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『仮面ライダーエグゼイド』感想・第6話&第7話

◆第6話「鼓動を刻め in the heart!」◆ (監督:山口恭平 脚本:高橋悠也
怒濤の詰め込み展開が一山越えて、アロハは前回の怪我で入院中と無理に全ライダーを出さず、現在の事件と過去の出来事を絡めて主要キャラを掘り下げ、主人公とライバルの距離をちょっぴり縮めてからのライバル見せ場回、というスタンダードな構成になった事で、これまででは一番落ち着いて見られる内容。
怪人の音ゲー攻撃に対して、綺麗にこなすエグゼイドと、呆然としてダメージを受けるブレイブの対比は面白くて良かったです。
ですが……
次回予告の時点から危惧はしていたのですが……大我が5年前に起こした「医療ミス」(とされている事)=「グラファイトに敗れてその実体化を許してしまった事」だと鏡が知っていたというのが、極めて大問題。
これにより鏡は、第3話における術式中断により、5年前の大我と同等の行為だと知りながら、実質的にゲーム病患者を見捨てた事になってしまいました。
この背景があるなら、誰よりも変身を解除してはいけなかったのが鏡だった筈で、恋人を救えなかったと怒りを燃やす相手と同じ行為をしているとか、笑い話にもなりません。
今後、鏡が「医者として〜」とか「おまえ(大我)を絶対許さない」的な事を言い出しても、説得力ずっと0。
鏡が5年前の事にだけこだわる純然たる復讐者でマッドドクターとかならそれでも構わないのですが、中途半端に手術したがる為にタチが悪く、今のところ医師免許を悪用している人に近いわけで、“同僚のエリート外科医”という物語上欲しい主人公に突っかかる役に、“正道を踏み外した復讐者”という要素をちゃんぽんしたら、それは何を基準に動いているのかさっぱりわからなくなるわけです。
「二面性を持ったキャラクター」と、「話の都合で複数の行動基準を使い分けるキャラクター」は違うわけで。
不思議なのは、この“正道を踏み外した復讐者”という立ち位置にはもっとストレートに大我が居る事ですが、鏡と大我って、もともと一人のキャラクターだったのを分裂させたからこんな事になっているのでは(^^;
因縁の相手が2人揃ってグラファイト、というのも何だか妙な構成ですし。
大我は大我で、まだ描かれていない本人の過失もあったのかもしれませんが、ここまでの劇中描写だと「怪人に負けたから医師免許を剥奪され、世間一般には ギャルゲー ゲームに溺れて医療ミスを起こした事にされている」という酷い扱いなのですが、何この社会的デスゲーム。
まあ後々、医師免許は自分で返上とか、大我が真に疑っているのは衛生省とか、そういう立ち位置になりそうな気もしますが。
ブレイブLV3の騎士ミーツDJというミスマッチ感から、心肺蘇生法のリズムで音ゲーをこなすというお約束への流れは悪くなかったのですが、どうせなら、天才外科医特有のオペのリズムとか、第2話以降ぱったり描写されない「鏡は優秀な外科医です」という点をもう少しアピールして欲しかったところ。合わせて、音ゲーのイメージ映像は、ポップな小部屋より、手術室など医療寄りの空間で描いてほしかったのですが、医療という要素はホント重視していないのだなぁ……と(^^;
第1話冒頭で「医者は現実のヒーロー」と置いていなかったら、別にここまで気にしないのですが、「現実のヒーロー」と言ったからには、現実のヒーローである医者がその延長線上で仮面のヒーローとして戦っている、という部分を意識した描写をしてほしいと思うわけです。鏡本人の問題にも通じますが、そういった部分への配慮がごっそりと抜け落ちているのが、どうにも今作の引っかかってしまう点。


