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『ビーファイターカブト』感想23

◆第35話「闇を裂け復活の巨神」◆ (監督:東條昭平 脚本:宮下隼一)
「遙かいにしえ、悠久の太古、全次元を見下ろす高みに、二つの意志があった」
生命を産みだし育んでいこうとする光の意志と、全てを破壊し無に還そうとする闇の意志――二つの意志は様々な次元と様々な勢力を巻き込みながら、永い永い戦いを繰り広げていた。光に与した勢力の一つ、昆虫次元は優れた戦士を多数抱えた光の陣営の最精鋭であり、俺の勇者キャノンことビートイングラムは、もともと昆虫次元戦士の武器であった、と判明。
光の意志は、全次元を巻き込んで広がる光と闇のハルマゲドンを終わらせる為に、使う者次第で全次元を滅ぼしかねない最終兵器を製造。これにより闇の意志は滅び去り、荒廃した全次元に生命をもたらす為に放たれたのが、セントパピリアなのであった! と、前作の要素を色々と拾って、宇宙的なスケールで連綿と続いていた光と闇の戦いに収束。
設定としては、前作のみならず『エクシードラフト』『ブルースワット』も取り込めそう(同じ説明が出来そう)ですが、そう見ると『ジャンパーソン』は宮下メタルヒーローの中では異色というか、大いなる光とか闇とか抜きで、自らが命を捧げる正義を求めたジャスティスモンスターの物語なのだな、と改めて。
そして、あまりにも強すぎる最終兵器――“大いなる力”――は、8枚の昆虫メダルを鍵としてアストラルセイバーに封印され、いずこともなく姿を消したのだった……。
だが、闇の意志はその壊滅直前に二つの切り札を用意していた。一つは、次元の狭間に生み出した、全ての生命を憎む生物・ガオーム。そしてもう一つは、地球という星に生み出された、絶滅生物の母・マザーメルザード。
これら闇の怨念の存在を感知した光の意志は、いずれ再来する戦いの可能性に備え、地球の聖地にアストラルセイバーを封印。その際、地球に派遣された昆虫次元の戦士達は土着の生物と交わり根付き、その後の昆虫界の礎となったのであった……。
つまり今作におけるキマりすぎの昆虫魂は、元をただせば昆虫次元の戦士達のスピリット!!
生まれながらの特攻戦士、それこそが昆虫!!
……それにしても、話を聞く限り完全に光の陣営なのに、思いっきり闇の陣営に手を貸しながら何もかもペラペラ喋ってしまうアストラルセイバーは、セキュリティーホールが大きすぎます。
敵の手に渡ったら自爆が、世紀末TOKYOディストピアでは常識だったのに!
それともこれは、駄目父キャラの象徴たる、“隠されていたビデオメッセージ”の亜種なのか(笑)
戦いが終わらないので業を煮やして、全次元を滅ぼしかねない最終兵器を作ってしまうとか、光の意志には怪しい匂いがぷんぷんします。
まあ闇の陣営も闇の陣営で、ガオームもマザーメルザードも完全に使命を忘れていたので、両者揃ってぽんこつなのか、2億年という時が悪いのか。
状況不利を感じたビーファイターは一時撤退し、当然、破壊活動を続けるビークラッシャー。このままでは地球はメルザードの手に落ちてしまう……意を決したマックの檄により、ビーファイターは一か八か、アストラルセイバーを奪い返して大いなる力を目覚めさせるという作戦に打って出る。
蝶のメダルを手にしたマックがビークラッシャーを挑発し、カブトン達が伏兵として攻撃。その間にヤンマガサソリを不意打ちしてメダルを強奪する……という流れになるのですが、そもそもビークラッシャーは地球の主要都市を人質に取っている状況なのでマックの挑発に乗る必要性が全く無く、マックが最後のメダルを手にしてやってきて土下座で命乞いとかならともかく、逃げ出した時点で100%罠確定と、乗せられるビークラッシャーがあまりにも頭空っぽすぎます。
合わせて、ようやく一騎打ちでアクションしたサソリのマッチアップ相手が何故かカブトンではなくヤンマと、ひたすら盛り上がらない展開。
「カブト! 取り返したぞ!」
「あいつ、やっぱり責任を感じてたんだ。任務失敗の」
「それで、必死に挽回しようとこの賭けに」
前回の件を拾った方が良いと考えたのでしょうが、この局面で蒸し返してコメントするビーファイター全員が凄く器の小さい事に(^^;
強奪したメダルホルダーを手に、地面に突き刺さったセイバーに手を伸ばすヤンマだが、突然の雷光が直撃し、中空にマザーの顔が出現。
「思い上がるな虫けらども!」
「何者だ?!」
意外や第35話にして、初顔合わせ。
「おお、マザー!」「御自ら、地上にお姿を!」「それほどまでに、メダルを」「大いなる力を」
