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『ビーファイターカブト』感想6

◆第9話「弟子入り落語怪物!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:扇澤延男)
注目は、健吾との差別化なのか、どんどんトンガっていく甲平の髪。
元コスモアカデミアのプログラミング部門主任・榊原は、2年前にアカデミアを退職して現在は今今亭コン助という名で寄席に出ている落語家だが、一向に上達しない事から遂に師匠から破門されてしまう。
一方メルザードでは、マザーの手違いにより二つの化石が同時に取り込まれた事で合成怪人ネズガイラが誕生し、長男次男が力を合わせて作戦の指揮を執る事に。これまでの流れから明らかではありましたが、陸の生き物ならライジャ、海産物だったらデズル、という指揮権について明言。
ネズミの敏捷さと貝のパワーを併せ持つネズガイラは従来の絶滅怪人を上回るパワーを見せるが、戦闘中に突如豹変。テントウを情け容赦なく追い詰める残虐な人格と、テントウに謝罪を繰り返し愛と平和を唱える人格とが、入れ替わり立ち替わり表に出て体を動かすという、人格分裂の様相を見せる。
合成の副作用か、ネズガイラは左半身が戦闘回路、右半身が自制回路という、二重人格の超怪物になってしまっていたのであった。
風よ、雲よ、太陽よ、心あらば教えてくれ。なぜこの世に産まれたのだ!
たまらずメルザードは一時撤退し、ポンコツと化した怪人の責任を押しつけ合うライジャとデズル(笑)
「黙れ! 再教育など必要ない。この子は今のままでよい」
ところがてっきり粛正でもするのかと思ったマザーが意外なスタンスを見せ、ダムを破壊せよと直接の指示を受けたネズガイラは再び地上へ。これと遭遇したBFがニードルビームを浴びせるが、先の戦闘を物陰から見ていて、ネズガイラを二人の人物を絶妙に演じ分ける才能の持ち主と誤解した落語家が、是非とも師匠にしたいと怪人をかばい、ネズガイラは落語家を人質に逃走する……。
率直に、落語家、キチガイなのですが、コスモアカデミアのプログラミング部門は、頭の配線の狂った人しか居ないのか。
あの蘭がプログラマーとしては超一級と評価する元上司なので、何とかと紙一重の天才の可能性はかなり高いですが。
ネズガイラに弟子入りを頼み込む落語家は、傷の治療をしようと薬局へ向かうと、「うちの師匠は怪物ですから」と傷薬と包帯を買い込み、どうやら本当に頭のネジが数本抜けている模様。
しかし蘭に見つかりそのままアカデミアへと連行されるが、人命よりも自分の落語、とトイレと偽ってそのまま逃亡。その際に落としていった本を拾った蘭たちは、キチガイの夢が小学生の頃からずっと大事にしていたものだったと知る。
「師匠になってもらえるなら、怪物でもいいって」
「奪う権利なんて誰にもないよ。そんな一途な人間から師匠を」
状況は全くそれどころではないのですが、小山内博士、人間として信用できない上に指揮官としても無能すぎて、地球を守る最前線には明らかにふさわしくない人材です。出来る限り早く更迭しないと色々危ない。
「気持ちはわかります。でも……」
「取り除きさえすればいいのよ。あの怪物から、凶暴な破壊性を」
ビットと共にネズガイラの詳細な分析を始める蘭だが、その結果、時間が経つほどに戦闘回路が支配力を高めてしまう事が判明する。
「さすがは偉大なる我がマザー」
「こうなる事をはなから見抜いていたとは」
ダムを襲撃するネズガイラを食い止めるべく3人は超重甲し、今回はネオビートマシンを削って久々にバイクが登場。テントウスラッシュが炸裂してネズガイラはざっくり消滅し、掴み合いをしながら兄者と魚は撤退。この辺り、いざとなったら躊躇なく抹殺するのは、さすが昆虫魂に選ばれた戦士です。
師匠を失いがっくり落ち込むキチガイを、夢を諦めないでほしいと励ます蘭。甲平と健吾もエールを送るが……そのキチガイ調子に乗らせない方が良いと思うのですが。
夢を追う者と支える者が居て、そんな世界を守る事が私の夢だ、と博士が良い話風にまとめるのですが、個人の身勝手な「夢」の為にダム下流に壊滅的な被害が起きる寸前だった事が全く不問にされたまま「夢」だけが肯定されてしまうという、酷すぎる話。
扇澤さんで落語ネタというと『特救指令ソルブレイン』序盤の名編、第6話「バクダンと落語家」を思い出してハードルが上がってはいたのですが、下をくぐるどころか思い切り場外に放り投げてしまいました(^^;
怪人の二重人格を左右の向きで切り替え、それを落語をやっているように見せるというアイデアは面白かったのですが、ビジュアル的な一発ネタであり、物語の方には全く落語要素が活きなかったのも残念。感傷に振り回されて物事の重要性の判断を簡単に見失う、博士の最低ぶりだけが上昇してしまいました。甲平の社会的フォローをしないで放置しているのも、この人、単に無能なだけだ。
最初の次回予告以来、博士への好感度が落ちたままどころか、順調に降下しているのは、地味に辛い。