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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第26話

◆第26話「大切な日を守りたい」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:田中仁)
「なんか……しょっぱい」
「なぜ泣いている?」
「こんな風に、友達とお茶する日が来るなんて、俺は、このパフェの味を、一生忘れない」
冒頭からさわおが重い直球を放り込み、「こいつ面倒くさい」と言いつつもやや楽しげなレオ、という変化が描写。オープンカフェでジューマン達とお茶していた大和は、大学時代の友人・林大地と久々に再会し、大地を家に招く事に。
その頃、デスガリアンを去ったバングレイは何かの手がかりを探して釣り人の記憶を探っていたが、空振り。
ここで防波堤に佇むバングレイの姿を、背後の高い位置にあるカメラで大きくズームアウトしていき海と一緒に見せるのが印象的なカットなのですが、バングレイの探すものは海に関係しているという示唆でしょうか。
まあ、巨大生物といえば、秘境か海中がお約束ではありますが。…………タイミング的には、探しているのはゴ○ラ?
「まったく、どこに居んのかねぇ。しゃあねぇ、つまみ食いでもすっか」
その様子をチェックしている、宇宙弓矢基地。
「ジニス様。バングレイはこの星で何をする気なのでしょう?」
「さあねぇ。しかし、予想できないコマがあった方が、ゲームは面白いじゃないか」
「しかし……! バングレイに記憶を読まれた、クバルの様子も……」
「言っただろう、ナリア。予想できないコマがあるから面白い。それが、敵であれ、味方であれね」
すっかり機嫌の良くなったジニス様……この人ホントに、飽きていただけだ!
ジニス様に関しては、こういう路線の方が好みなので、このまま進んでほしいです(笑)
森家では大和の過去話が語られ、そういえば動物学者だった事を久々にアピール。大地は結婚を控えており、大和に連絡を取ろうとしていたが着信拒否されていたとの事ですが、これは招待状を実家に送ったけど大和の元まで届いていないという解釈でいいのか。
「この人達と、一緒に住んでるのか?」という台詞も、大和の現住所を知らなかった事を窺わせ、大和父がらみの含みが入っているような気はします。大和くんのやたら高いサバイバル能力を鑑みるに、学生時代から、気がつくと住所不定音信不通になっていた可能性も十分にありそうですが。
「お嫁さんは、どんな人なの?」
「同じ会社の子。会った時はまさか結婚するなんて思わなかったけど。人の縁てのはわからないもんだよな」
「そうだね……出会いってどこにでもあって、繋がりはどんどん生まれてく。凄いよね」
「はは、大げさだなぁ」
「んー、そんな事ないって。最近特にそう思う。――だから、守りたいんだ」
同じテーマ性を持った台詞を、ヒーローと、一般社会に帰属する男と、それぞれの言葉で表現して、ヒーローと社会を繋いだこのやり取りは秀逸。
だがそんな2人を、バングレイが見ていた。
「ふぅん……いい事思いついたぜ。ははははは」
つまみ食いって何をするのかと思ったら大和へのつきまといで、すっかりストーカー化しているぞ、バングレイ。
結婚式当日、ニンゲン界の結婚式に興味津々のおめかしジューマンズ&友達として不毛なライバル心を燃やすさわおも、参席を主張。当然、招待客に入っていない5人は、許可を得て教会の2階から見学する事に。
「あ〜、素敵ー」
「ここで永遠の愛を誓うのね〜」
「なーに乙女みてぇな事言ってんだよ」
「乙女よっ」
珍しくアムときゃっきゃうふふするセラ、いいパンチが入りました。
しかし式の途中でデスガリアン反応が感知され、5人は大和に告げずに反応の元へ向かうが、そこに居たのはバングレイ。
「デスガリアンじゃなくててめぇか!」
「あ〜、なるほど、おまえらも招待されてたのか」
「……なんのつもり?」
「ああ、俺の知り合いの、結婚式でねぇ。お祝いに、ぶっ壊してやろうかなぁって」
完全に、タチの悪いストーカーです。
「ほら、風切大和って、記憶の繋がりを切っただけじゃ、壊れなかったじゃん。だから――今度は現実の繋がりを切ってやろうかなーって。ははははははははは」
