はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第38話

◆第38話「空高く、翼舞う」◆ (監督:柴崎貴行 脚本:香村純子)
注目は、誰も一言も触れないキューブオクトパス。
敢えて言うなら冒頭でナレーションが触れましたが、「しかし、強敵サグイルブラザーズの罠にはまり」って、あのブラザーズは何も考えていないような……(笑)
鳥男が変身したジュウオウバードは、空中連続キックからの必殺バード剣により凄い勢いでブラザー4を木っ端微塵にし、青黄と戦っていたブラザー1は逃走。
「助けられたな……」
キューブを見つめ、立ち去ろうとした鳥男を呼び止める大和。
「鳥男……やっとちゃんと会えた」
「…………バド。俺の名前だ」
いい加減なんとかしてほしかったので、つい立ち止まってしまいました。
その頃、弓矢基地。
「まさか、ジュウオウジャーがもう一匹居たとは」
「アザルド、あなた何か、余計な事をしたのではないですか?」
「なんだと?!」
「誰がどれだけ抵抗しようが構わないよ。私を楽しませてさえくれればね」
というかジニス様が一番、敵味方ともに面倒くさい奴を作りましたからね!
クバルは言葉に詰まり、ジニスはパワハラ最高と愉悦にひたり、地上では大和が本人から直接、ジューマンズ&さわおがラリーから、それぞれバドの過去を聞かされていた――
「俺達は、交わるべきじゃない。だから俺は、王者の資格を盗んだ」
20年以上前、バドは、リンクキューブの番人であった。
番人として外の世界に興味を持ったバドは、ニンゲンを研究しているラリーの話を聞きに来るなどしていたが、ある日、ジューランドに迷い込んだニンゲンの男を見つけ、これを保護。男の衰弱が酷かった事から神殿に報告せずに密かに匿い、二人は少しずつ打ち解けていく。
「ジューマンは、ニンゲンともうまくやれるんじゃないか。そう思った。だが…………見つかった彼は拘束された」
保守的なジューランド上層部は、「我々には、ジューランドを守る責任がある」と、秘密を守る為に男を牢屋へ。そしてある夜、牢を抜け出した男は逃走中に衛士に追われ、足を滑らせて切り立った崖から転落してしまう……。
「あの日の事件は、そのまま闇に葬り去られた」
「そんな……」
「恐らく昔から、似たような事件は度々あったのさ。それをジューランドは、隠し続けてきたんだろうねぇ」
クジラ大王の自己PR辺りから不穏な気配のあったジューランドですが、今回の描写で、因習に縛られた山奥の隠れ里、のような位置づけに。その上で、偶発的な悲劇が一度あっただけではなく、一度あったという事は過去にもあったのだろう、と裏書きしてくるのが、かなり際どい表現。
これまでも、マシンワールドなり、志葉家なり、背後にわだかまる闇が透けて見える戦隊というのはありましたが、現時点で変身パワーの源とされている世界が、与太妄想抜きで、“正義の背景となる理想的な世界”ではなく、“美徳もあれば悪徳もある我々と同じ世界”と明示されたというのが、なかなか踏み込んだ展開。
一方で前回のバード誕生において、ジュウオウジャーへの変身が必ずしもジューランドのジューマンパワーに拠らない事が描かれましたが、この辺りの要素も全体のテーマを繋げてくれそうで、どうまとめてくるかは楽しみです。
そして、リンクキューブから王者の資格を抜き取る事で二つの世界の繋がりを切ったバド(ニンゲン界側の資格を抜き取る必要がある=抜いた本人はジューランドに帰れない、のでそれまで世界はリンクしたままだった?)の行為は、「世界を変えようとする」のではなく「物理的に閉ざしてしまう」という一種の逃避といえますが、後々この点と向き合ってくれる事にも期待。
「なら……どうして俺にくれたんですか?! きっとこいつが、俺を守ってくれるって」
「……なんでも良かったんだ。おまえを励ましてやれるなら。……ただ、手放してしまえば全て断ち切れる。そう思ったのかもしれない」
「じゃあ……」
「俺にとって王者の資格は、繋がりを切る為の道具でしかない」
「そんな……子供の頃からずっとお守りにしてたんだ。一人じゃない。生き物はみんな、どっかで誰かと繋がってるって。俺も繋がった誰かを助けられるようにって! なのに……」
バドは大和の思い入れを否定し、ここで、大和の重要なオリジンですら、簡単に他のキャラクターを同調させてしまわない、一つの物品を巡る思いは立っている場所によって全く違う、というのは実に今作らしい展開。
「王者の資格を取り返せばいいという、単純な話じゃないのかもしれないな」
バドの過去、王者の資格が盗まれた理由、隠されていた歴史……それらを知ったジューマン達は世界と世界の在り方ついて考え始め、ジューマンズ4人がただのジューランドの一般市民ではなく、恐らく形骸化していたのだろうとはいえ、リンクキューブに近い位置に居た――歴史の真実に近い場所に居た――というのが意味を持ってきたのも巧い。
一通りの回想が終わった所でデスガリアン反応が感知され、ブラザー1とブラザー5が登場。「兄弟の多さなら負けねぇぞ」と、レオが初めて自分の家族に言及するのですが、ライオンって多産なんだっけと思って調べたら、出産頭数はだいたい一度に2、3頭らしいので、多産というより、一夫多妻制だったりするのでしょうか。
ジューマンが元の動物の性質をどれぐらい受け継いでいるのかというのはあまり踏み込まれていない点ですが、ニンゲン視点で見ると、これもまた闇といえば闇(^^;
サワオを真ん中に置いての5人名乗りから戦闘になり、バドを連れてきた大和が途中からゴリラで参戦。
「一緒に来て下さい」
「なんだ」
「見て欲しいものがあるんです。貴方にとっては、繋がりを切る道具だったかもしれない。でも、俺は今この星を守る為に戦ってる。ニンゲンの俺が、ジューマンと一緒に!」
バドの見つめる中、連携攻撃でブラザー5を撃破するジュウオウジャーだが、追い詰められたブラザー1はその場で分裂してブラザー6を生み出すと、更にロケットブラザーズにクラスチェンジ。
バーディ!
