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『ビーファイターカブト』感想11

◆第17話「戦う恋占い日記!!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:宮下隼一)
何故かいきなり、がっちり握手をかわすメルザード兄弟。
「度重なる作戦の失敗は、我らが対立しているからかもしれん」
兄者、凄く爽やかに、組織の問題点に気付く(笑)
「時には手を結ぶ事も必要かも」
「うむ、そうだ」
「ふーむ」
「愚か者!!」
怒 ら れ た。
「我が一族に兄弟愛など不要!!」
あれーーーーー(笑)
「その半端な闘志こそ、敗因。もはや我が食糧となる他お前達の価値はない!」
兄弟、巻き込まれた戦闘員と一緒にマザーの体内に取り込まれ、予告からは想像を超える衝撃の展開に(笑)
「お慈悲をマザー」「お助けを」
戦闘員がさくっと消化された胃液プールの中で情けない姿を見せた2人は途中で放り出され、折檻終了。
「この恐怖をこの苦痛を忘れるな」
立ちふさがる壁に対して考え方を変えた兄弟が手を取り合うが結局仲違い、かと思ったら、マザーによる綱紀粛正の踏み台となり、女帝の威風と存在感は強まりましたが、代わりに幹部2人が情けなくなったのは良かったのか悪かったのか。和気藹々として笑顔の絶えない職場なんていらない、というメルザードの方向性は明確になりましたが。
その頃ブラックアカデミアでは、甲平と蘭が険悪な空気になり、仲裁に入ったゆいが差し入れに持ってきたケーキがひっくり返される大惨事に、さらりとハンカチを差し出す健吾が紳士ポイントを稼いでいた。
ヒートアップする2人の喧嘩は健吾にまで飛び火し、それを見つめながら、借りたハンカチに頬を寄せるゆい。
(ちょっぴり嬉しい事もあったけど、でも、最低の日。これで大丈夫なのかな、ビーファイター
それとなく漂わせていたゆいの乙女回路に石炭がタライで投入されていますが、ここ数年のシリーズにほぼ存在していなかったラブコメ要素が、ここまでストレートに入ってきたのは、やや意外。この辺り、プロデューサ交代の影響により、《不思議シリーズ》の流れがあったりするのでしょうか。
そんな中、街で次々と、謎の意識不明事件が発生。被害者がいずれも人気占い師の元を訪れていた事がわかり、博士は蘭と甲平をその調査に向かわせる。
「あの二人に?」
「うん。いやなんせ、ティーンズカップルだからな」
ホントこの博士、駄目だな……。
上司の少し抜けた部分が愛嬌になるか無能の証明になるかは、ちょっとした描写や話運びの差で紙一重というのはあるのですが、とにかく、人の心が薄っぺらすぎます、博士。
案の定、喧嘩真っ最中の2人の潜入捜査は巧く行かず、記念品のアクセサリだけ貰って帰ってくる事に。露骨に手を抜いた報告を聞いた健吾は単身で占い師の元へ向かい、この話を耳にしたゆいは、力押しで健吾のガールフレンド役として潜入捜査に協力。
(ちょっぴり怖いけど、健吾さんと一緒なら平気。ゆい、嬉しくて胸きゅんです)
宮下さんなのか、三ツ村監督なのかに、こういう引き出しがあったのは驚きですが、随所に挟まれるゆいちゃんの乙女日記モノローグが可愛げ上昇に貢献したのかは……微妙(笑)
後、占い師は“ティーンズカップル”対象なのに、精一杯大人のお洒落をしてみました、という服装は何か間違っている気もするのですが、この辺り、甲平と蘭の喧嘩に始まって、次のシチュエーションに繋げさえすればいい、と個々の要素の扱いが雑で、全体的に詰めが甘くて惜しい(^^;
健吾とゆいは占いの館で秘密の地下通路を発見し、占い師の正体はデズル、呼び込みの正体はドードと、マザーの説教が効いたのか、最前線で体を張っていた事が判明。
デズルの狙いは、怪人の卵を加工したアクセサリをカップルに配り、その愛情と生命エネルギーを吸収させる事で特殊な怪人を誕生させる事にあり、もくろみ通りに孵化する海サソリ怪人。蘭が持ち帰ったアクセサリを身につけていた事で倒れたゆいをかばいながら戦う健吾から連絡を受け、反省した甲平と蘭が駆けつけると、BF変身。
