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『ビーファイターカブト』感想12

◆第19話「夏の彼女は人魚姫?!」◆ (監督:石田秀範 脚本:浅香晶)
季節は7月に入り、甲平は水泳部の合宿でハワイアンズウォーターパークに来て…………プール掃除をしていた。という、ハワイアンズウォーターパーク協賛回。
そこに強力なエネルギー反応を調査に来るもまるで痕跡が見当たらないので遊んで帰る事にした、というブラックアカデミア一行が加わり、これは出張と称して実体は観光旅行でした、という予算の不正流用で査問会議案件ではないでしょうか!
合宿に加わっていたらしいゆいは早速健吾を引っ張り、蘭は何故かプールサイドで食いしん坊キャラにされ、博士はひたすらはしゃぎ、取り残されて愚痴る甲平だったが、突如、マリナという少女にナンパされる。
甲平は年頃の水着少女からナンパを受けているのにホント平坦な反応で、
君のストライクゾーンは、

上なのか!
下なのか!(危険)

かくしてリゾートを満喫する面々だったが……そこに差す不穏な影。
「どこかの海の奥深く、人魚の里に住んでいる人魚族は、なんでも願いを叶える不思議の力を持つという。ゆけ、その力を手に入れるのだ」
「地上征服の為、人魚の不思議な力、是非手に入れねば」
それでいいのか。
マザーから人魚探索を命じられた兄者とカマキリもまた強力なエネルギーに興味を示してハワイアンの地を訪れ、兄者、遂に顔出し!
ほぼサングラス装着の為、顔出しというほど顔出しではありませんでしたが、まさかのロン毛・やたら色黒で女連れ(カマキリ娘偽装)・派手な水着(恐竜の皮膚のイメージと思われる上着を羽織っており、素顔よりこちらのインパクトが強い)、の3点装備でプールサイドを練り歩いている為、凄く遊び人風に(笑)
スランプ気味の悪の組織が、真偽不明の地球上の伝説に活路を見出して迷走する、というのはままありがちな困った展開なのですが、多くの絶滅種が居るのと同様、現生人類の知らない生物種が地球にはまだ存在しており、それをマザーが認識している……というのは今作の世界観としてはそれほど違和感がありません。
最近半ば無かった事にされていますが、そもそも喋る巨大な昆虫が存在する世界ですし、某宇宙的蝶々は、魚と猿を融合してみたら面白ーい、ぐらいのノリで人魚の創造ぐらいしそう。
マリナは甲平に、自分は種族に伝わる願いのペンダントで一時的に人間となった人魚であると告白し、
(いったい何言ってんだコノコ)
口に出さないのが、いいヤツだな、甲平……。
リゾート地でビーファイターが遊びほうけているのを目にした兄者達は、とりあえず目の前の障害を排除してしまおうとマリナを人質に取り、絶滅パイナップル怪人を召喚。
「いでよ、パイナプラー!」
は、色々台無しで面白かったです(笑)
超重甲を封じられる甲平だがクワガーとテントウが参戦して人質を救出し、お約束のダンスショーに怪人乱入から、パイナップル輪投げを喰らい、缶詰にされてしまうクワガーとテントウ。
ゆるキャラ感漂うギャグ怪人だと油断していたら、一撃でクワガーとテントウが戦闘不能になってしまい、なんか普通に地球征服できそうですね……。
「どうだ、パイナプラーは見つけた人魚を缶詰にして、持ち帰る為に生まれた怪人なのだ」
カマキリ娘は勝ち誇り、何その技術の無駄使い(笑)
残るカブトンのピンチにマリナはペンダントの力で第二の願いを発動し、迸る人魚サンダーにより兄者達は一時撤退。マリナが人魚である事を信じた甲平は、メルザードに狙われるマリナに故郷の海へ帰るよう説得するが、人魚の国の門が外界と繋がるのは一年に一度、七夕の日だけであり、今日一日出来る限り人間世界を見ていたい、と拒むマリナ。
ここでマリナが、人間世界へ居残る気満々なのではなく、最初から帰る予定で一日限りの見学に来ていた、というのは若干ひねった要素。
「人間も人魚もみんなこの地球に生まれた仲間じゃないか!」
異種族への拒絶ではなく、同じ地球に生きる仲間として守りたいと思う甲平の真心を知るマリナだが、その足下に転がってくる小型のパイナップル。
「青春だね〜。おじさん照れちゃってもう、大爆発」
パイナップル(手榴弾)だけに! と、監督のセンスか声優のセンスかという気はしますが、浅香脚本回にしては面白い言い回し。
「マリナちゃんは俺が守る。ふるさとに返してみせる。だって……だってマリナちゃんは、俺が初めて友達になれた、人魚の女の子だから!」
初めての人間の友達に対する異種からの思い、という定番を一周させて甲平の方からも投げ返させた、というのは、浅香脚本にしては巧いテーゼの使い方。
兄者が出撃させた戦闘機の攻撃はクワガーとテントウが阻んでノルマも綺麗に消化するが、パイナップル光輪を受けて缶詰にされてしまうカブトン。
「へへひゃははははは、賞味期限が切れるまで、海の底で眠ってろ!」
そしてまさかの海中投棄。
今作あまり怪人の個性が強くないのですが、デザインから思い切ってギャグに寄せた結果、ここまで屈指の面白怪人に(笑)
マリナは最後の願いを使って海底からカブトンを復活させ、「許さん!」からノーガード歩行で怪人に迫るカブトンはヒロイックに決まりました。パイナプラーは怒りのカブトンパンチを受け、体液を撒き散らしながら爆死、という惨い最期に。……あれだ、何か思い出すと思ったら、某ふ○っしーだ(笑)
3つの願いを使ってしまった事でペンダントが力を失い、故郷へと帰れなくなってしまうかと思われたマリナだったが、人魚の涙でペンダントは力を取り戻し、海へ。そもそも3つ目の願いが残っていないと人魚の里に帰れないという理由がよくわからなかったり(人間化は夕方に自動解除されると言っていたような……)、最後は適当な奇跡で解決、とペンダント周りはわやくちゃなのですが、願いの力の発現があくまでマリナと甲平の間、個人レベルで収まっていたので許容範囲。
人魚となって海へと帰っていくマリナを見送る甲平が爽やかすぎて友情以外の何も感じさせないのですが、
だから君のストライクゾーンは、

