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『ウルトラマンオーブ』感想5・6・7

急に波が来て視聴再開。……4ヶ月ぶりでした(^^; 合わせて見出しタグ化。
◆第5話「逃げない心」◆ (監督:アベユーイチ 脚本:小林弘利
クレナイ・ガイ、餌付けされる。
4体の魔王獣カードを集めたジャグラーが一休みし、ガイ本人を狙うゼットン星人が登場。宇宙人と怪獣を見つけたという情報提供にホイホイ引っかかったヒロイン・ナオミが人質にされ、拾った人形を直す裁縫道具を借りようとSSPを訪れたガイは、その救出に向かう――。
ジェッタが眠っている間に届いていた着信を再生すると、情報提供者と調査に行くよひゃっはー、の次に、助け(ぶつっ)、というのを部屋全体を収める引いたカメラ固定で見せた演出は面白かったです。
「ひねくれ者でね――来るなと言われたら逆らいたくなる」
格好良く登場したガイを襲う、ゼットン星人の飛び道具。女子高生に変装してナオミをさらうのに始まり、ガイ観察日記をつけていたなど、ゼットン星人がかなり嫌らしくて良い感じなのですが、折角ジャグラーがお休みで一息つけると思ったら、クレナイ・ガイは、変態に好かれる体質なのか。
そして、救出した上に落としたスマホまで拾ってあげたのに、そのスマホでする事が怪獣の撮影というその女は、見捨てていっても宇宙最高裁判所の判決は無罪だと思います!
カマキリゼットンに八つ裂き光輪を弾かれたオーブは、ジャック先輩とゼロ先輩のカードを取り出し、ゼットン星人のストーキング日誌に未記載の新たなフォーム・ハリケーンスラッシュを発動。
「キレのいいやつ、頼みます!」
ハリケーンスラッシュはカマキリゼットンと短距離転移で激しく戦うと、最後はレッドアロー……じゃなかった、オーブスラッガーランスを繰り出し、必殺攻撃で撃破。敵に突き刺した後に至近距離でがちゃこーんしないと技が発動しない仕様なのが、ちょっと大変そうです(^^;
カマキリゼットンを倒したガイは逃げるゼットン星人を追い詰めると、しばしの生身バトルの後、銃撃をウルトラカードバリアで反射して勝利。光の力、時間外労働です。
「おまえはどうやら、あの女の事を放っておけないらしい。ずっと、観察していた。あの女、いったい何が特別なんだ?」
「居るべきじゃない所で居合わせる。不注意の固まりみたいな女ってだけだ」
そんな事言うから、その場に来てしまうSSPの面々(笑)
ここで、あくまでガイを倒して名を挙げる事だけが目的だったというゼットン星人の、
「お前達はまだ、この腐りかけた星に侵略する価値があると思ってるのか?」
というのは、悪の宇宙人=侵略者、というフォーマットを崩してきた上で、視聴者にその意味を問いかけてきて面白かったです。面白かっただけに、反論するキャップの青年の主張フェイズは余計だったような(しかも相手は既に泡)。
先輩達の残業拒否無しで怪獣を倒し、生身バトルを挟んで長めのエピローグ、というやや変則構成で、ナオミとジェッタが女子力をアピール。ガイが拾ってきた人形もSSPのフォローで無事に持ち主に届き、SSP全体の好感度を上げてきたのは良かったと思います。
ナオミが作ったスープの味に懐かしさを覚えたガイは、おもむろにマトリョーシカを開けはじめ、
「それは、あなたと同じね。幾つもの別のあなたが、あなたの中に隠れてる感じ」
「最後の一つを開けてみれば……結局、空っぽだってわかる」
「最後の一つは、開けちゃ駄目なんだって。パンドラの箱みたいでしょ」
と思わせぶりなやり取り。そこはかとなくロシア風味が強調されるのですが…………あれ、もしかしてこの世界、ツングースカ大爆発の真相はオーブとゼットンの戦いの痕跡だった! みたいな感じ?? という事は、オーブが失った力が別の世界で里見顧問になったの?!
与太はさておき、以前の感想を読み返していたら今作世界における「宇宙人」の扱いを気にしていたのですが、SSPの面々は平然と受け入れ、「悪い宇宙人」=「侵略者」とすぐ結びつけていたので、宇宙人も怪獣も、既存の《ウルトラ》シリーズの延長線上の認識、という事で良い模様(過去シリーズも、作品によって差異はあるでしょうが)。とすると、第1話において今作オリジナルの形で「魔王獣」を見せようとしていた演出が少々浮くのですが、あれは、新作としての演出、として納得しておくべきなのか。
まあそもそも、主人公が先輩ウルトラマン達の力を借りて戦っているわけではあるのですが、それはそれとして、怪獣とか宇宙人とかを今作なりに定義しながら物語を転がしてくれるような事にちょっぴり期待していたので、そこは残念。ただエピソードとしては、今作の緩い雰囲気が良い方向に転がって、面白かったです。
細かく面白かった小ネタとしては他に、

