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『宇宙戦隊キュウレンジャー』感想・第17話

 先週分。
◆Space.17「闇のドームを照らしタイヨウ!」◆ (監督:竹本昇 脚本:荒川稔久
 次回とセットという事なのか荒川さんが参戦し、ガルとバランスをメインにしながら強化アイテムも出しつつ、幕間に敵も味方もオールキャスト挟んだ上で、女性キャラを可愛く見せるとはこうやるんだよっっ!と握り拳が光って唸る、全方位に行き届いた1本でした(一方で、手法の経験値の蓄積差があるとはいえ、やはり5+1ぐらいが動かしやすいというのがわかりやすく見えてもしまいましたが)。
 部下の出番を奪って自分で光キュータマ届けに行く司令はどうなのかとは思うものの、リュウ帝王のパターン見せの都合で仕方なかったのか(^^;
 上半身だけのチャンプと、自分に真っ直ぐに憧れる弟分の前で強がる姿さえ見せられずに打ちひしがれるスティンガーが挿入されるのが地味にえぐいのですが、司令の思惑通り、小太郎の戦士レベルは順調に上昇している模様です。
 チャンプのオジキの報復に、スコルピオの野郎の土手っ腹に風穴開けてやらにゃ気が済まんのじゃあ、と血気盛んに猛るガルは、飄々としてマイペースを崩さないバランスに怒り心頭。
 とまずは今作が曖昧に誤魔化す事の多い、キャラクター間の物の見方の違いによる感情の食い違いという切り口を持ち込んでくれたのが良かったです。
 主にガルの側が突っかかって抗争に突入しそうになるが、司令が新たな作戦を発令。閉ざされた暗黒ドームの中にカメレオン忍法で入り込んだ赤・青・緑・桃・金が目にしたのは、昼間が22時間あるドーム都市だった! 住人達は人口太陽が天頂のダークゾーンに入る僅か2時間しか眠る事を許されずに労働を強制され、少しでも悪代官の悪口を言おうものなら制裁を受けるのだった。
 そうとは知らず悪代官を罵倒したキュウレンジャーはさっそく姿なき代官・シャイドスの攻撃を受け、見えないけれど声だけが響く敵の攻撃を一方的に受けるという、なかなかサスペンスな入り。
 シャイドスの攻撃で派手に吹き飛ばされたラッキーは、着地した先でも不用意に悪口を言った途端に、またも見えざるシャイドスから一方的な攻撃を受けて吹き飛ばされ、なんだか段々、悪口を言った者を自動的に攻撃するスタンド攻撃みたいな事に。
 「完全に監視されちゃってるんでしょ? できることなんか、ありませーーん」
 「なにかやっちょる内に打開策が見えるかもしれんじゃろうが!」
 「無駄に動いたって疲れるだけでーす!」
 別方向に吹き飛ばされたガルとバランスはここでも方針の違いで対立するが、無気力に寝転んでいるフリをしながら監視カメラをハッキングしていたバランスは、悪代官の正体に迫る映像を入手。無計画に代官所に単身カチコミしようとしていた鉄砲玉を制止してその場を離れると、回り回って吹っ飛んできたラッキーと再会し、これは確かに、会えてラッキー(笑)
 桃緑も合流した5人は、バランスが分析した監視カメラの映像で、超高速で動く影が下方向から市民に制裁を加えている事を確認。バランスがただやる気無く寝そべっていたわけではなかった事を知ったガルは、今度は自分が役に立つ番と囮作戦を提案し、赤青緑桃の4人が悪代官に罵詈雑言を浴びせて攻撃を誘い、それを物陰からバランスが分析する。
 ただの囮作戦なら犠牲は青1人でいいのでは……? と一瞬思ったのですが、緑の透明化や桃の飛行も通じるのかを確認する為、という事で納得。そして空中のワシピンクへの攻撃から、シャイドスは影から影を移動して標的を攻撃している事が判明し、本当にスタンド能力ぽかった。
 ガルが能力解明の決定打の役割にならなかったのは惜しかったですが、ドーム都市に2時間だけ訪れる夜は、太陽が真上にあると影が小さくなり、シャイドスがその能力をフル活用できない為、と閉鎖空間のシステムと敵の特殊能力が繋がっているというのは秀逸。
 どうせシャイドスは悪口を言うとすぐ出てくるので、赤が光キュータマを回収に言っている間に皆で敵の攻撃に耐えている必要はあまり無かったようには思えるのですが、敵を抑える確実性を取ったと解釈できる範囲か。
