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『仮面ライダーエグゼイド』感想・第4話&第5話

◆第4話「オペレーションの名はDash!」◆ (監督:坂本浩一 脚本:高橋悠也
LV2になるとバイクにならざるを得ない運命、はちょっと面白かった(笑)
とにかくノルマがきつくて色々大変なのは伝わってくるのですが、引き続き「視聴者に基本的な情報が提示されていない」のに「登場人物だけが次々と増量」されていった上で「登場人物も重要な情報を平気で知らなかったりする」ので、“視聴者が驚く情報”と“登場人物が驚く情報”の線引きが崩壊してしまっており、当然知っているべき情報でいちいち驚くキャラクター達の間抜けさだけが募ります。
どうして鏡は、「監察医?」という所で首をひねっているのだろうとか(^^;
劇中情報というのは、視聴者はみな知っている情報を、劇中ではある登場人物しか知らない為にすれ違いが生じる、などの錯綜によってこそ面白くなるのですが、総じて今作、その情報を見せる意味・その情報を見せない意味・ただ濁しているだけの情報、がごちゃ混ぜになっていて、情報の使い方が下手すぎます。
例えば「鏡/大我にはこんな事情があるからああいう態度だと視聴者は知っているけど、他の登場人物はそれを知らないから衝突する」のと「鏡/大我には何やら事情があるらしいけど濁されているので視聴者にはよくわからないし登場人物も知らないが、その内知っている人が突然の回想シーンで説明してくれる」では、良し悪しはまた別に、面白さの種類が全然違ってくるわけで。
……まあ、作品としてガジェット・登場人物含めて情報量があまりに多すぎるので、これを面白く錯綜させつつヒーロー物の文法に落とし込んで展開できるのって、全盛期の井上敏樹ぐらいではなかろうかとも思いますが(^^;
とりあえず、隠しはしないけど教えもしない、というポッピンプーの態度が酷すぎるので、いいから知っている事を全てレポート用紙にまとめて提出して下さい。
鏡なんて最初からドライバー所持していて、俺はエリートライダー、みたいに出てきたのに、劇中表現を見る限りエムとどっこいの情報しか与えられておらず、ただの可哀想な人状態。
そして今回も前髪がLV2になった途端に、突然刃物の存在を思い出した、みたいな感じで患者そっちのけで襲撃に行くという、安定の意味不明ぶり。黒エグゼイドの乱入で二人まとめて吹っ飛ばされて水入りとなった後、一人でヨロヨロしており、すっかり、打たれ弱い喧嘩好きです。
エムはエムで、前回ゲームに負けたからと無抵抗でギャルゲーマスター大我にガシャットを渡したのに、今回は戦闘のどさくさ紛れにレーザーが掏り取ったガシャットを平然と受け取っており、物事の判断基準に首をひねらざるを得ません。
前回ラストで「患者が救えたからいいんだ」とか言っていたのが今回は「ライダーに変身できなくて困っていて小児科医としての仕事にも身が入っていない」という描写になっており、そこは、「仮面ライダーとして活動できなくなったけど小児科医として頑張っている所をグラサンの計画に巻き込まれる」という形にしないと、エムの芯がどこにも見えてこないと思うわけなのですが。
そして今回の患者のストレスの要因は、妹が怪人にさらわれた……って、それもう、ストレスでバグスターウィルスが増殖してどうこうという問題になっていないような(笑)
その後の展開も、「怪人を倒す」=「妹を取り返す」=「ストレスが取り除かれる」が完全にイコールになってしまっているので、今作独自の「ストレスを解消する」という事の意味が全く無くなってしまっており、第4話にしてこれで大丈夫なのか。
前作『ゴースト』からの基本的に1話完結にするという方向性自体は嫌いではないのですが、1話完結にはそれにふさわしい構造と情報量があるわけで、どうもそこが根本的に噛み合っていない感じ。
また引き続き、アクションシーンにおけるエム(エグゼイド)のゲーマー要素が伝わってこないので、「天才ゲーマーの腕」「さすが名人」とか台詞で強引に補完する感心しない作りなのですが、変身中の主人公モノローグは禁じ手だったりするのでしょうか? ゲームの名人らしさを出すなら、展開の先読みモノローグがオーソドックスかつわかりやすいと思うのですが、それが出来ないのだとすると、やはり根本的な所で噛み合っていない感じ。
ライダーゲージのピンチ表現が前回よりわかりやすくなったのは良かったと思います。
バグスターのサンプル入手が目的という、案の定食わせ物だったグラサンアロハは、「ハナからそれが目的で、俺を乗せたのか?!」とエグゼイドに詰られるのですが、
「友達のニッシを助ける為に、俺と友達になってくれるか」
と先に宣言しているので、友達期間が終了しただけでは。
割と真摯な人だと思います。
あと、ラストに出てきた黒エグゼイドの、自転車フォームは格好良かったです。けっこう好きなデザイン。妙な既視感があるなぁと悩んでいたのですが……あれか、ザンネック(『機動戦士Vガンダム』)か(笑)
ところで、OP後と次回予告後のテロップ煽りが、書いている人だけが面白いと思っている系センス(或いは、本人も無理して書いている)なのですが、漢字にルビ振ってあるわけでもなく、あれはいったい誰に向けて書いているのか。辛いなら無理しなくて良いと思うのですが。


◆第5話「全員集結、激突Crash!」◆ (監督:山口恭平 脚本:高橋悠也
遅刻しそうになって病院へ急いでいたMは、道ばたに倒れて助けを求めるゲーム病患者を発見。慌ててCRに連絡を取るが、男はなんと、新たに完成した4本のガシャットを盗んで逃亡中の泥棒であった!
