はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2019〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『仮面ライダー555』感想19

(※サブタイトルは存在しない為、筆者が勝手につけています。あしからずご了承下さい)
◆第30話「変わりたい、じゃ、変わらない」◆ (監督:田村直己 脚本:井上敏樹
巧と勇治に迫り来るデルタミサイル……だがその時バイクロボが来た!
前回のムカデの横槍→デルタのお仕置き、がエレガントだったとすると、話の都合丸出しで飛んできたり来なかったり気分次第、というバイクロボは今作におけるエレファントの極み(^^;
都合がいい分、“格好いいは正義”で強行突破がはかられる事が多く、出てくると強くて格好いいのでバイクロボ自体は好きなのですが。……強く描きすぎた為に、ますます飛んできたり来なかったりが不自然になっているのは、難しい所。
ケチって安いガソリン入れるから、いつも来てくれないんですよたっくん!!
タイヤシールドでミサイルの雨を防ぎ、直撃を避けるも吹き飛ばされたバイクロボが頭を打ってバイザー部分が点滅する映像が強調され、これは間違いなく、記憶喪失のフラグ。
足を負傷した勇治に反射的に肩を貸す巧だが、デルタビークルは二人を押し潰そうとジェット幅寄せで迫り、ところが突然の銃撃でデルタは運転席から放り出される。
「ざまぁみなさい。……ふっ、ふふふふ、ははははは」
それは倉庫の暗闇にこっそりと潜んでいたムカデの仕業で、意趣返しを果たしてちっぽけなプライドを満たす琢磨、2話続けて主人公の危機を救う大殊勲(笑)
何とか逃げ延びる巧と勇治であったが、勇治は巧の手を振り払い、交わると思われるも背を向けて分かたれる二人の道。店に戻った巧は、勇治との恋愛も禁止! とうるさく言って真理の不興を買い、すっかり他人の恋路に難癖をつけて回る悲しい男に。
「大体なんだっておまえら変なのばっかに惚れんだよ?! ……もっとまともなやつがいっだろうが」
…………い、居る、かな……?
基本的に今作、登場人物のほとんどが死体かオルフェノクのわけですが、とりあえず現状、死体でもオルフェノクでもない草加雅人は、澤田を呼び出して流星塾生としてデルタギアの奪還を持ちかけ、それを断られると満面の悪い笑みを浮かべていた。
「じゃ、死んでもらおうかな」
「無理だな。君が、俺に勝てる筈がない。失敗作である……君が」
「失敗作? なんの事だ」
「思い出したんだよ。オルフェノクとして覚醒した時――同窓会の日に、何があったか」
恐怖と憤怒の入り交じった表情で草加はカイザに変身し、河童と激突。河童はダムの壁に張り付くクモらしい能力を見せて姿を消し、折角の対決だったのに少々物足りないまま終わってしまいました。
澤田の言によると、オルフェノクに覚醒したのは「同窓会の日」という事ですが、出席者達にとって「草加が参加していない事」になっているのは、一度死んで記憶が飛んでいるからなのか? 設定からは推測されるといえ、だとすると真理まで一度死んでオルフェノクとして甦っている?という事になるので、保留していたのですが、いよいよきな臭くなって参りました。
その頃、いったい何があったのか、啓太郎と海堂は並んで体育座りしていた。
「……変わりたいんだ、俺」
「……俺もだ。……変わらない、変わろう、変わる時、変われば、……か、かお」
「……変われ」
啓太郎がぽつりとこぼした一言に、息を呑んで酢昆布を取り落とす二人。
「「変われ!!」」
二人はがっちり手を握り合い、ここに、最っ低兄弟が誕生するのであった。
君たち、なんて所で「変身」を持ち込むのか(笑)
まずは形から入ろうと、髪を染め、髪型を変えた二人は街を練り歩き……露骨に変なものを見る目で人々から避けられていた。
一方、勇治は、真理に巧=ファイズについて問い……
「巧は悪い人間じゃありません。命を賭けて、人間を守る為に戦ってるんです」
巧は、結花に勇治について尋ねる……
「木場さんは人間を守る為に戦っているんです!」
「…………人間を……守る……」
人と人の出会いが更なるすれ違いと悲劇を生むという傾向が強い今作ですが、ここでは、巧と勇治の周囲の人間関係が、二人の亀裂を修復する方に転がっており、溜めに溜めた上での『ファイズ』真骨頂。