 リベリオン本部から送られてきたニューアイテム・ヒカリキュータマは、ひかり座って無いよなぁ……と思ったら、太陽と月の二つのシンボルが組み合わさった合成キュータマというイレギュラー。今作が全宇宙規模である事を考えると、「恒星」と「衛星」であるべき気はしますが、それ言い出すとそもそも星座が地球から見た基準なのでもがもが。
 司令が届けた光キュータマを回収した赤が駆けつけ、光キュータマの太陽モードを発動すると、フラメンコ調の軽快なテーマと共に、顔が日輪仮面に。更に『おかあさんといっしょ』ノリのハイテンションなポーズを決めて、シャイニングスター・太陽シシレッドを名乗ると、ワシピンクにぶら下げられて上昇し(今回、緑と桃にもきちっと役割を与えているのが良い所)、太陽光線で全ての影を消し去って悪代官の能力を封じる事に成功する。
 更に更に、その光を浴びた天秤ゴールドの内なる筋肉が突然活性化し、超力招来。恐らく光の力=超高周波の影響により筋肉と昆虫魂に目覚めたマッスルゴールドは、全てを凌駕する圧倒的なパワァーーーでシャイドスを殴り飛ばすと、鍛えれば空も飛べる事を実証し、太陽レッドをモアイ基地に向けて空中ジャイアントスイング(笑)
 「バランスが、とんでもない事を……惚れたガル〜っ!」
 投げ飛ばされた太陽レッドは迸る筋肉の力でモアイ基地を壊滅させ、戦力ヒエラルキーとしてはこれ以上なく崩壊しているのですが、OPをバックにここまでハチャメチャにやってくれると、突き抜けて楽しかったです(笑)
 つまり筋肉は正義。
 モアイ基地の崩壊により暗黒ドームが砕け散り、夜が戻ってきた世界で、今度は光キュータマの月モードが発動。ややアラビアンにアレンジされたテーマで、顔が三日月仮面になったムーディースター・獅子レッドムーンが誕生すると、その放つ光を浴びて今度はオオカミブルーがパワーアップ。
 どうして太陽エネルギーでゴールドがパワーアップするのかと思ったら、月の光で狼男がパワーアップするという、より納得度の高い展開への前振りでしたが、その為に何か、とんでもない怪物を生んでしまった気がします。
 太陽が筋力ならば、ムーディーな月の神秘によりジェントルパワーを身につけ、無意味に回転するようになる赤と青。
 「頼むぞ」
 「今宵の月に、乾杯だムーン」
 背筋を伸ばして語尾も変わったジェントルブルーは、迫り来る敵の攻撃を一歩も動かぬまま全て空中で弾き落とすという格好いいアクションから、ジェントル拳法で代官を圧倒。
 「いかがかなムーン」
 トドメは月レッドがZ技・SM光線で決め、
 「グッドラック」
 「お見事」
 アクションの見せ場はブルーに与えられているのですが、ジェントルパワーにより気障な口調になったムーディ獅子レッドが一番面白くて困ります(笑) トドメを持って行かれる辺りも、凄く、ガル。先に太陽の方でインパクトを見せる為に、月の方は一ひねりを入れた結果としては両方ともやたらに面白くなり、光キュータマ発動してからのエスカレート具合は、今回非常に良かったです。
 それにしても2人の性格の激変が、戦闘力と引き替えに後戻りの出来ないものに手を出してしまった感じなのが、凄く気になります。届いてもいないし効果もわからない光キュータマをアテにするという無茶な作戦といい、バランス、ラッキー、ガル、の心身に対する重大な作用といい、今回の作戦全て、リベリオン本部による非道な人体実験なのでは。
 革命に犠牲はつきもので、その犠牲の上にイ○サシステムは完成するのだ!
 ……それはそれとして、出来れば、変身前からムーディになったジェントルラッキーが一度見たい。
 巨大化した悪代官は竜青金のリュウ帝王でざっくり撃破。互いの力を認め合った青と金は意気投合し、羅針盤キュータマもチャージ完了、いよいよ竜骨キュータマ入手に向けてキュウレンジャーは気炎をあげるのであった。
 一方、なんだかただれた感じになっていたスコルピオは、竜骨キュータマ入手の為にマーダッコを出撃させる。
 次回――「宇宙は」「俺たちが」「取り戻す!」