大和の友人・大地を殺す、と宣言するバングレイの前に、立ち並ぶ5人の仲間達。
「守るぞ、大和と大地の繋がりを!」
この構図は、ジューマン達が鳥男と戦っている間に大和が独りギフトに立ち向かった第11話の裏返しと見えますが、ジュウオウジャーの関係性が、良い形でまとまりました。
「やっぱ邪魔すんの? じゃあ、狩るしかねぇな」
「俺達を――」
「「「「「なめるなよ!!」」」」」
仲間達の不在に気付き結婚式場で落ち着かない大和と、ジュウオウジャーvsバングレイの戦いが交互に展開。5人がスクラムを組んでバングレイを押し返すというのは、物語としての意味と絵としての格好良さが合わさって、とても良いアクション。
だが難敵バングレイはアンカーサンダー範囲攻撃で反撃し、野生解放して立ち向かうジュウオウジャーは次々と変身解除に追い込まれていく。
指輪交換の最中、遂に式を退席した大和は仲間達を探し、望遠視力で戦闘を発見。ハッキリと厳しい選択を突きつけるような事まではしませんでしたが、二つの繋がりの間で揺れる大和の人間的部分から、ヒーローとしての特殊能力を活かす展開に繋げたのは鮮やか。
「惜しかったなぁ、おまえは戦いにムラが有りすぎんぜ」
野生大解放したサワオも、至近距離で頭にメガバングレイ光線を浴びて、変身解除。……これでリタイアしないサワオ、本当にハイスペック(^^;
生身の5人にバングレイが迫ったその時、駆けつけた大和は怒りのゴリラ変身からバーンナックル。
「狙うなら、俺だけにしろぉ!!」
「おまえを倒してもおまえの心は壊れねぇだろ? 俺はおまえが信じる繋がりが切れて、絶望する姿が見たいんだよ!」
バングレイはレオの記憶からパラリラ怪人を具現化すると時間稼ぎに用いて、式場へ。ここで、あの体型でバック転を決めているゴリラ凄い。ゴリラはパラリラを撃破するとイーグルに覚醒し、バングレイの凶刃が大地に振り下ろされる直前、天空から降り立ってそれを阻む!
「バングレイ! 新しく生まれた繋がり! 絶対に俺が守る!!」
挿入歌とともに激怒のイーグル鬼畜タイムが始まり、鞭剣で捕らえたバングレイを風車に叩きつけた上で落下ダメージを与え、更に連続攻撃。イーグルの格好良さが光りますが、バングレイは、飛行属性と相性が悪いのか。
「おいおい、こりゃ、バリまず」
泡を食ったバングレイはイーグルの記憶から巨大槍怪人を生んで逃走し、ここで、大和がジューマン達と大きな繋がりを持った第2話の敵、というチョイスも良かったです。槍怪人はサイキングでさくっと撃破し、教会のチャペルが鳴り響く中、無事に新郎新婦の門出を祝う大和達。
「今日はありがとな、大和。おまえが守ってくれた繋がり、大切にするよ」
「……え?!」
一応誤魔化す大和、やはり友人に、仮面のヒーロー活動は知られたくないのか。
その頃……王者の資格を手にした鳥男は、その反応を頼りに?、地面に埋まっていたジュウオウキューブ(チーター?)を掘り返していた。その背にかけられる、懐かしい声。
「何をしてるんだい? ……大和が言っていた鳥男とは、やっぱり君だったんだね、バド」
「ラリーさん、お久しぶりです」
まさかの、さん付け!
鳥男とラリーが久々に登場し、2人が旧知の仲である事、そして鳥男が王者の資格で何かをしようとしている事が判明。鳥男が出ると物語の仕掛けが動くので、OPクレジットで先に登場を知ってしまうのがどうも、悩ましい(笑) しかも今回はラリーまで付きましたが散りばめた伏線も徐々に繋がってきて、転がし方がますます楽しみです。
大和の大学時代の友人を登場させる事で、人間としての大和とヒーローとしての大和という二つの面を描いて揺らし、バングレイの悪辣さ・仲間達との絆・繋がりを守る為に戦うヒーロー降臨! と要素を綺麗に繋げて面白いエピソードでした。
田中さんがこのレベルを持ってきてくれると、今後も非常に有り難いです。
赤&サワオとジューマンズとの戦力格差がじわじわ深刻な問題になりつつある気はしますが、これが勢いではなく、先を見越した意図的な描写だったら良いなぁ。
なお今回の教訓は、ヒーローはみだりにフルネームを名乗ってはいけないです!
次回――意外にも、セラ×タスク回。そして予告の感じからすると、夏の微妙に総集編風味?