「問題なのは、相手を信用できるかどうかだ」
「……俺は、君を、信用したい。そう思ってるけど」
「……ああ、俺だって同じさ。おまえの事を信用したい」
勇治と巧は直接話し合い、これまで見てきた人間としての「乾巧」と「木場勇治」を互いに信じたいと思うも、目を合わせないままという緊張した空気が漂うが、そこに女の悲鳴が響き渡る。
カップルを襲っていたセミオルフェノクをさらっと共闘して蹴散らした二人は、お互いの、人間を守る為に戦う意志を間近で見てわだかまりが少しほぐれるが……この一部始終を盗み見ていた草加が、勇治に接触する。
「悪いのは、オルフェノクじゃない。オルフェノクを、強制的に操っている、スマートブレインだ」
先に勇治を襲ったのは、スマートブレインを信用させる為の芝居であったとぬけぬけと言い放った草加は、ヒーロースマイルから親しげに勇治の肩を叩き、
「初めて会った時から、君とは気が合うと思ってたんだ」
と厚顔に言ってのけ、
「だが、信用できないのは乾巧だ。あいつはただファイズの力を楽しんでいる。オルフェノクを倒す事で、自分の力を試しているんだ」
と巧への疑念を吹き込んで関係の悪化を図るという、絶好調のコンボを発動。
「奴は口がうまいんだよ。乾巧……奴は人間の敵であり、オルフェノクの敵だ」
相変わらず草加のやり口は即物的でどこか稚拙なのですが、今回は全部自分の事なので、力強い説得力があります(笑)
「都合が悪いんだよ……君と乾くんが仲良くなっては。――色々とねぇ」
思惑を秘めた草加は、セミオルフェノクに襲われた真理と啓太郎を助けに向かう巧を、物陰から襲撃して気絶させるとファイズギアを強奪。セミを焼却した馬に、ファイズとして襲いかかる。
ファイズ……いや、乾巧。やっぱり…………やっぱり君はそういう奴だったのか!」
素体スペックの違いなのか、草加ファイズは馬を気絶に追い込み、変身を解いた所にタイミング悪くやってきた巧に、ファイズギアを親切めかして返却する。
「奪い返してやったんだよ。木場勇治の手から。このベルトを」
従来作品では、“ヒーローの姿”というのは、“力と人格”の融合した象徴的存在であったのですが、今作においては、“力”にどんな“人格”を掛け合わせても“姿”を手に入れる事が出来る、というのがメタ的には非常にねじくれており、そのねじれを利用して仲違いを工作する草加の姿が、今作における、人のどす黒い心として、非常に象徴的になりました。
ダブルヒロインが巧と勇治の関係を良い方向に進めるかと思われた所で全てを台無しにひっくり返そうとする、草加の悪意も真骨頂ですが、ただただ自分に都合の良い状況を作りたいというその卑近さが、日常生活に潜む落とし穴というか、振り返れば自分の中にも草加雅人が居るかもしれない、というのが実に嫌な見せ方です。
「気をつけた方がいいな。奴は随分、君の事を恨んでるみたいだからさ」
巧にも木場への疑念を吹き込む草加だが、そこに北崎が出てきてデルタ変身。ファイズとカイザは今回もいいようにデルタビークルに小突かれるが、ファイズがおもむろに電話をかけると、なんともう一台の同型ビークルが出現する! デルタもカイザも驚いているのですが、見ているこちらもビックリです(笑)
ファイズだけ平然としているので、きっとファイズギアの説明書に最初から記載してあったものの、説明文が興奮したお父さんの直筆でやべー! すげー! かっけぇー!しか書いていなかったので、
(あ……これは、呼び出したら駄目なやつだ……)
という判断の元、これまで未使用だったのかと思われます。
ビークル同士の戦いが、カーチェイスしながらの銃撃戦のような画でしばらく展開するも、ファイズビークル、脱輪(笑) そしてデルタミサイルで爆散……と、何がしたかったのか、色々。
基本的に真っ当に戦うとデルタ崎が強すぎるので、玩具を与えて時間稼ぎしている面があるのですが、ここまで強引に2台目を出す必要は果たしてあったのか(^^;
前回は面白かったのですが、今回は挿話それぞれがどれもこれも中途半端になってしまい、散漫なままの繋ぎ回といういまいちの出来。最っ低兄弟に至っては話の中での意味が全く見えないまま次回へ続いてしまいましたが、ちゃんと面白くなってくれるのか……?