ブラザーズの航空爆撃を浴びた6人は変身が解けてしまうものの、諦める事なく頭上を睨み、その姿に大和の言葉を思い出すバド。
「貴方がくれたこの王者の資格が、俺達を繋いでくれたんです!」
先にバドが、資格に対する大和の想いを自分には無関係な感情と切り捨てましたが、しかしそれは、大和が手に入れた絆が無意味という事ではない――誰かにとっては無価値な物でも、他の誰かにとっては大切な物になる事がある、と同じテーゼを逆側からひっくり返して見せているのが秀逸。
「ここは俺が……」
「俺も居る」
そして、立ち上がった大和の横に進み出るバド。
「お前達の繋がりまで、断つ事はない」
「バドさん……」
「行くぞ、大和」
「はい!」
「「本能覚醒!!」」
揃って変身した天空と大空の王者が一緒に並ぶと、スマートなイーグルと比べて、どことなく中年体型のバードが妙にリアル(笑)
両者は空中攻撃からダブル鞭剣で分裂を許さぬ同時フィニッシュを決め、縄跳びブラザーズを撃破。有るのか無いのか期待させて引っ張ってきた共闘が遂に実現しましたが、見た目同じすぎると、意外とシンクロ戦闘が栄えない事がわかりました(^^;
デザインほぼ同じの上に色調まで重なっていると、体型の違いが凄く気になります(笑)
それもこれも、金と銀と黒をまとめて使ったサワオが悪い(流れ弾)。
チェンジャーは金色なのに。
ブラザーは巨大化し、前略キング出撃。
「相手は一体」「俺達二体」「楽に勝ちたい」「「レッツゴー!」」
迫力のある映像でビル街を切り裂く縄跳びブラザーズが数の論理を持ち出してきたので、
「ふん、こっちはジュウオウジャー6人と、ジュウオウキューブ14体のシンクロ攻撃だ!」
それを上回る圧倒的な数の暴力で滅殺!
「一人じゃない。生き物は皆、どこかで誰かと繋がっている、か。……段々あの人に似てきた」
戦いの決着を見届けたバドはしんみりと呟いて立ち去り、大和を助けた理由は「通りすがりのジューマンだ!」と誤魔化しましたが、実際は個人的な因縁がある事を改めて示唆。台詞からすれば十中八九、大和の父親か母親でしょうが、過去にこちらの世界で行き倒れていた所を助けられたとかその辺りになるのか……。
回想に出てきた黄色ジャンパーは無関係そうという事で、未だ姿の見えない大和父のハードルがどんどん上がっていきますが、出てくるとすれば、過去作レギュラー俳優とかになりそうか。…………あー……内輪受けっぽくなる危険があるけど、年齢的にも風貌的にも鳥戦士的にも、若松俊秀とか、ドンピシャ? という電波を今受信。
「きっと僕たちには、まだ知らない事がある」
「うん。自分たちの世界の事なのにね……」
「ああ……その為にも、もう一度世界を繋げないとなぁ!」
姿を消したバドに再会する希望を胸に、果たしてその時、彼らはどんな答を出すのか――ラストに、世界には知らない事が沢山ある、というのを普遍的なニュアンスも込めて、さらっと入れてきたのも好き。
鳥男の過去とジューランドの秘密が明かされて大きく盛り上がるというよりは、いい加減引っ張っている事情を説明しつつ突然の追加動物をねじ込みながら最終盤へ向けた期待を拡大させる、という繋ぎの回でしたが(まあ先日盛り上げすぎましたし)、今回提示された諸々の要素を最終章でどこまでまとめてくれるのか、素直に楽しみ。広げた風呂敷が綺麗に畳まれる事を祈りたい。
次回、セラに驚きの恋愛ネタ。
最終章手前でキャラエピソードを一回しする余裕があるのか心配だったのですが、一旦流れを切った所に詰めてきてくれそうで一安心。クリスマスに前後編で一山と考えると、セラ・レオ・さわおまでで終わってしまいそうですが、タスクとアムはハロウィンでラストなのか、レオかさわおに絡めてくるか、或いは年明け一回目を活用してくるのか。
カレンダー的には25→(1)→8なので、正月はアバンタイトルで終了かなぁ……とまあ、構成の綺麗な作品なので、カレンダーとにらめっこして妄想するのも楽しい。私の先読み妄想は、大概、外れますが!
……ところで、顔認識能力が低いので自信が無いのですが、次回のゲストはもしかして、ヒゲ剃ってさっぱりしたあの人?!(実年齢ダブルスコア?!)