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駆け足『仮面ライダーフォーゼ』感想12

〔GYAO!〕で1週間12話ずつ配信されている、『仮面ライダーフォーゼ』感想。タイトル通り駆け足気味で、ボリュームは、その週の視聴ペースと、心身の余裕により増減予定。
◆第39話「学・園・法・度」◆ (監督:諸田敏 脚本:長谷川圭一
「真面目に生きるのも、いいもんスねー!!」 (ジェイク)
生徒会長の入院により会長代行になった杉浦雄太が突然、多数の禁止事項で生徒達の自由を奪う天ノ川学園法度を発布。「法度は絶対だ。従わない者は誰であろうと処罰する」と高圧的な姿勢で学園の浄化を進めていく杉浦に当然反発する弦太朗だが、杉浦との得意技勝負に負けてしまい、杉浦が変身したタウラスゾディアーツの能力により、法度の内容に逆らえない体にされてしまう。
この勝負で突然披露されるダブルダッチは、役者さんの特技パターンでしょうか。
一方、前回の話を拾い、宇宙特待生授業を受ける事になる、賢吾、ユウキ、そしてエリーヌの辞退で繰り上がった次点の友子(試験の性質を考えると、繰り上がり合格って非常におかしいですが(^^;)。賢吾はそこで特別講師として招かれた江本教授(京都編で登場)と再会し、友子は理事長を太陽、賢吾父を地球、自らを月に例える江本に不思議な親近感を覚える。
「歌星の横で、我望の光を浴びて、薄ぼんやり輝く、月」
法度と契約書によりリーゼントセンサーが機能停止し天高の制服姿になった弦太朗は、同じく勝負に負けて髪を染めアクセサリーを全て外す羽目になったジェイクと共に生徒会に潜入(なお流星は他校の生徒なので法度は適用されないとの事)。そこで杉浦の変貌の原因が、入院中の生徒会長・壬生彩加にあるという情報を手に入れる。
弦太朗とユウキは病院へと向かい、タウラスと交戦したメテオは、成り行きから杉浦の特技であるゴルフで対決する事に……。


◆第40話「理・念・情・念」◆ (監督:諸田敏 脚本:長谷川圭一
「誰であろうと、僕の正義に背く者は許さない」 (杉浦雄太)
見所は、「ここからは、俺のやり方で自由に戦う」と、相手が見ていない森の中なのをいい事に違反クラブ(メテオ棒)でショットしてゴルフ対決に勝利を収める仮面ライダーメテオ
率直に、前回の妙に薄暗い病院のギャグ描写とか、今回のトンデモゴルフ対決とか、ゴルフに負けたタウラスによるメテオ洗脳とか、本筋にさして影響しない枝葉の部分で凄く小手先のネタに走っている感が強いのですが、少なくともライダーに変身しているにも関わらず、あっさり魂を奪われて洗脳されてしまうメテオ、というのはやってはいけないネタだったのではないでしょうか。
前半の猥雑路線の反動なのか、『フォーゼ』全体として、より児童層を意識した演出ラインのオーダーが出ていた可能性はありそうですが、ここに来て、凄く演出と脚本の不調和を感じます(^^;
「月が……好きなんですね?」
「月は、僕の青春だった。でも今は……月は嫌いだ。親友を亡くした場所だから」
「先生が、近くて、遠い理由、わかった気がします」
友子は生徒会に追われていた所を江本に助けられ、相変わらずおいしい位置づけ。
月面に出た友子は月の石を拾い、江本にプレゼントしようとするが、そこでバルゴゾディアーツが江本に変身する光景を目にし、慌てて逃げるも廊下に石を落としてしまう。
とうとうバルゴの正体が判明しましたが、江本(EMOTO)=OTOME、と物凄く直球だった事には、前回の再登場でやっと気付きました(笑)
サソリの例があったので性別ひっくり返しまでは想定していましたが、如何にも人の良さそうな中年男性、というのは好キャスティング。それにしても、声が田中理恵になるスイッチとは一体どんな気分なのか、少々気になります。
病院で壬生の、そして杉浦に処刑されそうになっていた生徒会の沖荘子から話を聞いた弦太朗は、杉浦の暴走の背景が正義の理念ではなく、壬生に怪我をさせたヤンキー4人組を懲らしめたいという個人的な恋愛感情に基づいていた事を知る。
「おまえの行動が本当に正義なら、迷わず出来るはずだ。おまえの好きな彼女を処刑してみろ!」
「彼女を傷つけるなんて、僕に出来る筈がない……!」
杉浦は自らタウラスの杖を折り、解除される生徒達の洗脳……という、正義だと思ったら恋心でした、というのは一ひねりのつもりだったのかもしれませんが、不在の生徒会長・暴走する杉浦・妙に可愛く描かれる腹心の沖、と配役の時点で三角関係待ったなしだった為に、あまりひねりとして機能せず(^^;
また、弦太朗が当初対決していたのは「杉浦の振りかざす正義の内容」だった筈なのに、「おまえのは正義ではなくて私怨だ!」と解決してしまうので、勝利の為のトンチとしてはありですが、弦太朗自身が「杉浦の掲げた規律」を自分の言葉で打ち破っていないというのは凄く引っかかる部分です。まあ『フォーゼ』世界では、「自由の敵」=「悪」という事なのかもしれませんが、そこは弦太朗の言葉を組み込んで欲しかったなぁとは思う所。
杉浦と友情タッチをかわす弦太朗だがそこにバルゴが出現。タウラスに変身した杉浦はホロスコープスを裏切ってバルゴに突撃するが、哀れシベリア送りにされてしまう。
「杉浦をどこへやった?!」
「この先はダークネビュラ。ゾディアーツが生まれた時に放出される、負のコズミックエナジーを吸収して成長する、永遠の牢獄だ」
フォーゼ:コズミックとメテオストームはバルゴ(さすがにパーツが重くて動きにくそう)に立ち向かうが軽くあしらわれ、計画が最終段階に進んでいる事を告げて姿を消したバルゴは、理事長にタウラススイッチを届けると、江本の姿に。
「バルゴよ、私の前に立ちはだかるものは、容赦なく排除しろ」
理事長は瞳を輝かせ、それに呼応するかのよるに、江本の瞳も紅く染まる。
「わかっています。歌星を手にかけたあの時から、私は誓った。月ではなく……私が地球になる」
第1話のアバンタイトルは何らかのミスディレクション狙いだろうとは思っていましたが、賢吾父と揉めていた宇宙服の中身は、江本であったと判明。そして江本は、自分の正体に気付いた友子を、冷徹にダークネビュラに送り込む……!
