇妙な世界で不条理な攻撃を受ける、というストレートな魔空都市オマージュ(『宇宙刑事ギャバン』第15話「幻?影? 魔空都市」)回。
連絡の取れなくなった拓也を探して病院へ来た大作と麗もジャビリンスに飲み込まれ、自転車部隊に襲われるのは、その監督を務めた小林義明オマージュか。
もやもや空間で合流した3人は、棺桶から出てきた自分達の影と戦闘になり重甲するが、再び移動した野原で巨大な子供達に捕まって標本にされそうになる……と、これは昆虫戦士である今作の特徴を取り込んで面白かったです。
ピンに刺されそうになって遊園地に飛んだ3人は、アトラクションに弄ばれ、武士とピエロと女戦士に迫られ、再び夕暮れの野原に。
「刻々と迫るタイムリミット〜。はたしてビーファイターは、ジャビリンスから脱出できるのか。その時、現実世界にも異変が起こりました。ミフユちゃんの容態が急変したのです」
「なに?!」
病院から始まる、というのも元ネタオマージュだと思われるのですが、そこで発端の少女を巻き込む事で嫌な精神攻撃をプラスし、ただのオマージュではない一ひねりを入れてきたのは良かったです。
「実は、ミフユちゃんの命も、オルゴールと連動、同調していたのです。あの時、拓也はミフユちゃんの命のネジを巻いてしまったのでしたー」
再び舞台は移動し、いよいよ3幹部と直接対決。幹部トリオ、まさかの仲良し腕組みハリケーン攻撃が炸裂する!
(インセクトアーマーよ、逆転のチャンスを…………そうか!)
絶体絶命のその時、突然、光る角。恐らく第3話で使ったものと同じ技と思われますが、謎の振動波で窮地を脱したビーファイターは、スティンガーウェポンで反撃。3幹部は撤退し、ビーファイターはジャビリンス脱出に成功すると呪いの人形を破壊し、ミフユの容態も回復するのであった。
一歩間違えると、少女の息の根を止める所だったと思うのですが、結果オーライ……でいいのか(^^; 折角の一ひねり要素だっただけに、雑な解決しか取りようが無くなってしまったのは、少々残念。
なお、冒頭から知り合いとして扱われるミフユと拓也達の関係についての説明は潔く全く無いのですが、ビーファイターが説明なく子供と知り合いなのは第1話からなので、許容範囲か。
そしてジャマールでは、情けなく帰ってきた3幹部に、ガオームが大激怒。
「我が忍耐、いつまでも続くと思うな! おのれ、ビーファイター〜〜!!」
……かなり気の短い、ガオーム様であった。
たびたび戦力に不安を感じるジャマールですが、更に“上層部が現状に危機感を抱いている”事が明確となり、ますます不安が募ります。なまじ作戦の方向性は悪くないだけに、予算を、もっと予算を!
純然たるオマージュ回でしたが、元ネタが大葉健二の圧倒的魅力あってだけに、元ネタを知っているとインパクト不足は否めません。逆に、元ネタを知っていると大体の事は、まあオマージュ回だし、で流せるのですが。『ギャバン』が毎回の魔空空間スペシャル版としての魔空都市だったとの比べると、今作におけるガオームゾーンは積み重ねも物語における意味性も薄いので、その辺りはどうだったのかなぁ、とは。
次回、ブタとアイドル……って、渡辺監督の本命はこっちか?!