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『仮面ライダーエグゼイド』感想・第3話

◆第3話「BANしたあいつがやってくる!」◆ (監督:坂本浩一 脚本:高橋悠也
「ライダーゲージに気をつけて。0になったらゲームオーバー。死んじゃうよ!」
「ええっ?!」
ええっ?!
第2話に引き続き、“尺の都合で視聴者に説明しきれていない重要事項”を“劇中で本当に説明していない事”にしてしまった為、第3話にして、衛生省が物凄くダークな組織に。
台詞こそ無いものの、エグゼイドだけでなく、ブレイブも「え? おまえいきなり何言ってんの!?」と見えるリアクションしていますし(^^;
今回初登場の前髪枠、無免許医・花家大我/仮面ライダースナイプは、かつてCR所属の優秀な医者であり仮面ライダーだったが、ゲームの魅力に取り憑かれて医療ミスを起こして医師免許を剥奪されて裏の世界に……という事なのですが、多分、衛生省が作ったVRなギャルゲーのせいで3次元に戻れなく(以下略)
患者のストレスによって無限に増殖を繰り返す敵ソルジャーに囲まれてゲージは残り僅か、絶体絶命の状況に追い込まれ、「仕切り直す判断もドクターには必要だ」と変身を解除する鏡。
…………いや、ええと、戦闘をオペになぞらえている以上、その場合の判断材料は“患者の体力”であって、“医者のライフ”ではないような気がするのですが、第3話にして、鏡の医者としてのプライドが消失。
勿論、医者が率先して死んでもまずいわけですが、瀕死の患者を前に何の葛藤もなくさらりと変身解除するので、凄くどうしようもない感じに。
そして、変身解除しても通常空間に復帰できる様子ではなく(外のパピプペポからは、内部の様子は見えるけど、結界に阻まれて入れない、というような演出)、むしろ変身したままの方が装甲が厚いような(^^; 変身解除するとゲームキャラクターとしてみなされないので攻撃対象から外れる、とかかもしれませんが。
一気にへたれた鏡に対し、患者の命を救うべく、ソルジャー部隊へ向けて突撃していくエグゼイド。映像上、ブレイブと残りゲージは同じだった筈なのですが、銃撃の雨あられを受けてもちっとも死にません(^^; ヒーロー演出といえばヒーロー演出なのですが、鏡が必要以上にチキンになってしまった上に、「エグゼイド! ゲームオーバーが怖くないのか!」と物陰に隠れながら凄く普通のリアクションをしてしまうスナイプもかなり間抜けになり、総じて、主人公のヒーロー性を確保する為に、他のキャラクターを貶める作劇になっているのが、非常に引っかかります。
この後、エグゼイドはアイテムで硬化する事で銃撃を跳ね返して逆転するのですが、それならノーガード特攻無しで、追い詰められた所からアイテムの存在に気付いて逆転する、とすれば、戦闘におけるゲーム要素・Mのゲーマーとしての発想・他の二人を必要以上に貶めない、と諸々押さえられたような。どうも今作、「従来的なアクションシーンの文法」と「ゲーム要素/医療要素」が、思った以上に歯車噛み合っていない気がしてなりません(^^;
「ユウキ、俺がついてる! 二人で力を合わせれば、何も怖い事はない!」
命がけで奮戦するエグゼイドの姿に「先生と一緒に戦おう」というエムの言葉を思い出した患者の少年は医者に対する恐怖を振り払い、そのストレスが和らいだ事で増殖の止まるソルジャー。一応、少年が医者エムの言葉を思い出してはいるのですが、率直に医者としては少年と全く意思疎通できていなかったので、少年の心を開いたのはあくまでエグゼイドであり、物語としては「医者」が救えなかった少年を「ヒーロー」が救うという構造に。
これも従来作の文法なら問題は無いのですが、今作における「医者」が、第1話の最初で「現実のヒーロー」として置かれていたにも関わらず、第3話にして主人公のヒーロー性を確保する為の踏み台にされてしまいました。
ここ単独なら、「医者」と「ヒーロー」を融合するにはまだ積み重ねが足りなかったかな程度の話で済むのですが、深刻なのはこれが、鏡や大我を真っ当な医者として描かないという手法と繋がっている――すなわち、今作の話法になっている――事で、この先もこの、主人公を引き立てる為に他の何かを蹴り落とす作劇が続くようだと、凄く辛い。
エグゼイドはリボルバー怪人を倒したかに見えたがそれは分身で、ステルス状態だったボスキャラはスナイプが撃破。どちらがゲームをクリアするか、という賭けに負けたエムは、大我に一方的にガシャットを奪い取られてしまう……。
これを見て、「引き際を誤ったからそんな事になる」と、白衣×ワイシャツ×蛍光色のベルト、という凄い組み合わせの姿で宣う鏡ですが、引いていたら患者が死んでいた可能性が極めて高いので、事の本質を完全に見失っており、すっかり、何を言っているのかわからない人に。
5年前に大我が起こした医療ミスに怒りを燃やしている人と、同一人物と思えないのですが(^^;
今回、現在では「ゼロ・デイ」と言われる、バグスターウィルスによる人間の大量消失事件が5年前に発生していた事、その際にCRが発足し、大我が仮面ライダーに選ばれていたと解説。大我とバグスターの緑幹部、大我が起こした5年前の医療ミスについて鏡が「あいつは俺から、大切なものを奪った」と言及するなど因縁が構築され、本当は緑幹部が原因だった大我の医療ミスにより鏡が身内を失った、という辺りかと思われますが、医者としての信念を各自のヒーロー性の担保にするのかと思いきや、個人的怨恨で戦っている人ばかりに。
……まあ、登場する医者が全員駄目人間、というのを貫くならそれはそれでアリかとも思いますが。
仮面ライダースナイプは、風にたなびく羽織り物はワンポイントとして格好良く、通常射撃・スナイプモード・多重ロックオン、と要点を押さえた射撃武器は悪くない感じ。
次回、腹に一物ありそうなグラサン本格参入で、果たしてMは仮面ライダーに復帰できるのか?! そして、とりあえず銅像を置くように言われたのでスペース確保の為に母屋の床をぶち抜いた、みたいになっている気がする仮面ライダー病院の明日はどっちだ?!