体をバラバラにして活動できる海サソリ怪人の、ロケットハサミ、右と左がカブトンとテントウに直撃し、残るクワガーの突撃にどう対処するのかと思ったら、まさかのロケット胴体(笑)
残った下半身がほぼ役立たずになっている気がしますが、意表をついて面白かったです。
体内を移動する中心核を破壊する為にクワガーが囮になって敢えてオールレンジ攻撃を受け、残った下半身をカブトンとテントウが攻撃する、という戦闘のアイデアは悪くなかったのですが、どうせならそこで、喧嘩していた甲平と蘭の仲直りを絶妙なコンビネーション攻撃で見せるなどすれば盛り上がりと話の流れが繋がったのに、大雑把にフィニッシュ攻撃になってしまって、どうも色々惜しい。
分裂不能になったサソリをクワガーフィニッシュで撃破し、デズルは撤退。倒れていた人々は回復し、ビーファイターは再びチームワークを取り戻すのであった、で大団円。
宮下さん3連投でしたが、酷かった15−16話よりはだいぶマシで、企画回の第16話はさておくにしても、やはり宮下さんと東條監督の相性が何か致命的に悪いのか(^^;
自分の頭で判断して的確なサポートを行える人材として、博士よりよほど好感度の高いゆいの健吾への好意を浮上かつ引っ張ってくれたのは、キャラクターの幅と物語のアクセントとして嬉しかったですが、甲平と蘭の喧嘩が前振りの為の前振りでかなり雑になってしまった部分は、残念。エピソードヒロインだったゆいもクライマックスバトルでは放置になってしまいましたし、個々の要素がもう少しずつ繋げ切れなかったのが惜しい。
そして過去のエピソードを見る限り、健吾は妹的ポジションに好意を持たれるのがデフォルトの人生を送ってきた為に、現状ゆいの気持ちに1ミクロンも気付いていませんが、ゆいちゃんの明日はどっちだ!


◆第18話「絶滅花2億年の復讐」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:鷺山京子)
植物研究部の級友カナに引っ張られた甲平は、落石の下敷きになってしまった貴重な植物リーアを助けるのに手を貸し、割とリリカルなドリーム妄想に耳を傾け、前回の乱暴な態度から打って変わって、いいヤツぶりを発揮。まあ蘭に対して既に身内に近い感覚なのかもしれませんが、甲平の好感度の高さは今作の大きな長所なので、丁寧に扱ってほしい部分です。
メルザードでは、シダ怪人グロバが誕生。開口一番「俺は植物の王者だ!」、ビーファイターに出会うと「害虫どもめ、ひねりつぶしてやる」と妙に偉そうなのと、珍しいモチーフがなかなか面白い怪人。
大切に育てていたリーアの声を聞いた気がしたカナは、花粉を浴びると洗脳されてしまい、掘り出したリーアを抱えて戦いの場に。
「グロバ! やはりお前だったのねグロバ!」
「おお、おまえはリーア!」
……えーとなんだこの、分かれた夫婦みたいな間合いのやりとり。
それに反応したマザーは、メルザード要塞を戦場の上空へと向かわせる。
「リーア、2億年もよく生き延びていた事」
2億年前、リーアとグロバは地上の覇権植物の座を賭けて戦った関係であり、グロバが勝った事でリーアは絶滅したと思われていたが、ここに僅かに生き残っていたのだった! マザーは先祖のDNAを受け継ぐリーアに力を与え、怨念の肥大したリーアはハイパー化するとカナと合体してお花の戦士へと転身。
「グロバ! 2億年の恨み、今こそ晴らしてやる! 覚悟!」
……今回割と面白かったのですが、この、ミニスカお花の戦士のデザインはもう少し何とかならなかったのか!(笑) 限られた予算と時間の中で、顔出し女戦士のファンタジー感を出すのは難しいのかなぁとしみじみ。
リーアとグロバは2億年前の遺恨によりビーファイターそっちのけで戦い始めるが、その剣がぶつかり合う度に飛び散る花粉と胞子が混ざり合うと、それが猛毒となって植物や人間に甚大な被害を与え始める。両者の戦いにより地球全土に猛毒を撒き散らし生命を絶滅させる事こそが、マザーの狙いだったのだ!