凄く上なのか!(待て)
凄く下なのか!(待て)

7月上旬なのに早くも夏休み感全開のタイアップエピソードでしたが(撮影時期を考えると、マリナ役は5月ぐらい?に海に入っているのか)、バラエティ回としては案外と悪くなかったです。こういうエピソードは怪人が面白いと結構何とかなるものだぁと改めて。また、遠回しに七夕モチーフのエピソードとして成立しているのは、なかなか秀逸。
次回も引き続き、ハワイアン。


◆第20話「河童訪ねて三千里!!」◆ (監督:石田秀範 脚本:扇澤延男)
「河童は光線なんか吐かない!」
前回に続いてすっかり観光気分の甲平達ですが、その滞在費はいったいどこから出ているのでしょうか?!
甲平と蘭のみならず、ゆいまでもが夏の魔力でCG回収チャンス、と健吾に積極的にアタックを仕掛けるが、生真面目な健吾は東京へ帰るべきだと主張。ところが責任者の博士は、双眼鏡で水着の女性達を物色中。
…………この人、普段から最低なので、ギャグになりません……。
昆虫魂を失いつつあるメンバーを引きずって帰り支度をさせようとする健吾だったが、河童を探す変な父娘と遭遇してしまう。
「探し続けて10年、やっと旅が終わるんだね、父さん」
「ああ。生け捕りにして見世物にすりゃ、千客万来、一攫千金。蔵が建つぞ、蔵が、あははははは!」
中学生ぐらいの娘が凄くあっけらかんと、10年以上学校なんて通った事ない宣言をするのですが、何よりその事に一切疑問を感じていない姿が完全に児童虐待の領域。甲平の出席問題も扱っているだけに、フィクションもギャグも踏み越え気味なのですが、扇澤さんはこの辺り、妙に緩い傾向があります(^^;
一攫千金の為に10年も放浪する生き方は間違っている、と憤る健吾だが、噂の河童がまさかの出現。キャンプ客を狙う河童はビーファイターに向けて河童ブレスを放ち、デズルとドードが姿を見せた事で絶滅モンスターだと判明するが、そこに問題の親子が闖入。
「あいつは河童じゃない!」
「あれを河童と呼ばずしてなんと呼ぶ!」
「よく見てみろ!」
「河童だ!」
前回今回と、緩い方向へ突き抜けて変に面白い事に(笑)
ビーファイターが怪人に向けて突撃しようとする親子を止めている間に、河童怪人はその能力でキャンプ客達の尻子玉を抜いてしまう。
「なによ?! 尻子玉って?!」
「尻子玉は気力の源。さあ、我が子カッパラパ、人間どもを片っ端から腑抜けにしろ!」
遠距離から解説を入れてくれるマザー(笑)
「尻子玉抜きの恐ろしさ、わかったか。このカッパラパを使い、人間社会を地球規模の混乱に叩き込んでやる」
前回は、一歩間違えば人魚も絶滅モンスターだったのかもしれない、というニュアンスが入っていましたが、今回は河童が絶滅モンスターとして登場し、妖怪・幻獣モチーフがタイアップ編で続いたのは、ネタ合わせをしたと思われる所。
ビーファイターが常識的な判断から怪人はたまたま河童に似た姿に合成されたものだと考えているのに対し、メルザード怪人の生まれ方を知っている視聴者からすると絶滅種・カッパが存在していた可能性が高いと思われる、という情報のギャップが父子がらみで軽いひねりになっているのですが、甲平達は本当にグルの存在を忘れているのではないか(^^;(よく考えると、甲平はグルに会った事がない?)
地続きの続編設定の割には、最近“昆虫魂”という要素がまるで顧みられないのが少々気になるのですが、まあ、昆虫魂は昆虫魂で破壊力高すぎて何もかも塗りつぶしてしまう要素なので、意図して避けているのかもしれませんが。
ビーファイターは大人の事情により石炭化石館に立ち寄り、親子にメルザード怪人について説明するが、親子はあくまであれは河童であると頑として譲らない。……そもそも河童が空想の生物なので、「河童」と「伝承上の河童に酷似した絶滅モンスター」の境界線が非常に曖昧でカオスな状況になる中、父が口走った女性の名前について健吾が問いかけ、父子が河童を探し求めるのは10年前に死んだ妻(母)の為だったとわかる。
