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『仮面ライダーオーズ』感想21

◆第31話「恩返しとたくらみと紫のメダル」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
映画撮影にも参加せず久々に登場したウヴァは、出番の無い間にクズヤミーをヤミ金の社員に取り憑かせ、チンピラを受け子にして1日1枚、2日で2枚、塵も積もれば山となる、とちまちまセルメダルを集めていた!(涙)
「人間もクズヤミーも使いようだな。メズール、ガメル、お前達を取り込まなくとも、俺は俺で力をつける。このセルメダルで」
妨害を受けずに大事なHPをかき集めるという点ではかつてなく巧妙で実際に高い成果もあげているのですが、せせこましすぎて涙が止まらないよ……!
そんな事だから、ラスボスダービーから存在そのものを忘れてしまうんだよ!
一方、鴻上ファウンデーションと訣別したドクターは退職金代わりと称して、鴻上会長がヨーロッパから持ち帰った物を奪い去っていた――それは、10枚一揃いの、紫のコアメダル。
「そしてメダルを抜く事で、欠けた穴を埋めようとする欲望が生まれ、生命体グリードとなる」
ドクターがケースからコアメダルの1枚を抜き取ると、残り9枚のメダルが妖しく蠢き出す……!
その頃、比奈の友人・三原鈴香から相談を受け、三原家のポストに毎日お金を入れていく男・坂田を捕まえた映司は、クスクシエで鈴香と坂田を引き合わせる事に。教師であった鈴香の父親にひとかたならぬ世話になったという坂田は、その恩返しでお金を入れていたというのだが……
「お願いです! もうお金はやめて下さい」
「へ?!」
「うちのお母さん、すっかり甘えちゃって。仕事休んだり、買い物で借金まで。このままじゃ駄目になって……本当にすみません。今までのお金も返せませんけど、本当にもう、やめて下さい」
一方的に押しつけていた厚意を感謝どころか拒絶されてショックを受けた坂田のポケットからセルメダルが転がり落ちた事で、事態はややこしく急展開。ウヴァが使いっ走りに使っていたちんぴらこそが坂田であり、坂田はそこで手に入れた金を、三原家に渡していたのである。
鈴香を追って飛び出した坂田を、映司、比奈、アンクが追いかけ、一気に店員の密度が減るクスクシエ。
「ちょっとみんな! はぁ……後藤くん戻ってきて〜」



後藤さんの中のワニ男「おいおいおい! 知世子さんにお願いされてちゃってるよ後藤! これってもしかして脈あり?!」
後藤さんの中のカミ男「やべーーー、でも今の後藤の上司は里中くんじゃん? どっちも選べね〜〜〜」
後藤さんの中のサイ男「というか、後藤ちゃんが誰かに期待されるのって、劇中で初めてだと思うんだよね」



…………すみません、最近の流行にちょっと乗ってみました。反省しています。
アンクに首根っこを捕まれた坂田は、店を出た鈴香が、見覚えのある金融業者に謝っているのを目撃。
「えーーー、なんだろうこれ。え、俺が金渡して借金させて、その会社から俺が金貰って、また……冗談じゃねえって?!」
とんでもないサイクルに一枚噛んでいた事に気付いた坂田はヤミ金に乗り込んで借金の融通を頼み込むが、その干渉で社長と社員一同の中からクズヤミーが飛び出し、追いかけてきた映司&アンクと戦闘に。そして、比奈に連れられて外に逃げた坂田は、ウヴァにメダルを投入されてヤミーの親になってしまう。
「なーんだこれ……俺、何やってたんだ……」
ひとまずクズヤミーを片付け、坂田から事情を聞く映司達。真摯に反省したのかと思いきや、比奈に「たまたま悪い方向に転がっただけですよ」と励まされて、すぐに気を取り直してしまう辺りが凄く駄目な感じなのですが、見た目からして視聴者が好感度を持ちにくい方へ持ちにくい方へ持っていくのが、今作はとにかく徹底しています。
「人を助ける時は、そのたまたまがあるって事を、忘れない方がいいですかね」
善意で伸ばした手が報われるとも、期待した通りの良い方向に進むとも限らない。
坂田を諭しているようで、どこか映司の諦観も感じさせますが、だから映司は「手を伸ばすだけ」なのかなぁ……後編も含めて考えると、坂田というのは、過去の映司の一部分の投影なのかな、とは思われますが。
その坂田から生まれたヤミーは、銀行から奪った金をばらまいて欲望を満たすと、クロアゲハヤミーに成長。オーズ@タカウナコとバースが戦いを挑む所に、セルメダルで重課金したウヴァが参戦。重課金ウヴァは豊富なHPで優位に戦闘を進めるが、オーズがタジャドルを発動して火であぶり、飛び出たコアメダルをアンクが数枚ゲット。……久々に戦いに出てきたと思ったら、コアメダル供給する役目だ……!(涙)
クロアゲハは、ひひひそいやーーーで撃破し、ウヴァ一転大ピンチとなったその時、ドクター屋敷から飛んできた5枚のコアメダル紫が、オーズの体に吸収される!