律儀にバイクの後ろに看護師乗せて現場にやってくる鏡が変な好感度を稼いだのですが、ハッタリ優先だったとはいえ第2話の登場シーン演出と全く繋がっていなくて目眩がします(^^;
スタッフは、一体全体、鏡をどういう位置づけに置きたいのか。
それから、ロボット怪人を見つけてエムと鏡をけしかける時など、仮野が見た目看護師の時に言行がパッパッパーになっていたけど、いいの……?
泥棒から誕生したとおぼしきロボット怪人に立ち向かうエグゼイドとブレイブだが、またも仮面ライダーツール・ド・フランスが乱入し、まとめて逃げられてしまう。そこに現れたグラサンが、自転車ライダーの正体は問題の泥棒だと情報をもたらし、患者の治療とガシャットのどちらを優先するかで揉めるエムと鏡。
「まずは患者の命を優先するべき」というエムの至極当たり前の発言をやたらと演出で盛り上げ、“凄く良い事を言っているように見せる為”にか、鏡と社長が揃って「犯罪者など治療する必要無い」とか言い出すぶっ飛んだ展開でクラクラしてきます。
これが、30人殺した人間をそれでも医療で救うべきか、みたいな重い倫理的問題が突きつけられるならまた話は変わりますが(それをヒーロー物で見たいかといえば別に見たくはないですが)、言ってしまえばただの窃盗犯に対する扱いなので、患者の治療を優先するエムがヒーローなのではなく、まずは締め上げて盗品の隠し場所を吐かせるべき、とのたまう鏡と社長の頭がオカシい。
江戸時代か!
社長は今回ラストで裏がわかるのでまだ良いのですが、鏡は本当に何をしたいのかどうしたいのか。エムの台詞に正当性を持たせる為に本来スタートラインレベルの倫理観さえ失ってしまって完全無欠のクズドクターと化しており、これが狙ったキチガイキャラなら使い方次第でアリですが、エムと対立させるという物語の都合の為だけに奈落の底に引きずり落とされ、医者として倫理観は無い・腕はある(筈)・危なくなったらすぐ逃げる、と、めっきりただのバトルジャンキー化している大我よりもよほど闇のドクターっぽいのですが。
エムはエムで、ゲーム病患者と誤解した黒ゼイドとは戦えないと言うのはまあ良いとして、その黒ゼイドに他のライダーが殺されそうになっても傍観しているだけなので、一体全体この主人公は、何を優先しているのか。
「もう、わけがわからない」
全くその通りでクリティカルヒット
勿論、現時点でエムがヒーローとして完成している必要は全く無いのですが、とにもかくにもエムのドクターとしての信念を強調したエピソードにおいて、強敵を前に「医者」として立ち上がるのではなく、女の子突き飛ばした上で「ゲーマー」としてキレる展開になるというのは、本当に今作において、医者要素は、踏み台でしかないのでしょうか(^^; ゲーム好きのエムが、ゲームのネタで煽られてキレる、というのも少々どうかと思いますし。
泥棒の正体はグラファイトの変装であり、黒ゼイドの正体はゲーム病患者で無かったと知ったエムは怒りのエグゼイド変身。何故か棒立ちになっていた(これも酷い演出)ロボット怪人を先に倒してロボット格闘ガシャットを入手すると、それを用いてLV3となり、ロケットパンチで自転車イドを撃退するのであった。
黒ゼイドの正体は実は社長であった上に社長はバグスターと繋がっていた、という真相が明かされた所で、つづく。
自転車イドはかなり気に入ったので動いているのを見るのは楽しく、その正体にグラサンだけが気付いた、という要素が入ってきたので、情報の制限を巧く転がしてほしい所ですが、さてはて。後、スナイプがLV1に戻っての俺弾丸アタックは格好良かったです。
主要メンバーの勢揃いどころか主役ライダーの強化まで1〜5話で詰め込んでくるという怒濤の詰め込みぶりですが、これで一度落ち着けるのかと思いきや、次回更に、ゼロデイの因縁まで明かされてブレイブも強化されるようで(音ゲー?)……クリスマスまでに、主要ライダーのLV3まで見せるのか(^^;
既に今回、かなり致命的な地雷を連鎖で踏み抜いた感がありますが、次回、如何にもな良い話が作れそうな要素が揃っている時ほど地雷原もまた近いので、奈落の底に落ちた鏡が爆発四散した末ゾンビ化、みたいな事にならないといいなー……。