「私、昔、河童に会った事があるの……」
「お母さんは嘘つきなんかじゃない」
「証明する為さ。昔あいつの話を信じなかった、馬鹿にして笑ったそいつらの目の前に河童を連れていって、あいつが嘘つきなんかじゃなかったて事を!」
いっけん非常識で無茶苦茶な行動は死んだ家族の為だった、とちょっといい話の体裁を取って武装し、健吾を上から目線の正論で人の感情を踏みにじる人間として殴りに行くのが既に毒なのですが、ちょっといい話の正体は、いまわの際に妻が遺した言葉で狂ってしまった男の妄動なので、実に扇澤さんらしい、テクニカルな猛毒(^^;
そんな猛毒に冒されて甲平が「すげぇじゃん」と父子を励ましてしまい、まずい方向へ転がっていくのかと思いきや、
「間違ってる」
と即座にきっぱり批難する健吾。
「河童を探したければ、休みの日にすればいい。生活の全てを犠牲にするなんて、馬鹿げてる」
「俺達の想い、他人にはわからねぇよ」
「わかりますよ。でも……!」
だがその時、河童怪人が国際会議場に迫っていると連絡が入り、3人は親子をその場に縛り付けて現場へと急ぐ。
国際会議に集まった世界中の首脳の尻子玉を狙う河童怪人が、群がる警備員に向かって悠然と歩を進めながら
「尻子玉抜き」
を発動すると警備員がバタバタと無力化していく、というのが物凄い強キャラみたいで妙に格好いい絵に(笑)
会議場を襲う戦闘機部隊をネオビートマシンで迎撃している内に河童はいよいよ首脳陣へと迫るが、「やらなきゃならないんだ俺達はどうしてもぉ!」と自力でロープをほどいた父子がそこに乱入。鬼気迫る表情で突撃してくる父子に向けて尻子玉抜きを放つ河童怪人だが、父子は幾つ尻子玉を抜かれてもその突進を止めない。
「怪物のパワーが、全く通じない!」
特殊能力を上回る父子の狂気ビーファイターが感心するのですが、いい話では全く無いぞコレ(笑)
今回の怪人の特殊能力は、同じ扇澤脚本である前作第12話のナマケモノ怪人(人間のやる気を奪って自らのパワーにする)を彷彿とさせるのですが、その際の解決方法であった「昆虫魂による外部からの“やる気”強制補充」と今回描かれる「父子の狂気」は狙ってなぞらえていると思って良いのでしょうか扇澤さーん(^^;
怪人も狼狽する気迫の突撃でとうとう網をかける事に成功した父子は達成感から憑き物が落ち、気が抜けた所で怒れる河童怪人の逆襲にあってしまうが、助けに入ったクワガーが河童を撃破。しばらく落ち込んでいた父子だが、河童の怪人が出現したという事はその素体となった河童の化石があったのでは、と気を取り直し、笑いながら去って行くのであった……。
その後ろ姿をじっと見つめる健吾だったが、ラストは再びハワイアンリゾートでプールに浸かりながら、「まあいいんじゃない?」で済ませ、最後にちらりと本物の河童?が顔を見せてオチ。
父子への反応から、健吾の過去に家族絡みで何かあったのではないかと匂わせる振りが幾つかあるのですが、全く踏み込まないまま放り投げて終了してしまうという困惑するラストで、そもそも先で拾う予定で入れたのか、尺に収まらなくて濁してしまったのか、あまりに酷いネタだったので監督判断でオチが変更でもされたのか。
なんにせよ、我に返ったところで今更10年に渡る妄執を捨てられず、再び自ら狂気に陥る事を選択した父の行く末は明るくないと思うので、健吾がこっそり警察に通報して娘さんは保護されたと思いたい。
布石を放り投げ気味の着地は残念でしたが、今作ここまでの扇澤脚本回では一番面白く、人が狂う瞬間と、その狂気が剥がれ落ちて正気に戻る瞬間、そして再び狂気を選ぶ瞬間、を脚本を汲んでしっかり描写した石田演出も合わせて、技巧の隙間に複数の悪意が覗く何だか凄いエピソードでした。
それにしても、第19話時点で劇中日付が7/7(放映時リアルタイムに同じ)という事は、これからもう夏休みに入ってしまうわけで、夏休み中は物語を大きく動かさないという基本パターンに従うと、夏休み明け(第27話?)まで、このノリで突き進むのか……?!