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『動物戦隊ジュウオウジャー』感想・第44話

◆第44話「人類の王者」◆ (監督:杉原輝昭 脚本:香村純子)
「人類の王者、ジュウオーーーーーウヒューマン!!」
クリスマス以来で帰ってきたマリオ叔父さんは、2週間のカナダ滞在中にピンクのスーツを自作し、戦士として戦う覚悟を固めていた!!
そんな叔父さんにこれまでの経緯を説明する、という趣向で、ジューマン、ジューマンパワー、王者の資格、サワオ、ゴリラ、ホエール、バード、キューブアニマル、各種ロボ、と綺麗な流れで説明していき、6人とマリオ叔父さんの関係を改めて組み直す、というまとまりのいい総集編でした。
「一人じゃない! 俺達は、繋がってる……!」
ラリーやバドの存在までしっかり抑えてテーマ部分も拾い、全体的に、バングレイ大活躍(笑)
「やぁ……こんな強い味方が居るんなら、ただのおじさんにしてやれる事はないか〜」
「そんな事ないよ。帰ってきたら、叔父さんが笑って迎えてくれる。それだけで、俺達、すっごくホッとするんだ」
叔父さん、最終回寸前にヒロイン昇格。
「おいしいご飯作ってくれて」
「動物の真似で笑わせてくれてよー」
「こんな素性の知れない僕たちを、置いてくれただけで、本当に有り難かったんです」
「ジューランドに帰れない、あたし達にとって、ここはもう、人間界のおうちだから」
「俺にとっては、初めて出来た、友達の家です」
「だから、叔父さんには今まで通り、普通にしててほしいんだ。甘えちゃって、申し訳ないんだけど」
「……なに言ってんだぁ! 甘えろ甘えろ、どんどん甘えろ! おいしいご飯でもなんでも、いくらでも作ってやっから!」
揃っていい年ではあるのですが、家を無くした子供達に、“良き大人”の姿を見せるマリオ叔父さんが素敵。
また、事情を知った上で普通にしていてほしい、というのが甘えだとわかっている大和くんと、その上で、甘えてこい、という叔父さんとのやり取りも良かったです。
「おまえたちの、日常を守る。それが、人類の王者――ジュウオーーーーーウヒューマンの! 役目だ」
掴みのギャグめいた冒頭の変身が、エピソードの決め台詞へと繋がってヒーローと支援者の関係を鮮やかにまとめ、最終章手前の総集編という事で、メインライター自ら筆を執って手抜かりなく巧い。新規撮影分が少ないという事もありますが、杉原監督も今回はギリギリ節度が保たれた演出でした。
叔父さんは世界標準でも奇特で器が広い部類でしょうし、この7人のミニマムな関係から、ニンゲンとジューマンのマクロな関係に広がってくれる事も期待……というかそこを描いてこそになると思いますが、残り話数でどこまで踏み込めるのか、若干、心配(^^;
……ところで、冒頭、さわおとレオがメンコで白熱しているシーンで、残り4人がひたすら餅を頬張って正月気分を出していたのですが、もしかして叔父さん不在の間、ずっと餅を食べて生きていたのでは。
そんな食生活がやや心配になりますが、説明途中で、6人がこれまでの秘密を一斉に謝るというのも、嘘は嘘、という扱いで良かったです。
「マリオさん、秘密にしてて、すみませんでした!」
「「「「「ごめんなさい」」」」」
「大和……いい仲間を持ったなぁ」
一方、バドはラリーの元を訪れ、拾ったアザルドの欠片を見せていた。
「ノー! こいつの代わりに、ジュウオウキューブがアザルドのボディーに?!」
そこから、かつてジニスがサワオを作り出した時に、この性質が利用されていたのでは……? と思い至る2人。
果たして、アザルドとは、なにものなのか?
「そういやオーナー、俺ぁ地球の生物なのか?」
実はアザルドには過去の記憶が無く、宇宙でジニスに拾われてからの付き合いである事が判明。
「よくわかんねぇが、てめぇが俺を助けたのか?」
「気まぐれだよ。遊び相手が欲しくてね」
「遊び相手だぁ?」
「そう、ブラッドゲームのね」
君の過去とか全く興味ない、というジニスと、そうだよなぁ俺も基本的にはどうでもいい、と呑気な2人だが、体に異変を感じるアザルド。
「またか……」
「どうかしましたか?」
「ここんとこ、体の調子がおかしくてよ……なんかムズムズすんだよなぁ」
飲み過ぎで、心臓に来てしまった人みたいな事に(笑)
人間ドックもといナリア検診を受けたアザルドは体内の異物混入に気付くと、バードとの戦いに思い至り、地上へとメーバを放つ。
そして地上では、再び姿を消そうとしていたバドに、ラリーが不穏な問いを投げかけていた。
「大事な事を一つ聞き忘れてね。ユーの覚醒した、王者の資格。大和達と違うのは何故だ? ユーの減少したジューマンパワーで、ジュウオウジャーになる事に耐えられるのかい?」
さらっと二つ。
だがそこへメーバ軍団が襲来し、バドはアザルドの欠片をラリーに託すと、ジュウオウバードに変身してメーバ軍団を切り伏せていく……! でつづく。次回――ラストスパートに入る物語は、一気に大和とアザルドの過去に迫る! 残り恐らく4話、とにかく綺麗に畳みきってほしいです。