◆第7話「Some lie の極意!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:高橋悠也
「ドクターなら、病気の告知には細心の注意を払えよ」
衛生省とCRはまず、ゲーム病という通称について考え直した方が良いのでは。
児童層に対する意識として、これ以上ないほどわかりやすい名称、というのは理解できるのですが……第1話のように患者が子供かつ、病気で思うように遊べない、という身近でわかりやすいストレスならともかく、マリッジブルーだの会社の経営問題(?)だの人生にまつわる問題を抱えている、いい大人の患者に向けて、「あなたはゲーム病です」というシーンで、どうしても笑ってしまいます(^^;
場合によっては、「なんだお前ふざけているのか」とエムが殴られかねないレベル。
合わせて、尺の都合で割り切っているのでしょうが、今回のように“悪い意味で、大人が行間を大量に埋めないとわからない背景”でドラマ部分を展開してしまうと、ますます「ゲーム病」という名称との乖離が進んでしまい、今作の抱える全体的な噛み合わせの悪さがより目立つ事に。
「ゲーム病」という名称を用いるのならば、もう少しその名称の馴染む物語を展開して欲しいなぁと思うわけです。
さて今回、ゲーム病を発症した患者がもともと一般病棟に入院していたという事で、CRに運び込んだ上で切除手術を開始するのですが、戦闘中に鏡パパから「病室が壊れるから外で戦え」と文句を言われ……何のためのCR病棟なのか。そしてそれを聞いてエグゼイドがゲームフィールドを展開し、そうすると今度は最初からフィールドで戦わないエグゼイドとブレイブの知力が凄く低い事に。
……百歩譲ってエムの医者頭脳が低レベルでも良いのですけど、鏡まで同レベルの医者頭脳にしてしまうと、鏡の長所が全くないわけなんですが。
まあ鏡、説明書貰ってないようだから、仕様わかってないのかもしれませんが!


「な、何故だ、何故あのガスが効かなかった……?!」
「そんな事、俺が知るか!」
鏡飛彩、医者としてはともかく、仮面ライダーらしい男ではあるのかもしれません。
海岸フィールドでバグスターの切除に成功するエグゼイドとブレイブだが、社長ゼイドが乱入。これは社長ゼイドはゲームフィールドにワープできる能力持ち、と考えて良いのしょうか。……というかそうでないと社長、CRの片隅に座り込んでずっと出番を待っていた事になるので。
患者が同室だった縁もあってエムに協力を持ちかけたアロハは、バイク連携攻撃で侍怪人(デザイン格好良かった)を撃破すると、チャンバラガシャットにより、バイクの次はタンク……になるわけもなく、人型のLV3に。凄く動きにくそうなバイク侍は、何故か武器が、鎌(&弓)。トルネード弓矢の描写は格好良かったですが、あまり連射すると飛び道具専門の人の立場が悪くなるので止めてあげて下さい!
悪ゼイドの正体が社長だと見せてやる、とバイク侍は怒濤の連続アローを浴びせ、爆炎に包まれる悪ゼイド……だが、その煙の中でドットズボンが社長と入れ替わり、正体は自分だとアピールして姿を消す。これにより、名指しで社長を悪ゼイドの正体だと糾弾していたアロハは、エムや鏡の信用をますます失う事に。
敗因は、裏目色のジャケット。
(速水扱いが軽い校長が着ていたジャケットにそっくりに見えるのは気のせいでしょうか)
「運命ってのはパズルだ。ピースを一つ入れ替えれば、真実すらも闇の中」
情報の限定から食わせ物の孤立に繋げた展開は面白く、よくある思わせぶりな暗躍キャラ以上の個性が無かったドットズボンに仕事をさせた上で台詞も洒落ており、ここは良かったです。
「こいつの言葉に真実など一つもない」
「今日の自分に、嘘はないって言いましたよね? 本当のあなたはどこに居るんですか?」
鏡に冷たく一瞥され、エムに責められたアロハが思い出すのは、5年前、今で言うゲーム病だと告げた事で間接的に死に至らしめてしまった友人の、物言わぬ亡骸……。
――自分のせいだ。自分が本当の事を言わなければ……。
「……ふっ、あはははははは……はぁ〜、乗せられちゃった? 少しは人を疑え。じゃなきゃ、意外なとこで足下すくわれるかもよ」
後回しにされていたキャラクターの掘り下げはいいとして、2話連続で、こんな悲しい過去があるんですよ、という展開は安易でどうなのかとおもっていたら、一工夫入れて、九条を告知から友人を死に追いやったトラウマの為に、人と真正面から向き合えなくなっている男と繋げてきたのは良かったです。
なんだかんだ嘘を突き通せない男、という現状の描写ともズレがなく、九条はキャラクターとして面白くなってきました。
役者の演技含め、エムに見えない所での真剣な面持ちから諦観の笑いに変わり、軽口と共に背中を向けて去って行くというラストシーンも良かった。
引き続き地雷原に囲まれていますし、既に床が抜けて帰ってこられなさそうな人も居ますが、僅かなりとも浮上の光の見えたエピソードでした。次回、前髪、空を飛ぶ。