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『重甲ビーファイター』感想26

◆第29話「ライバル大激突」◆ (監督:金田治 脚本:宮下隼一)
「甲斐拓也……ブルービート……あいつを倒し、成り代わらぬ限り、俺は唯一無二の、絶対の存在ではない」
ブラックビートが要塞でひたっていると、そこへごつい機械を担いでえっちらおっちらやってくる3幹部。
「これぞ我ら3幹部が、久々に持てる力を結集、共同開発した、究極の新兵器」
主人公達より先に合体武器を開発するという展開、それを3人で構えている姿、そして台詞、と何から何まで面白すぎます(笑)
「空気圧を自在にコントロールできる、邪空砲だ!」
「これさえあれば、地球侵略はなったも同じ」
「問題はビーファイター相手にどこまで有効かという事だ」
全然、地球侵略、なってない……(笑)
最大の不安を口にした3幹部は、邪空砲をブラックビートへと向ける。
「……まさか」
「奴等と同じインセクトアーマー、実験台にはうってつけというわけだ」
身内の足の引っ張り合いに悪の幹部が合体武器を持ち出す、というのは作品のカラーが戦隊寄りになる中での意図的なパロディという感じがしますが、この人達はやりそう、という説得力が素晴らしい(笑)
ブラックは邪空砲を撃たれる前に反撃して3幹部を拘束すると地球へ向かい、ちこくちこくー☆と出勤途中の大作を強襲。救援に向かった舞も時限爆弾トラップにより瓦礫の下に埋もれ、同じく救援に向かった拓也の前には、黒ずくめの男が現れる。
「2人は、今頃、地獄の底だ。あとは、おまえ1人」
「誰だ、誰なんだ?!」
「シャドウ、とでもしておこうか」
と、ここまでは冒頭の3幹部から、生死不明の2人、拓也にも迫る危機、となかなか面白かったのですが、この後延々、拓也とシャドウが思わせぶりな台詞を交えながら取っ組み合いを続けるシーンが、さすがに長すぎてダレました(^^;
「甲斐拓也、ブルービート、今日こそ、貴様の怒り、喜び、悲しみ、そして戦士としての能力……全てを見てやる、奪ってやる!」
激闘続く中、突然、お仕置きに現れるメガオーム様。
「許さん、ブラックビート。そこまでの独断専行を認めた覚えはない」
「俺はビーファイター、ブルービートを抹殺する為に生まれた。それが誰の意志か、忘れたとは言わせん。俺にはジャマールも、ビーファイターも、正義も悪も関係ない。俺は俺である為に戦う。戦い続ける! 気に入らぬなら、今ここで、俺を処刑するがいい」
「そこまで言うなら戦え。だが、敗北は死。そやつの首を落とさぬ限り、おまえにも、明日は無い」
再び向き合う両者。
「――戦え、甲斐拓也。光と影、貴様と俺の、宿命の戦いを」
「光と影? 俺とおまえの宿命?」
「俺は貴様を倒す。そうしなければ、俺は俺になれないのだ」
シャドウが5発殴る間に、拓也が1発殴り返す、といった具合で、戦いは徐々にシャドウ優勢に。
(このまま傷の痛みを、死を、敗北を受け入れて何が悪いんだ。何が……!)
