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『ビーファイターカブト』感想21

◆第32話「響け 美しき蝶の旋律(メロディ)」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:浅香晶)
ここまでの流れを復習し、3人の心強い同志の登場とオーバーキル武装の入手に意気上がるビーファイター
「いや、新たな仲間は4人居るんだ」
「「「えぇ?」」」
……ええとマック、人数に言及していたと思うのですが。
先輩登場後の怒濤の強化展開は、拓也が露骨に匂わせる→留学生変身→留学生帰国→さっそく次の戦士が現れて帰国→またまた次の戦士が現れて帰国、と一切のインターバルが無くてどうも慌ただしいのですが、細かい部分を調整する余裕のないまま突き進んでいる感。
ところがフランス支部で研究されていた最後のメダルとそれに対応したコマンダーは3日前に行方不明になってしまい、現在捜索中。通常業務をこなす甲平は、パトロール中に不思議な少女と出会い、成り行きで富士山麓へ同行する事に。
少女の名は、ソフィー・ヴィルヌーヴ。甲平は全く知らぬ事だが実は世界的な天才ヴァイオリニストであった……と、日本ランド(現:「ぐりんぱ」。富士急ハイランドと母体は一緒で、山梨側にあるのが富士急ハイランド、静岡側にあるのがこの日本ランドとの事)タイアップによる、『ローマの休日』展開。
(これだわ、このメロディ……)
そしてソフィーこそ、3日前に突如飛来したコマンダーと蝶のメダルに選ばれた、新たな昆虫戦士だったのである!
コマンダーの示すビジョンと謎のメロディに導かれて日本までやってきたというソフィーの事情を知った甲平は、さっそく超重甲を指南。
……戦いを嫌うセミの戦士の葛藤を描いた次の回で、昆虫魂に選ばれたのだから、とろくな説明もせずに変身を要求する甲平が超鬼畜。
タイミング的には前回エピソードの詳細を知る前に脚本書いていると思うので浅香さんに全責任は無いのですが、どうも全体的な調整の不足を感じます(^^;
ところがソフィーは超重甲する事ができず、未だ昆虫エネルギーを内包したままの蝶のメダルを狙って迫り来るハチとムカデ。甲平からの連絡で駆けつけた健吾と蘭に守られ、導かれるままにソフィーがバイオリンで謎のメロディを奏でると、それに同調した調べが響き渡り、洞穴の奥で台座に突き刺さっていた剣が飛来する。
宙に浮かぶ剣はソフィーを守り、蝶のメダルの力がビーコマンダーにチャージ。
「生誕! 花の戦士・ビーファイターアゲハ!」
蝶の羽の意匠という事か、顔の四方にひさしの突き出したパピヨン戦士は良く言えば個性的でエクストリーム。メインカラーがクリーム色というのは柔らかさが出てなかなか面白いのですが、目をゴーグル型ではなく二つの瞳にしてしまったのは、少し冒険しすぎたのでは。お陰で、アーマーを纏った変身ヒーローというより、星の海からやってきた助っ人宇宙人感が少々。
謎の剣を装備したアゲハは優れた聴覚で、ビークラッシャーの忍者担当という事になったハチの忍術を見破り、インプットライフルが炸裂。ハチとムカデはいい所なく撤退するが、何故か剣はアゲハの手を離れて再び姿を消してしまうのだった……。
追加戦士の4人目は一ひねりが加わり、更なる新アイテムと絡む形に。とにかくモチーフが蝶なので不吉な予感しかしないのですが、果たして剣の正体は!
ソフィー役はクレジットによると日本人の女優さんのようですが、欧州系の血が入っているのか、日本人離れしたそれらしい顔立ち。台詞回しもフランス人お嬢様らしさを心がけている感じで悪くなかったのですが、一部驚くシーンなどが演技しきれなくて地が出る感じになってしまっていたのは、少々残念。
ライジャとデズルというカードを残している事を考えると、このまま一気呵成の展開で3クール中にビークラッシャーが次々と片付けられていくという事になりそうですが、前作の二番煎じ、因縁構築の不足と重なって、昆虫戦士vs昆虫戦士、のマッチアップがもう一つ盛り上がらないので、謎の剣という要素でうまく弾みをつけてほしい。