それによってベルトからタジャドルセットが強制的に弾き出されてしまい、ウヴァは1枚を強奪して退散。倒れる映司の瞳は紫色に妖しく輝く……というまさかの急展開で、つづく。


◆第32話「新グリードと空白と無敵のコンボ」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
「渦巻いている」
「渦巻いてるな、欲望が」
「人の命の、源が」
「では、全てを無に――」
「無に」
前編でヤミー1体片付けてしまったと思ったら、後編で2体のヤミー追加という、大盤振る舞い。色違いのプテラノドンヤミーカップルは街へ向けて飛び立つと、触れた人間を消滅させるプテラノ暗黒ガスを放出し、街ではかなりの大被害。
一方、病院で精密検査を受けるも異常なしだった映司は、目を覚ました事で退院。心配で様子を見に来てくれていた原田は、クロアゲハヤミーの姿に自分を省み、己の行状を前回よりは反省。
「俺も同じですよ。いっぱい失敗してます。貧しい国に募金してたつもりが、悪い人に使われちゃってたり。酷い時は、内戦の資金になってたり。それで思ったんですよね。人が人を助けていいのは、自分の手が、直接届く所までなんじゃないかって。俺は――こんぐらい。まあ、届かない事ありますけど。欲望だとしても、こんぐらいなら、手に負えますしね」
「そっか…………こんぐらいか」
自分の両手を広げる、映司と坂田。
ここで面白いと思ったのは、自分の生んだヤミーを見て考えを改めるというのは第11−12話の妄想ブロガー回(脚本:米村正二)、人助けをする(力を使う)のは自分の手の届く範囲というのは第21−22話のジャスティス回(脚本:毛利亘宏)、とサブライター回の要素をそれぞれ拾っている事。
妄想ブロガー回に登場するのがアゲハヤミーで、前回塗り替えのクロアゲハヤミーが登場する辺りの流れからなのかもしれませんが、恐らく意識的に、これまでの『オーズ』を統合したのだろうなと。
シリーズ構成を務める場合、メインライターとして良くも悪くも単騎駆けが目立つ小林靖子ですが、少し作劇を変えてみようとしたのだろうか、と思う所です。そういう点では『オーズ』そのものが、セオリーに対して揺らぎを入れていく作風で、けっこう大胆な構造をしているとは言えますが(今回もやはり、原田の出番はここまで、鈴香に至っては出番無しで、三原家の問題はフレームの外に追いやられてしまい、そこはもはやヒーローの手の届く範囲ではなくなってしまう)。
街で動き出したヤミーの気配に気付いて現場に急行した映司達は、二体のプテラノドン相手に、オーズ@タトコと、バース変身。
「我々は、消し去る者」
「メダルもまた欲望。無に還れ」
ビルの壁にタコ足張り付きを披露するオーズだっが、「コアメダルは欲望。我らの前で、欲望は無効」というプテラノドンヤミーの無欲光線を受けて、変身を強制解除されてしまう。見た目微妙なのに強力なプテラノドンカップルにバースも変身解除に追い込まれ、追い詰められる2人。その時、逃げ遅れた人々を助けようと我が身を省みずに駆け出した映司は、プテラノドンの攻撃を受ける直前に伊達に引きずり戻される。
「馬鹿やろぉ……死にてぇのか!」
「ほっとけませんよ! 伊達さんだってそうでしょ!」
「あいにく俺は医者でな! 医者の仕事は、まず自分が死なない事だ! でなきゃ、誰も助けられない」
「じゃあ……俺に医者は無理ですね」
伊達の制止を振り切って再び飛び出す映司だが、プテラノドンカップルの超音波攻撃に巻き込まれ、大爆発。ヤミーは飛び去り、幸い軽傷で済んだ映司は、クスクシエで治療を受ける事に。
「前から危なっかしいと思っていたが、原因はこれだ。他人は助けようとする癖に、自分の命は無視してる」
「そんな……俺は別に死ぬ気だったわけじゃ!」
