- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2016/08/12
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (30件) を見る
食事という暖かみのある要素に、ざっくりドライな死生観とグロテスクな笑いを同居させ、異質な物語を紡ぐファンタジー、今巻も面白かったです。
「ダンジョンでモンスターを料理して食べる」というコンセプトアイデアからスタートし、「ダンジョンそのもの(トラップ)を調理に使用」「モンスターを食べようとする事で新たな生態を発見する」という形でステップを踏んできましたが、今巻では更に一歩進んだ枠組みに触れられ、ダンジョンという箱庭を活かしたファンタジー世界の構築の仕方が、引き続きお見事。
食というツールを用いて、架空世界におけるヒトと魔の関係性を描く、という仕掛けが巧みです。
ある程度計算を立てて書いている作品かと思うのですが、4巻(センシ)で終わるのか5巻(ファリン)で終わるのか、このファンタジーの仕掛けを、どの辺りで着地させるのかも楽しみです(別に、ダンジョンの謎が全て明かされなくてもいいわけで)。
今回一番好きなエピソードは、第16話。
から、オチの
「じゃあ……これも料理すれば食べられるな」
「やだ!!」
「そういう考え方もあるな」
「い や だ!!」
の表情が素晴らしかったです(笑)
「そうね……」