事務所に貼られた「サラ金は犯罪です」の注意書き
ジェッタ作「20年後の自分へのビデオレター」Vol.4

◆第6話「入らずの森」◆ (監督:アベユーイチ 脚本:中野貴雄
餌付けされた風来坊は、半裸で超くつろいでいた。
すっかり駄目な無職だ!
もともと自称・風来坊の割には特定地域に出現が偏りすぎていたわけですが、それとも土曜日以外は、日本海見つめたり、富士の裾野でミカン食べていたりしたの?! 全国銭湯巡りしているのガイさん?!
ビートルおじさんがUFOの写った写真をSSPに持ち込み、SSP+1は、地元の住民から「入らずの森」と呼ばれている小さな森の調査に向かう事に……実はその地下には、惑星侵略連合の秘密基地があったのだった!
現段階の描写では、メフィラス星人をドンに、メトロン星人とナックル星人が所属している惑星侵略連合は、前回ゼットン星人が「この星に侵略する価値などない」と言い残した事もあり、古いシノギにこだわるマフィア組織、といった雰囲気。
そんな連合にジャグラー接触し、OPで手にしていた日本刀捌きを披露。一緒にカードゲームに興じていた所にSSP+1の侵入が検知され、幻覚によって森に閉じ込められたSSP+1に迫るナックル星人……と、一度入ったら戻ってこられない森の理由付け。だが4人は、白い服の女性に導かれるようにして森の脱出に成功し、響き渡るハーモニカの音色が侵略宇宙人の脳髄をかき乱す!
「おまえは誰だ?!」
「クレナイ・ガイ! キャッチボール友達を殺した奴を捜しまわっている男さ」
……じゃなくて、
「おまえみたいな下衆野郎に、名乗る名前は持っちゃいねぇ!」
3方向ズームインで登場した風来坊は素手でナックル星人の銃撃を弾き落とすと、しばらく生身バトル。
今作、割と人間状態でのバトルを入れてくるのですが(長らくきちっとシリーズ作品を見ていないので、他のシリーズ作品と比較して多いのかどうかは不明)、出来の方は今のところ微妙。銃撃を素手ではたくなど、ガイの超人的身体能力をさらっと盛り込むのは格好良いのですが、打撃戦になると、ガイの攻撃が当たってないのが割と露骨だったり、全体的にちょっともっさりしてしまうので、今後の改善を期待したい部分です。
ジャグラーが召喚した超獣アリブンタさんは、オーブ嵐がキャンペーン中のランスで撃破(バーンマイト割と好きなんですが、消火要員で終了)。
「本来の力を失ったオーブは、ウルトラマンの能力を宿したカードを2枚使って変身しています。奴より強力な手札を持てば良いのです。……では皆様、今宵はこれにて」
「最後に笑うのは……切り札を、持つ者だ。この宇宙には、光と闇のカードが巡っている。ジャグラーは強力な魔王獣カードを6枚持っている。奴からそれを頂戴するのだ」
「……さぁて、最後に笑うのは誰かな」
互いの腹を探り合う、ジャグラーと惑星侵略連合。地球の、そしてオーブの運命や如何に?! 森に祀られていた玉響比売命の思念とガイが視線をかわすなど1−4話にあった伝奇要素も拾い、19世紀の写真にガイと瓜二つの男が見つかるなど、色々と今後への布石回。
惑星侵略連合は、アナクロな侵略行為にこだわる時代遅れの組織(宇宙人)を戯画的に描いている様にも見えるのですが、昨今のシリーズ作品に触れていないので、どこまで皮肉として捉えていいのか掴みきれない所あり。その辺りの感覚的ギャップを含めて、メトロン星人が「喫煙者が減っていて幻覚タバコ作戦が進行しない」と報告するメタネタや、侵略者である宇宙人が再開発の波にさらされてアジトの存続危機に陥っている、というギャグなどがあまり面白いと感じられず、ノリきれないエピソードでした。


◆第7話「霧の中の明日」◆ (監督:市野龍一 脚本:小林雄次
袋とじの中身が気になるお年頃の風来坊、“ラムネのお兄さん”を自称。
……あれ? 今年はどうも、東映特撮に残念成分が足りていないなぁと思っていたのですが……ここに集まっていたのか!!
「明日は見えても、明日を変える事なんて出来ない」
怪獣の予知夢を見る少女・ハルカに興味を持って接触するSSP。ハルカの予知夢によって正体を見破られてしまったガイは開き直って協力を求め、どさくさ紛れに「俺はかつての戦いで大切な人を守り切れなかった際に本来の力と姿を失い、現在は先輩の力を借りて戦っている」と自分の基本設定を説明。
明日を知っても変える事の出来ないというハルカの諦念が、巨大なマイナスエネルギーとなって怪獣を生み出すに至るが、「過去を変える事はできないが未来は変える事ができる」というガイの言葉に希望を得たハルカの想いが怪獣の力を弱め、オーブは勝利するのであった……と、テーマ的には可も無く不可も無くという出来で、最終的には「明日を捜せ」(『ウルトラセブン』)のオマージュ的な台詞で着地。……この手のオマージュネタは他にも色々と仕込まれていそうですが。
エピソード単独でどうこうというより、前回今回と、3フォームとランスまで出して一段落した所で、諸設定の掘り下げとキャラクターの好感度付け期間、といった印象。あやふやな情報提供を無視せずにしっかりと現地に待機し、避難誘導をこなしていたビートルおじさん、割と有能(ただの閑職という可能性もありますが、それにしては以前にミサイル撃たせてましたし……)。メガネの未来予測装置を一発ネタで捨てないで引っ張ってきたのは驚きましたが、後々本筋に絡んでくるのか、これ……?(^^;
もう少しエピソード自体の面白さが欲しかった所ではありますが、そんな今作で地味に良いなぁと思うのは、SSPのメンバー(特に男衆)が、命を助けられた事もあるからだろうとはいえ、ガイの事を「ガイさん」「ガイさん」と何となく兄貴分として慕っている事。これないとガイさん、ただのアレな人ですからね!
第5話の台詞によると、キャップの中の「風来坊」のイメージ、「逃げるのが得意な人」=「責任を取らない人」みたいですし!
この辺りはガイの過去絡みの伏線を兼ねているのでしょうが、多分、ぐっさぐっさ刺さってる。
刺さっているのでついつい、正体を知った年下の女の子に愚痴り加減。
世間の視線は風来坊に厳しいが、闘えウルトラマンオーブ