とことん自覚のない映司。だが――
「それが軽いんだよ。……死ぬつもりならいいさ。賭ける命の重さがわかってるからな。おまえは賭けてさえいない。昔はちゃんと賭けてたのに。そうだろう?」
ボクシング回で映司の事を間接的に「人助けドランカー」だと評していた伊達ですが、ここで改めて、人助けと自分自身、それぞれの軽重がわからなくなっている、“こんぐらい”の範囲なら誰にでも手を伸ばそうとする映司の「壊れた天秤」に正面から言及。
「火野映司……映司、思い出したよ」
かつてアフリカで内戦に巻き込まれ、友達となった少女を救えなかった映司。その時、映司は政治家の父親が払った身代金により解放され、日本に帰国していた。結果として一つの村が戦火を逃れる事となり、映司は、内戦を止めた日本人青年という美談の材料にされ、父親と兄はそれをイメージ戦略に用い……渦の中心から切り離された映司には、何もできなかった失意だけが残された。
「火野の意志は無視、って事ですか。きついですね。俺なら多分……」
「怒るヤツも居るし、じめじめ腐るヤツも居る。で、たまに妙に乾いちまうヤツも居る。火野はそれだ。乾いちまって、自分への欲が無い」
伊達は後藤と比奈に自分の知っている事を教え、一方、屋根裏部屋の映司とアンク。
「おまえの方がよっぽど欲望の渦に居たとはなぁ……」
「まあね。でももう忘れた。いつまでもこだわる事じゃないでしょ」
遂に謎だらけだった映司の過去が完全に明かされ、巨大な欲望に飲み込まれて、失意の中で自分の価値を見失った男であったと判明。映司は自分の価値がわからないから、自分に対する欲が無い。ところが、「死ぬほど後悔するのが嫌だから手を伸ばす」という、行為だけには執着している。
何故かといえば、それが、本当の意味で“生者”だった頃(賭ける命の重さがわかっていた頃)の映司が、成したかった最後の事だから。
以前の感想で映司について、例えるならはぐれ外道が近いのではないか、と書きましたが、今の映司は人間だった頃の最後の思いに執着し、特定の「行為」をする為だけに死にながら生きているといえ、やはり一種の化け物なのであろう、という印象が深まりました(そしてそれは、今作においては「欲望」の為に生きるグリードの鏡写しなのでしょう)。
欲望が無いから見返りも成果も求めないのに手は伸ばす――故に、
「知らなくても、聞かなくても、戦えるのが君だろう」
だが、そんな映司の新たな転機は思わぬ形で訪れる。
「HappyBirthday! 紫のメダルのグリード! そしてそのヤミー!」
クスクシエを訪れた鴻上会長は、映司は欲望が空虚だったからこそ、メダルの力の暴走を招かずにオーズとして戦えていたと説明。しかし……
「絶滅したり想像上でしかない動物を使ったメダル! その欲望は……無だ。Nothing……! それがオーズに惹かれて映司くんの欲望の隙間に入ったぁ! 欲望の空白が埋まれば、暴走の危険性は高くなる!!」
その空虚に紫のメダルが入り込んだ事で、果たして映司はどうなってしまうのか。
「おまえわかってんだろ? 自分にコアが入ったて事を」
「まあ……なんとなく。でもやる事は変わらないし。とにかく今は、目の前の人を助けるだけ、かな」
伊達さんにあれだけ言われてもこの言動で、第32話にして、過去の事件により物語のスタート地点から映司が壊れていた事が明確にされるという、凄い構成。
「……ふんっ、おまえがバカで良かった」
「誉めてるつもり?」
「さあな」
翌日、プテラカップルが遊園地に出現し、手を緩めない大量虐殺。オーズ@タトバとバースは立ち向かうが、逃げ遅れた子供を見つけたオーズは背後からプテラヤミーの攻撃を受けてしまう。
(映司くん、いつも、誰かの為に手を伸ばして……。お兄ちゃんにも、私にも……。じゃあ、映司くんには誰が?)