ヒロイン度が上がりすぎたぁぁぁぁぁぁ!!
友子、衝撃のシベリア送りという激震に続き、次回、まさかのタチバナ降臨。
心理的には一番きっついキャラが真っ先にダークネビュラ行きにされてしまったのですが、残り話数1桁になっての急展開で、果たしてどうなる?!


◆第41話「部・活・崩・壊」◆ (監督:山口恭平 脚本:中島かずき
「おまえらが何をしようと俺は知らん! ……ただし、絶対に死ぬなよ。それは校則違反だ」 (大杉宙太)
大杉先生、唐突に格好いい台詞を貰うの巻。舞台メインでやってきたという事もあってか、こういった瞬発的な台詞の格好良さは中島脚本の長所でさすがだなと思うのですが、一方で長期的な細かい積み重ねと関係ない飛躍がしばしば見られてしまうのが、今作の良し悪し(^^;
バルゴは12使徒会議で江本の正体を明かし、シルエットで理事長変身。
「覚醒の日は近い。邪魔者は全て排除する。わかっているね」
これを受け、バルゴの正体を知らなかった校長が、相変わらず私の扱いが軽い……と“覚醒の日”について立神に絡んで軽く絞められ、
「ちっぽけなで疑念で心のバランスを崩す。だから天秤野郎は駄目なんだよ」
「単細胞の忠犬獅子公め!」
という台詞も秀逸でした。
リブラが進化したラプラスの瞳で12使徒スイッチの反応をサーチできるようになっており、他の12使徒の動向をねちねち探っているというのは、今回クライマックス〜次回の重要なキーポイントになっており、それを見せておく布石なのですが、やり取りの面白さと横山一敏の生アクションが、一見ただのサービスシーンとして上手いカモフラージュにもなっています。
その頃、行方不明の友子を探す仮面ライダー部に対し、ライダー2人と賢吾以外は、本格的に命を狙われる前に手を引くべきだ、とタチバナから警告がもたらされる。
「君達に忠告しておこう。友情は――危険だ」
「友情が、危険?」
「ああ。友情はその甘さ故に、道を見誤る。全員死にたくなければ、よく考えたまえ」
「友情が危険だ? 冗談じゃねぇ。俺がダチになって、タチバナさんにも友情の絆を教えてやる」
だがタチバナの警告通りに部員達は次々とバルゴから脅迫を受け、いちいち個別に脅かしては去っていくバルゴは、本当に律儀でちょっぴり暇人です。脅迫を受けた部員達はそれぞれの事情からやむなく退部を余儀なくされ、弦太朗・賢吾・流星の3人だけが残ったラビットハッチに、突如乗り込んでくるタチバナ
「そんな指さし確認の必要は無いよ、如月くん」
タチバナは「今の君に必要なのは、友情ではなく、非情だ」と、絆エネルギー無しでコズミックを発動可能にする為の特訓フェーズへ。タチバナの特訓に苦戦しながらもスーパーロケットを発動して食らいつくフォーゼだったが、賢吾がタチバナの右手に残ったエネルギー反応から、その正体を見抜く。謎の支援者タチバナの正体……それはバルゴゾディアーツだった!