そして、なんだか全てが面倒くさくなってしまう拓也。だが拓也は、水たまりでじたばたしている虫や足下に咲く花を見て、この自然を命を守らなくてはならないと、再び立ち上がる。
正統派ヒーローとして劇中で最も粘り強く最後まで希望を捨てない拓也が、変身不能でほぼ一方的に殴られているにしても、いきなり弱音を吐くのはかなり違和感で、戦う理由との繋ぎ方もだいぶ強引になってしまいました。
話の流れと演出からすると
ダメージとそれにともなう流血により昆虫魂の汚染が薄れ、正気に戻る拓也 → だが、そうはさせじと飛来してくる昆虫 → 甲斐拓也、おまえは、最後の最後まで、こうやってもがいてもがいてもがき続ける宿命なのだっっっっっ ↓
昆虫魂・再注入! (ぴかーん)
に見えるんですが(笑)
再起した拓也に強烈な手刀の一撃を浴びせるシャドウだが、何故かそのダメージがフィードバック。一瞬の隙をついた拓也は決死の体当たりでもろともに地上へと落下し、傷だらけになりながらも奪われたコマンダーを回収する。
「邪甲!」 「重甲!」
いよいよお互いのインセクトアーマーを纏ってぶつかり合う両者だが、そこへ縛めを解いた3幹部が乱入。邪空砲により押しつぶされそうになる青と黒だったが、瓦礫の下から筋力で復帰したレッドルが邪空砲を破壊。コマンダーを取り戻した大作も変身して、3幹部は退散する。仲間を制して一騎打ちを続けようとする青だったが、黒もツモられてジャマール要塞へと帰還。
「何を企んでいる。この俺に、ブラックビートに何をさせるつもりだ!」
本当の戦いはこれから始まる。光と影たる、お前達の本当の戦いも、これからだ」
要塞ではメガオーム様が思わせぶりな状況をひたすら煽り、地球では拓也が、互いに負った同じ傷に困惑を深めるのであった……。
「何かが、何かが始まろうとしている……」
果たして、甲斐拓也とシャドウ、光と影の関係や如何に?! と、1話まるまる使って拓也とブラックビートとの因縁をたっぷり深めたのですが、それ以外に何の内容も無いエピソード(^^; 両者の因縁を深める必然はあったのでしょうが、劇中半分ほど殴り合っているだけなのは、さすがに途中で飽きてきてしまいました。おまけに、処刑とか宿命とか盛り上げた割には、最終的にガオームツモによる回収で誤魔化してしまい、大きな話の筋に変化が無かったのもマイナス。布石のエピソードにしても、もう少し、別の事件と絡めるなどしてほしかった所です。
次回――まさかのガオーム様予告乱入で、総集編風味?


◆第30話「13怪人大武闘会」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:浅香晶)
メガオームにツモられたビーファイター3人は、第64041回ゴーストゾーン武闘大会に特別ゲストとして強制参加させられる事に。そこでは、勝ち残った物だけが生き返るという特典を賭けて、13ゴースト怪人が激しい戦いを繰り広げていた!
過去怪人再利用という事で総集編風味なのかと思ったら、過去映像は使わない真っ当なバトルが繰り広げられ、次々と怪人やビーファイターが1対1の戦いを繰り広げるのは、最強決定戦のような風味があって、なかなか燃えます。
そんな中、大作は、唯一の新規キャラ・傭兵剣士シンバッドと戦士として認め合う事に。
青と赤が自爆攻撃でリタイアし、決勝で対決する事になる2人。
「待て、あんたとは戦いたくないんだ」
「おまえに戦う気がなくても、俺はおまえを倒す!」
「そんなに生き返りたいのか?! 金と出世の為に!」
いや、金と出世関係なく、生き返りたいのでは。
戦闘中、落とした首飾りを拾ったシンバッドは、その真の目的がジャマール内部で出世する事によりガオームに近付き、侵略された故郷の次元の復讐をする事だと告白。当然それを耳にした進行役のシュバルツはエクストラプレイヤーのデスマルトを乱入させるが、そこに自爆に耐えていた青と赤も駆けつける。
コンセプトは悪くなかったと思うのですが、ガオームゾーン的な異空間なのに、ふらふら歩いていると対戦相手以外と出会ってしまい、青と赤も突然やってくるなど、話を成立させる為にゴーストゾーンの設定が“トーナメント戦が成立しない”レベルにぐちゃぐちゃなのが、勿体ない(^^; ここをもう少しきちっとしたルーリングで組めれば、もっと面白くなったと思うのですが。
「仲間か……しばらく忘れていた言葉だ」
ビーファイターと共闘するシンバッドだが、デスマルトの攻撃で致命傷を受け、最後の力を振り絞って特攻。デスマルトが爆発した際に生じたエネルギーでビーファイターは通常空間へと帰還すると、メガビートキャノンでゴーストゾーンを吹っ飛ばし、打倒ジャマールを改めて強く誓うのであった。
色々な怪人を見せるアクションシーンは凝っていましたし、ゲストのシンバッドも格好良く、もう一歩全体が洗練されていれば、という惜しいエピソード。ゴーストゾーンに呼び込むのを緑だけにすればだいぶスッキリしたと思うのですが、さすがに青と赤の出番が減りすぎるので、難しかったか……その割に、ラストバトルでは青と赤の出番が無くて首を捻るのですが(^^;