……最近娯楽に飢えていたのでバトルショーを見物したかったという理由ではなくて、心底ホッとしました。
これに気付いたBFは戦いに介入し、ジャミングビームを浴びた兄者達は撤退。だが2億年の復讐心に凝り固まるリーアは、甲平達の説得に聞く耳を持たない。
「でも、仕方なかったんじゃない? 自然界では、そういう事も起こるわ」
「グロバだって、勝ったわけではない。やがては絶滅している。自然界の調和を考えず、自分達だけが栄えようとしたからだ。そういうものは必ず滅びる。それこそが自然の摂理なんだ」
大上段からの物言いが、いちいち人類へのブーメランになって返ってくるというのが、なかなか面白い展開。
「ではお前達は!? メルザードの侵略を自然の摂理だといって受け入れるのか!」
「それは……」
健吾と蘭は口ごもり、それまで黙っていた甲平は、復讐は勝手にすればいいが、カナの体を返せと迫る。
「人間は、我が物顔に地球にのさばり、自然を破壊し、多くの生き物を絶滅に追いやってきた。お前達に、滅ぼされたものの無念がわかるものか!」
「それは違う!」
反論しようとする甲平だったが、カマキリ娘が介入し、同じ絶滅種としての共感を語ってリーアを逃がしてしまう。
ここのカマキリはメルザードの計画の為にリーアを煽っているだけだとは思われますが、“昆虫で女性型”というかなり特異なポジションなので、広がってくれると面白い所ではあります。
再びお花の戦士とシダの王様が激突し、健吾と蘭を阻む兄者は、「邪魔はさせん」で指を鳴らして部下召喚とか、喋りも仕草も格好いいのですが、いまいち独り立ちできないのは、母親に頭が上がらないという根幹設定の為か。
…………根幹設定だけに辛いなぁ……!
甲平はカナが以前に書いていた、リーアの花の絵(想像図)を花の戦士に見せ、カナがどれだけリーアの為に心を砕いていたのか、それが伝わってはいないのか、と花の戦士に食い下がる。
……甲平、やたらカナの行動に詳しいのですが、大丈夫か。それとも画面に映っていないだけで、雨の日も風の日も助っ人として駆り出されていたのか(多分、後者な気が)。
「そんなカナを踏みにじりやがって、悔しいよ。おまえみたいな奴を友達だと思ったカナが、かわいそすぎるんだよ!」
第1話ではいきなりぶっ飛んでしまった甲平ですが、ここでは何よりまず、友の為に怒っているというのが高ポイント。
「人間は、自分勝手な酷い事もやってきた。だけど全部がそうじゃない! 一本の小さな草と、心を通い合わせる人間も居るんだ。それを忘れるなよ! 忘れちゃ駄目だ!」
友の為に怒り、友の行動を通すという段階を踏む事で、正論説教の説得力も上がりました。
一度は甲平をはねのけるリーアだったが、これまでのカナとの思い出を取り戻すと、カナから分離し、シダに取り付いて壮絶に自爆。
(カナ……これでいいの。私の先祖は、グロバに負けたんじゃない。撒き散らす毒で、生き物たちが全滅するのを恐れて、自分から滅んでいったの。今の私には、それがよくわかる……)
リーアは花びらを撒き散らして消滅し、毒にやられたものが回復。ビートマシンタイムを挟んで、シダの王様はあっさり3段フィニッシュ。
「ごめんな。リーアを助けられなくて」
けっこうリーアに殴られたり毒を浴びせられたりしたのですが、目を覚ましたカナへの最初の言葉が、本当に甲平はいいヤツで、この描き方が素晴らしい。
「ううん、仕方ないよ」
だがカナの手には、リーアの種が残されていたのだった……と未来への新たな希望を見せる形でエンド。
絶滅した生き物の思いという今作らしいテーマに怪人デザインも面白く、何より甲平が実にいいヤツで、そんな甲平とその友達の思いが絶滅植物の頑なな心を解かす、という流れも締まり、なかなか良エピソードでした。
次回――夏の海で甲平に春が来た?! 悪くないルックス、スポーツ万能、なんだかんだ親切、とまず間違いなく学校でモテていそうなのに同級生に(そしてちょっと年上のアイドルに)まるで興味が無さそうで、高めのボール球狙い疑惑の生じている甲平に、果たしてロマンスは生まれるのか?!
「リゾート気分もそこまでだ」
兄者ーーーーー!(笑)
ここ数話、次回予告が博士のナレーションだけではなく色々なキャラの台詞混ざりになっているのですが、この方が確実に良いと思うので、次回予告はこのままの路線で行ってほしいなぁ……。