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『仮面ライダーエグゼイド』感想・第11話

◆第11話「Who's 黒い仮面ライダー?」◆ (監督:山口恭平 脚本:高橋悠也
何故かコケ芸でキャラ付けされているエムですが、冒頭、あまりに何も無い所で不自然かつ豪快にコケるので、これ、何かの副作用で不穏な伏線なのではないかという気もしてきたんですが(^^;
エムが担当していた小児科の患者から、何故か塩怪人LV2が出現。戦いを挑むエグゼイドだが自転車が乱入し、単独でドラゴンを発動するもまたも暴走している内に逃げられてしまう。
エム、1ミリも学習していないのですが、前回あれだけ大騒ぎしたチーム医療とは何だったのか。
幻夢社長は、全員集合させた4人のライダーに、最後のガシャットの使い手である黒いエグゼイドこそ、バグスターに協力してウィルスをばらまいている元凶だと煽り、衛生省へ抱く疑念も口にする。
九条「日向恭太郎を信じる根拠は?」
「人を信じるのに……根拠なんて必要ですか?!」
え(笑)
「僕は先生を信じる。貴方の事は信じない。……ただそれだけです」
え(笑)
九条にはあんなに冷たいのに……と思ったら、人を信じるのに根拠なんていらないから、信じたいものしか信じない!! ……というのは、筋が通って……いるの、か?
あまりに酷い物言いに笑いすぎてお腹痛くなりましたが、つまりエムが他者との信頼関係の構築を屁とも思っていないのは、人間関係の積み重ねなどなくても、いざとなったら自分も根拠なく信じて貰えるものだと思っているからなのか。……凄いぞエム、なんかこう、かつて見た記憶のない獣道をフルスロットルで突っ走っているゾ。
根本的な所では、前回の「何が天才ゲーマーだ。……ゲームなら誰にも負けないって……ただ自惚れてただけだ。だから…………誰とも、信頼し合おうとしなかった」が消し飛んでいるけど、やっぱり 脳改造 手術の影響なのか!?
「社長さんよぉ……あんたいったい何考えてんだ?」
「もちろん、人類を脅かす、ウィルスの根絶さ」
九条が16年前のエムの手術について調査を続ける一方、患者のストレスを緩和しようとしていたエムは、衛生省がウィルスを作り出している可能性があるので患者を移送してほしい、という連絡を社長から受ける。
つい先ほど、根拠は無いけど日向先生を信じる! と力強く断言した癖に社長からの電話に激しく動揺しているエムの思考回路が相変わらず謎ですが、エムが社長の言葉にある程度の信を置く理由を考えると、僕の大好きなゲームをたくさん作っている社長が嘘をつくわけがない! だと思われるので、世の中、好き嫌いだけで物事判断するとろくな事にならない、という見本市。
前回の反省シーンも考えると、エムのキャラクター性はどうやら、“精神性に見合わぬ強すぎる力を手に入れてしまった少年”モデルっぽく思え、今作のキッズホビーアニメ的な設定配置を考えると納得できるのですが、ヒーローフィクションで20越えのキャラクターが見せる心の動きとしては、正直、見ていてきついです(^^;
特撮やアニメのキャラクターはしばしば、設定年齢より精神年齢が高めになる(というか設定年齢が低めに見積もられる)事がありますが、それで考えるとエムは「アニメにおける10歳の少年」ぐらいの主人公像に思え、力と精神の関係でいうと、鋭利なメスを振り回している中学2年生というか。
その危うさを面白く見せる話の作り方、というのは勿論あると思いますが、今作の場合、劇中で実際に人の命を預かる職業に就いている(そしてそれが物語の重要な要素である)だけに、どうにも引っかかりだけが増してしまう部分。
患者の少年を背負ったエムは、プープーポッポと一緒に社長が指定した場所に赴くが、そこに現れたのは黒ゼイド。
衛生省が怪しいという連絡を受けて動いているのに衛生省の人間(ポップンピーポー)と一緒という頭の悪さに加え、同僚の鏡と一緒でないのはエムの傲慢でしかなく、本当に0.1ミリも学習していない。
どうも今作、エムの人格が破綻しているのは意図的で、狙って設置した地雷を後で全て破裂させようとしている気配もあるのですが、一方でエムに対して正道で対比される立ち位置のキャラクターが誰一人として存在しない為に、境界線上の揺らぎがどうにも居心地悪く感じてしまいます(^^;
黒ゼイドは日向の事を持ち出してエグゼイドを精神的に追い詰めていき、ドラゴンを起動するも動きを制御できなくなってしまうエグゼイドだが、それをかばって飛び出してくる、通りすがり(?)の九条。
「人を信じるのに根拠はいらないんなら! だったら誰に何と言われようがブレんな! 自分自身の心を信じろ!」
九条の叫びにドラゴンは暴走を止め、エグゼイドは正気を取り戻す。
「あんたに乗るぜ。あいつを倒す為に、名人を…………エムを信じる!」
え。
……すみません、前回あれだけ手ひどい裏切り行為で小馬鹿にされて、むしろ“根拠を持って”エムを信じられない筈の九条が、今回の話の流れでどうしてそんな心境になるのかさっぱりわからないのですが。
敢えてこじつけるなら、日向の過去を探っている内に、日向に寄せられる多くの信頼を知る姿が描かれており、皆が信じている日向を信じているエムの事を、日向を疑う九条自身よりも信じる事にした、というように見えるのですが、そんな九条がエムに向けて「自分自身の心を信じろ!」というのが壮絶な自虐と皮肉に。
過去の言動へのトラウマから他人と真っ直ぐに向き合えなくなっている、という九条のキャラクターを考えるとそこは納得できない事はできないのですが、しかしそう考えると、自分自身を信じられない九条がエムを信じる事にした根拠が“みんなが日向を信じているから”なので、九条の心が弱すぎて、今度は九条が思考する事を放棄しているという地獄絵図。
そこに遅れて鏡と大我も姿を見せ……えー、この後にわかる社長の目論見を考えれば全員をこの場に呼んでいるべきではあるのですが、誰も彼も通りすがりのように現れてしまい、成り行きが実に適当で盛り上がらない事この上ありません。
そして4ライダーは再びドラゴンを分離装着するのですが、LV的に既に格下認定の黒ゼイドを4人ががりで一方的に嬲る為に、何の爽快感もないリンチに(^^; トドメに物凄く冴えないダブルライダーキックが炸裂し、ライダーゲージが残り2になる黒ゼイド。
へいへーい、そのままじゃお陀仏になっちゃうよー? と黒ゼイドを煽る4ライダーだが、追い詰められた黒はなんと少年めがけてクリティカルストライクを放ち、咄嗟にそれを迎撃したエグゼイドの尻尾で撃墜された黒は、ライダーゲージが0に。
……あ、キルマークついた。
ところが黒ゼイドは自分の体に腕の装置を押しつけると何やらデータを読み込み、余裕の態度を見せる。
「ふふふふふ、もはや正体を隠す意味もない。私の名前は、仮面ライダーゲンム」
自ら変身解除し、4人にその正体を曝した社長は、「全ては、究極のゲームを作る為!!」と自らの目的を語り、既にバグスターウイルスは大量にばらまかれている、と宣戦布告して姿を消す。
4人を煽った社長の狙いは、自らの「死」のデータを読み込む事で、新たなガシャットを完成させる事。果たしてその白いガシャットの力とは?! テンション上がってきた社長から、次回、九条にクリスマスプレゼントの予感。
……あ、前回の予告で社長とドットズボンが並んで見ていたのは、自撮り用のスマホではなくて、新しいガシャットでした(笑)