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『仮面ライダーエグゼイド』感想・第2話

◆第2話「天才二人は no thank you?」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:高橋悠也
OPはテンション上がる感じではなく、戦闘シーンは挿入歌に期待か。
仮面ライダーエグゼイドに変身した事で、ピポパポパから小児科とCRを兼任する様に要求される主人公Mだが、そこへ第二の仮面ライダー適合者、院長の息子にして天才外科医と名高い鏡飛彩が海外から帰ってくる。CRに永夢は必要ない、と告げる鏡は騎士のような姿の仮面ライダーブレイブに変身。
最初、「仮面ライダーブレイド」と聞こえて、え?ありなの?と動揺したのですが、「ブ」でした。騎士は騎士でこれまた過去作と被っているし(「ライダーバトル」をアピールしている事を考えると、意図的でしょうか。変身者の名前も「鏡・ヒーロー」ですし)割と困ったモヒカンです。
術式LV1で患者とバグスターウィルスの切り離しに成功するモヒカンだが、突然“黒いエグゼイド”が乱入。エグゼイドもブレイブも黒エグゼイドに軽くあしらわれ、実体化したバグスターに逃げられてしまう。
第2話にして色々台無しのいきなりレベルアップ(大変身)をしようとしたエグゼイドがポッピパーに止められ、患者とウィルスの切り離しはLV1でなくては出来ない、と説明がされるのですが、LV1でなくてはいけない必然性が特に補強されない為、設定の為に設定になった感じ(^^; LV1固有の切断技とかあれば納得度が高くなるのですけど。そして基本設定の説明と新キャラの色づけの最中に、謎の黒いエグゼイド登場まで描くという忙しさで、相変わらず何かと大変そう。
ひとまず患者をCRに運び込む永夢達だが、患者を一顧だにせず奥に引っ込んでショートケーキを執刀し始めた鏡にくってかかるM。
「なんで、ケーキなんて食べてるんですか? 今、しなきゃいけないのは……」
疲労回復の為の糖分補給だ」
「……患者よりも、疲労回復の方が大事なんですか」
それはそれで大事だと思います。
主人公とライバルの関係性として、“患者に寄り添う医師”“患者に寄り添わない医師”というスタンダードな対立軸を持ち込んできたのですが、主人公の怒りの視野が狭すぎて、率直に言って第2話にしてかなりやってしまった感。
主人公は、患者を診察しないで蔑ろにしている事に対して優先順位が違うのではないかと怒っているのですが、既に治療方法(バグスターを倒す)はわかっているので診察もへったくれもないですし、凄く苦しんでいる患者を無視でもしたのならまた印象が違いますが、患者は意識を失っていたので、主人公がむしろ明後日。
「患者には関わらない。それが俺の主義だ」
巡り巡って患者の為に疲労回復しているのだけど説明が面倒くさくなったのか、自ら論点をずらす鏡。
「患者が何者だろうと関係ない。俺はただオペで患者を治す。それだけだ」
「患者の体さえ治せれば、それ以外はどうでもいいっていうんですか?」
取りようにとってはむしろ、鏡の言い分は凄く立派な志だと思うのですが、どうしてそこでキレるのか。
「患者は物じゃないんですよ!」
挙げ句、誰も一切そんな事を言っていないのに、勝手に悪い方向に曲解する主人公。
「あなたはドクターじゃない」
て、えーーーーーー?! ……過去の体験から主人公の中に“理想のドクター像”があるのはわかるのですが、これではただの独善です。
「患者は僕が救います」
それに対する鏡がまるっきり無視なのでいきなり白黒つける気はさすがに無いようですが、病室に戻ると都合良く患者が意識を取り戻していたり、非常に粗雑。
「ストレスが原因かもしれませんね」
そして、前回と全く同じ乱暴な診断を下す主人公。
これは、ストレスで人体内部のバグスターウィルスが活性化する(既にウィルス自体は人間社会にばらまかれている)という要素と繋がり、今後のフォーマットの為の布石なのでしょうが、しかし既に、「バグスターを倒す事で根治」(バトル要素)と「患者のストレスを取り除く」(ドラマ要素)が明らかに分裂しており、物語の中で巧く接続できるのか非常に不安です(^^;
人の命を救う事にしか興味が無い鏡に対し、人の命も心も救おうとするM、という対比構造も狙いであり、2つの要素を接続するのが主人公の役割という事になるのでしょうが、かなり危ない方向へ踏み出した印象。
で、この後、患者に寄り添おうとしたMの行動がバグスターのあぶり出しに繋がるような流れになるのですが、人質を無視して大変身するブレイブに対し、
「患者も……彼女も、両方救う。それが俺のオペレーションだ!」
と粋がった割には、(結果的に、という事かもしれませんが)見る限り彼女を救ったのはモヒカンの攻撃だし、患者を救うために取った行動といえば、モヒカンが追い詰めたバグスターに対して、おいしい所だけ横取りして実績を得ようとする背後からの必殺攻撃で、ことごとく中途半端。
これは邪推の類いですが、物語の要請する都合により、鏡に対していっけん主人公が正しいと描く事に関して、演出が(下手すると脚本も)納得していないように見えるのですが(^^;
一方で、後でひっくり返す事を前提にしているほど鏡に寄せた描写でもないので、凄く曖昧に誤魔化している感じ。
そもそも主人公のポジションが「未熟な研修医」なので、色々な考え方を吸収して変わっていく、という作劇は当然ありなのですが、もしかして今作、“主人公が変わっていく”のか“主人公が変えていく”のか、基本の方向性をどちらにするかまだ決めかねているので、どっちつかずの描写になっているのではないかと、激しく不安。
ラストに至っては、「こんな人に、患者を任せられませんから」と鏡を医者として完全否定してしまうのですが、特定の正論に寄せずに互いに切磋琢磨していく、とするにしては、今度はあまりに主人公の言動が攻撃的すぎて引っかかってしまいます。
というわけで、前回そこそこ生じた主人公への好感度が今回一気に地に落ちたので、このまま主人公が全肯定されるような世界観だと、正直辛い。最低限、鏡は主人公の患者への接し方を、主人公は鏡のプロフェッショナルな姿勢を、それぞれ尊重して見習っていく、みたいな展開になってくれるといいけどなぁ……なぁ……なぁ……。
まあもっと鏡を、如何にも患者に冷淡な悪役として描ければ話は簡単だったのでしょうが、鏡を悪役として描ききれず、かといって主人公をヒーローとして描ききれず、その癖とりあえず対立させなくてはいけない、という複数ライダーバトル展開の問題点が、いきなり大噴出したように見えます。
次回――闇のドクター、前髪垂男、登場。……て、今更気付いたけど、ライダーは髪型で特徴付けるというコンセプトなのか。