比奈ちゃんの思考回路は割と真っ当なので仕方がないのですが、映司が手を伸ばすのは「誰かの為」ではないので、比奈ちゃんは、ちょっと、騙されている(笑)
少女はオーズから後藤さんにキャッチされるものの、無欲光線を浴びたオーズは変身が強制解除されてしまい、大ピンチに。……だがその時、映司の体内から紫のコアメダルが飛び出すとプテラ火球を防ぎ、勝手にベルトに収まってオートスキャン。


プテラ! トリケラ! ティラノ!
プ・ト・ティラノザ〜ウルス〜

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「この力は……」
「この力は同類」
「同類にして、敵!」
映司は咆哮をあげ、800年前に存在しなかった新たなフォーム、プトティラに変身。
恐竜パワーの集合体であるプトティラコンボは、プテラの翼で空中戦、ティラノの尻尾で打撃、肩から飛び出すトリケラの角で中距離攻撃、と一通りの性能を見せると、炎・雷・風・水・重力に続く第6のグリード属性:冷気により、氷付けにしたプテラヤミーメスをあっさり粉砕。
そしておもむろに地面から恐竜顔の斧を取り出すとセルメダルを収納し、プ・ト・ティラノー必殺ーーー砲により、プテラヤミーオスを爆殺、とその圧倒的な力を発揮する。
まさかの、紫色の最強フォーム。
フォージャスティス!
(だからすぐそのネタに走るのをやめなさい)
まあ厳密にはまだ最強フォームかはわかりませんが、相当の強敵として描かれていたプテラノドンヤミーを蹂躙した描写から、既存5コンボ以上の戦闘力を持っていると見て良さそう。……それにしても、前作で半分こにして大丈夫だったから、と何かのブレーキが壊れているのかもしれませんが、頭が光り、腕から触手、足に吸盤、に続いて、遂に尻尾が生えるとは。
格好良いか格好悪いかでいうと第一印象は微妙なのですが、翼と尻尾にやや前傾気味の姿勢と、人間のフォルムを崩しに来ている部分も含めて、インパクトはあります。
あと、斧ですが、地脈エネルギーを物質化したとか、そんな感じ……? 拾ったプテラノドンの原材料(セルメダル1枚)でバーストしていましたが、あれだけ暴れ回ったプテラノドンヤミーが体内にセルメダルを発生させていない、というのは紫ヤミーの特徴、という事でしょうか。
ヤミー二体を瞬く間に葬り去ったプトティラだが、その勢いでバースを攻撃。危うく真っ二つにたたき割られそうになるバースだが、比奈が割って入り、その一撃はギリギリで止められる。
「映司君……私、映司くんの気持ちがわかるなんて言えないけど、でも、手を伸ばす事は出来ると思う。映司くんが辛い時は、私が映司くんの手を掴む! お願い、元に戻って……映司くん、お願い!」
ここに来て、比奈ちゃんにまさかのヒロイン効果が発動。斧を振り下ろそうとして止めた、というポーズの問題で真っ正面から抱きつく事が出来ず、腰にしがみつくという微妙に変な絵になっている辺りに、若干ヒロイン力の弱さは感じますが。
「比奈ちゃん、ありが……と……」
変身が解除された映司は気を失って倒れ、ビックリするほどの正統派ヒロインムーヴが発動したのですが、これも、映画撮影回のネタを拾ったといえるのか。いや個人的には、比奈ちゃんは嫌いではないので、ヒロイン効果が発動したのは良かったですが。基本、真っ当にいい娘ですし。
ここでプトティラを元に戻すという形で、“向こう側”に居る映司に手を伸ばす存在の必要性が示唆され、その端緒に気がついた比奈ちゃんが今後どういう位置づけになっていくのかも、楽しみにしたい所です。
一方ドクター屋敷では、ドクター真木もまた、5枚目のコアメダルを体内に取り込んでいた。
「人がグリードになれるなんて、面白いよね」
そしてドクターはなんと、無機物からヤミーを生み出すという掟破りを発動。プテラノドンヤミーを作り出していたのは、新たな紫のグリードとなったドクターだったのだ! ……と、衝撃に次ぐ衝撃の展開で、続く。
立派に社会生活を営むウヴァ、新たな紫のグリード、明かされる映司の過去……と色々山盛りでしたが、なんといっても、混沌のラスボス戦線にニューカマー現る! これは、映司がラスボス化し、アンクも伊達も鴻上会長も倒れた世界で、後藤さんがラストヒーローになるという夢の展開なのか?!
次回、そんな後藤さんは皆の期待に応える事が出来るのか。栄光の(?)劇場版を取り返せ!