タチバナ=バルゴ=江本という真実が明かされ、京都・学園・マジカル衛星をワープ能力で行き来していたのかと思うと、物凄い暇人……じゃなかった、仕事熱心。そして、声が田中理恵になるスイッチだけでは飽き足らず、声が檜山修之になる鉄仮面を作ってしまったのは、趣味なのか、暴走なのか。
激昂してタチバナ/バルゴに襲いかかる流星だったが、ヘリウムより軽いメテオストームは、とうとうあっさりダークネビュラに送られてしまい……つづく。


◆第42話「射・手・君・臨」◆ (監督:山口恭平 脚本:中島かずき
「私は矢だ。常に真実を射貫く矢だ。今も的は見据えているよバルゴ。いや、江本」 (我望光昭)
メテオをシベリア送りにしたバルゴは闖入してきたリブラと共に姿を消すが、メテオ独楽が回り続けている事から流星の生存を確信した弦太朗は、タチバナとの特訓を続行してダチになると宣言。バルゴへと姿を変えたタチバナとの激闘の中でコズミックを発動するフォーゼだが、それはタチバナの求めた非情ではなく、弦太朗の信じ続けた友情によるものだった。
「みんなが一緒に居なくてもいい。それぞれがそれぞれの道を信じて進んでいれば、俺は絆を信じられる」
そしてそこに駆けつける、仮面ライダー部員。
「死ぬのは怖いけど…………逃げるのはもっと嫌だ! ライダー部もやる、宇宙飛行士にもなる、それが私の一直線、だよ」
「友情は危険なんかじゃねえ。友情は――ダチだ」
「負けたよ、如月くん。君達の言う友情を、もう一度信じてみてもいいのかもしれない」
今回の厳しい所は、あれだけ絆エネルギーを強調したコズミックが、タチバナの言う非情で発動可能になる根拠がさっぱりわからない事と、タチバナの特訓の何が非情に繋がるのかが、全くわからない事(^^; 恐らくは理事長と近い形でのコズミックエナジーの制御法を指しているのでしょうが、その部分が江本脳内でだけ処理されている為、タチバナの示した方法とは別の道を選ぶという弦太朗の「選択」と、それにともなうタチバナの「翻心」の劇的さが大きく薄れてしまいました。
タチバナはシベリア送りにしていた流星と友子を呼び戻し、友子、メテオストームにお姫様だっこされて帰還!
よくやった江本!
ユウキがポンコツになっていくのと反比例するかのように、友子のヒロイン度の上昇が留まる所を知りません。
これまでダークネビュラ送りにした面々も実はマジカル衛星内部で眠りにつかせていただけだと説明するとタチバナの仮面を外し、素顔をさらす江本教授。
「如月くん、何があっても、君の友達の事は守ってやってくれ。どんな事になってもだ」
一度は強大な力に屈して従ったものの、江本はホロスコープスの裏切り者としてフォーゼやメテオに影で力を与えていた事を明かし、12使徒スイッチのみならず本体も回収していたのは、「馬っ鹿おまえ、宇宙で12使徒斬るなよ!!」という本気のフォローであった事が判明。多分、校長の時はどうしようか、ちょっと考えた。
弦太朗と友情タッチをかわす江本だが、その為に重要な説明の途中で背後から光の矢に貫かれる事に。
「残念だよ……バルゴ。私が宇宙の真理に到達するパートナーは、君だと思っていたが。だが、君が私を裏切る事も、星の定めだったのだな」
自ら江本を誅殺しに初お目見えするサジタリウスゾディアーツ! 変身するもバルゴは全身に射手座アローを浴び、代わりに立ち向かうダブルライダー。部員達をワープ能力で逃し、賢吾とだけ別の場所に転移したバルゴは賢吾父を殺した罪を告白するが、またも重要な説明の途中でレオとリブラに襲撃を受け、12使徒スイッチを集めるというホロスコープスの目的を言い残すと、賢吾を残して転移。
一方、ダブルライダーはサジタリウスに圧倒的実力差を見せつけられ、今日も片手で弾かれるメテオ独楽。
「若者よ、わかったかね。それが諸君らの力だ。いや、力といえるほどのものでもないか。ふふははははははは」
射手座は余裕綽々でその場を立ち去り、これで、レオにもバルゴにもサジタリウスにも完敗で、まともに倒せる相手はリブラだけ。ここ4話でまがりなりにもライダー側が勝利を収めたのは、ゴルフ対決(反則勝ち)だけな気がするのですが、よくこの作劇、許されたなぁ(^^;
いや、負けるべき時に負けるのは必要だと思うのですが(むしろ近年は、負けさせてはいけない縛りがあって厳しかったりするらしいですし)、さすがに、勝てない相手に見逃されるパターンが続きすぎの感。
「結局生き残ったのは、私でしたね……バルゴ」
「いいんだ、最後にまた、友達がで――」
レオの爪にかかり、江本/バルゴ/タチバナ、絶命――そしていつもの部屋に戻って変身を解いた我望光昭は、どこか哀しげな表情でその名を呟くのであった。
「…………江本」
ここの表情は良く、理事長は最初凄くふわふわしていたのが、少ない出番で着実に物語の中に入り込んできたのは、作品を助けている所。
仮面ライダー部は月面にタチバナの鉄仮面と江本のメガネを葬り、何だかいい人だった扱いでまとめられていますが、今回もコズミック発動できないならフォーゼ切り捨てよう発言があったし、その場その場の都合で自分の目的の為に若者達を利用しまくってきた割と駄目な人だった気がするのですが、物語をまとめる為に全責任を負わされた感もあり。