これに対して、ビークラッシャーが台詞を4分割してわかっている事情を重ねて説明するのがどうにも間抜け。ここ以外でもビークラッシャーは、すぐ近くにビーファイターが居るのにアストラルセイバーを4人でぐるっと取り囲んで話を聞くなど、脱力する絵が多いのですが、一度に出すと台詞のカット割りが多すぎてテンポが悪くなる、悪役としての魅力も4分割、といいとこなし。
結果論としては、ビークラッシャーはここまでに数を減らしておいて、ムカデ、カマキリ、ハチ、と次々と倒れた後、その内蔵していたメダルを受け継いだサソリがアストラルセイバーを入手して最大の強敵として立ちはだかる……とでもした方が、スッキリ収まって良かった気がします。
マザーの介入により8枚のメダルがビークラッシャーの元へ戻ってしまい、とうとうセイバーの封印が解かれそうになるが、その寸前、ゲンジ、ミン、アゲハの3人の昆虫戦士がビークラッシャーを襲撃。
展開としては、心強い味方が帰ってきた! という展開なのですが、軒並み、出てきたと思ったら帰っていったと思ったらまた戻ってきた、という忙しさでタメが無いので、どうにも盛り上がりに欠けてしまいます。
リアルタイムだと約1ヶ月ぶりの戦士も居る事は居るのですが、先輩登場以後、あまりにも物語全体として緩急がなさ過ぎて、急流に麻痺して平板に見えてしまう事に。
玩具とか造形物とかキャスティングとか諸事情があったのでしょうが、物語としてはやはり、先輩登場→(間)→メダルBF登場・インプットライフル入手→(間)→メダルに隠された真の秘密が明かされる・アストラルセイバー登場、ぐらいの波をつけて欲しかった所です。
最後の8枚目のメダルを投入した方の勝ちとする、というアストラルセイバーのがばがばのセキュリティが有利に働き、カブトンは封印されていた大いなる力の解放に成功。
「そりゃあ!!」
カブトンが天に向かってセイバーを掲げると、巨大な黄金のカブトムシが浮かび上がる……!
作戦前には、“使う者次第で全次元を滅ぼしかねない最終兵器”を解放していいのか、という葛藤が描かれていたのに、メダルとアストラルセイバーを取り戻し、人数的にも有利になった状態で、1秒の逡巡もなく解放してしまい、テーゼがぐっちゃぐちゃ。
ギドーバの大群を倒すにはこれしかないという念押しとか、仲間が「おまえなら大丈夫だ」とカブトンを応援するとかあれば多少は違ったのですが、そういった説得力の補強は皆無。
またこれ以前にインプットライフルを通して、強すぎる力への恐れを忘れてはいけない、というのを描いており、それを拾えば物語上のインプットライフルの必然性も生まれたのですが、全く拾われませんでした。
「今こそ、今こそ解放される。光の意志によって作られし、大いなる力。大甲神カブテリオスが」
カブトンが巨大カブトムシと融合するとそれは巨大な人型へと姿を変え、どうにも磁雷神(『世界忍者戦ジライヤ』)を思い起こしてしまいます。
「ば、馬鹿な! 大いなる力が、ビーファイターのものに!」
おののくマザーですが、大いなる力にこだわらずにセイバー確保したまま物量で押しつぶす、が正解でした。
「だ、大甲神、カブテリオス!」
そして基地で驚愕する博士は、とことん戦力強化に関係しません(^^;  追い詰められた時に作戦を授けるわけでもなければ皆の背を押すわけでもなく、この人は本当に、何のために基地に居るのか。
ビーファイターカブト、進め、戦え、カブテリオスと共に!」
ストレートに格好いい系ではなく、少々クラシック寄りの勇壮なテーマソングをバックに動きだした伝説巨神カブオンは、迫り来るギドーバの大群を、電光石火のカブオンソードの一撃で壊滅させる。
余りにも圧倒的なロゴ・ダウの巨神に対して、メダルの影響で宿ってしまったと思われる特攻魂を発揮し、雄々しく立ち向かうバッフクランのサムライもといビークラッシャーだったが、一斉攻撃をあっさり跳ね返されると、反撃を受けて吹き飛び、かき消えるように消滅。
…………て、あれ、リタイア?(^^;
完全退場だとするとあまりにも呆気ない上に、巨大ロボットに対して人間大だと噛ませ犬としてすら成立していないのですが、これならホント、4人揃って引っ張っている必要、全く無かったのでは。
「おのれぇぇぁ、我が使命、我が野望、ここに潰えるのかぁぁ!!」
そしてマザーも物凄く弱腰になって退散し、歓声をあげるビーファイター
「これで、戦いを終わらせる事できるネ!」
そう、伝説の巨神の力が手に入った以上、新帝国ビートルによる地球の支配まで、あと一歩……! 圧倒的な力による完全平和が実現するのだ!!
先輩登場以降の怒濤の展開が極まれり、という巨大メカ登場エピソード。流れで見てもエピソードで見てもとにかく忙しすぎて穴だらけなのですが、ここ数話は雪山の急斜面を凄い勢いで滑り落ちている感。このままだと最低でも複雑骨折間違い無しの直滑降ですが、果たしてターンやジャンプを決める事はできるのか。
次回、復活の兄弟。そしてさよなら博士。